「幾何学〈3〉微分形式:坪井俊」
先月この教科書の第2章「ドラーム・コホモロジー」のあたりで理解不能に陥り、やむなく中断。きっとこれはトポロジー(位相幾何学)(のホモロジー理論のあたり)を理解していないからに違いないと思い、何冊かトポロジーの本へ寄り道してからの再挑戦。難儀したがどうにか読破することができた。
理解できたとはいっても6割~7割といったところ。証明の細かい部分にはついていけず、全体像と個々の数学概念の意味がつかめ、それらの関係がやっとわかったというレベルだ。この教科書は大学の講義で半年をかけて行っているので、9割以上の高いレベルできちんと理解するには自分で手を動かして問題を解かなくてはならない。
これで多様体上での微分形式や、(多次元の)多様体上でどうして積分が計算できるのか、トポロジー的な単体複体のモデルがどのように微分幾何学で使われているのか、ホモロジー群とドラーム・コホモロジー群の関係、マイヤー・ビエトリス完全系列など、基本的なところはおさえられた。「第4章:微分形式とベクトル場」の理解は甘かったかもしれない。
本書についてはアマゾンにとても詳しいレビューが投稿されているので参照していただきたい。(こちら)
本書に含まれている演習問題は、坪井先生の講義予定ということで幾何学 I, II, IIIのPDFファイルがネット上に置かれている。本書はこれをベースに書かれたものなので購入を検討されている方は参考にしていただきたい。
2004 年度 幾何学 I 講義予定、演習問題(多様体入門)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/UnivLectures/kikagaku1table2004.html
2009年度・幾何学II・講義予定・講義内容(位相幾何学)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/UnivLectures/kikagaku2table2009.html
2006 年度 幾何学III 講義予定、演習問題(微分形式)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/UnivLectures/kikagaku3table2006.html
また坪井先生の講義の映像はネット上に公開されている。幾何学〈1〉と〈3〉だけでなく、まだ出版されていない「幾何学〈2〉位相幾何学の初歩(ホモロジー群)」の講義映像もある。
講義のページ:
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/video/lecture/
メインページ:
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/video/
「幾何学〈3〉微分形式:坪井俊」
目次
はじめに
第1章:ユークリッド空間上の微分形式
- 微積分学の基本定理(基礎)
- 微積分学の基本定理の多変数化(基礎)
- 微分2形式(基礎)
- 面積分(基礎)
- 3次元ユークリッド空間上のベクトル解析(基礎)
- 一般の微分形式
- ユークリッド空間の開集合上の微分形式の空間
- 微分形式の引き戻し
- ポアンカレの補題の証明
- 第1章の問題の解答
第2章:多様体上の微分形式
- 多様体(基礎)
- 余接空間
- p次外積の空間
- 外微分とドラーム・コホモロジー
- 関手(ファンクター)という見方
- マイヤー・ビエトリス完全系列
- 球面のドラーム・コホモロジー
- コンパクト多様体のドラーム・コホモロジー
- 直積のドラーム・コホモロジー(展開)
- チェック・ドラーム複体(展開)
- 第2章の問題の解答
第3章:微分形式の積分
- 閉微分1形式の積分
- 単体からの写像に沿う積分
- 単体的ドラーム理論(展開)
単体複体/単体複体上の微分形式/単体的ドラームの定理/多様体の三角形分割と単体的ドラーム理論
- 向きを持つ多様体上の積分
- 境界を持つ多様体とストークスの定理
- 写像度
- ガウス写像
- 第3章の問題の解答
第4章:微分形式とベクトル場
- 多様体上のフローとベクトル場
リー微分/内部積/カルタンの公式/微分形式のベクトル場における値
- リー群
不変微分形式/リー群の作用/U(1)の自由作用
- 接平面場(展開)
フロベニウスの定理/微分形式の核/体積形式とダイバージェンス/シンプレクティク形式とハミルトン・ベクトル場/接触形式とレーブ・ベクトル場
- 第4章の問題の解答
第5章:多様体の位相と微分形式
- 多様体の三角形分割
組合せ多様体/三角形分割
- ポアンカレ双対定理
基本項/重心細分/双対胞体/単体の向き/多様体の向きと単体の向き/双対胞体のなす複体のホモロジー/ポアンカレ双対定理の証明
- 閉微分形式のポアンカレ双対(展開)
閉形式の外積とポアンカレ双対/単体的ドラーム理論と閉形式のポアンカレ双対
- 第5章の解答
付録:多様体の三角形分割の構成(展開)
参考文献
記号索引
用語索引
人名表
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先月この教科書の第2章「ドラーム・コホモロジー」のあたりで理解不能に陥り、やむなく中断。きっとこれはトポロジー(位相幾何学)(のホモロジー理論のあたり)を理解していないからに違いないと思い、何冊かトポロジーの本へ寄り道してからの再挑戦。難儀したがどうにか読破することができた。
理解できたとはいっても6割~7割といったところ。証明の細かい部分にはついていけず、全体像と個々の数学概念の意味がつかめ、それらの関係がやっとわかったというレベルだ。この教科書は大学の講義で半年をかけて行っているので、9割以上の高いレベルできちんと理解するには自分で手を動かして問題を解かなくてはならない。
これで多様体上での微分形式や、(多次元の)多様体上でどうして積分が計算できるのか、トポロジー的な単体複体のモデルがどのように微分幾何学で使われているのか、ホモロジー群とドラーム・コホモロジー群の関係、マイヤー・ビエトリス完全系列など、基本的なところはおさえられた。「第4章:微分形式とベクトル場」の理解は甘かったかもしれない。
本書についてはアマゾンにとても詳しいレビューが投稿されているので参照していただきたい。(こちら)
本書に含まれている演習問題は、坪井先生の講義予定ということで幾何学 I, II, IIIのPDFファイルがネット上に置かれている。本書はこれをベースに書かれたものなので購入を検討されている方は参考にしていただきたい。
2004 年度 幾何学 I 講義予定、演習問題(多様体入門)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/UnivLectures/kikagaku1table2004.html
2009年度・幾何学II・講義予定・講義内容(位相幾何学)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/UnivLectures/kikagaku2table2009.html
2006 年度 幾何学III 講義予定、演習問題(微分形式)
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~tsuboi/UnivLectures/kikagaku3table2006.html
また坪井先生の講義の映像はネット上に公開されている。幾何学〈1〉と〈3〉だけでなく、まだ出版されていない「幾何学〈2〉位相幾何学の初歩(ホモロジー群)」の講義映像もある。
講義のページ:
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/video/lecture/
メインページ:
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/video/
「幾何学〈3〉微分形式:坪井俊」
目次
はじめに
第1章:ユークリッド空間上の微分形式
- 微積分学の基本定理(基礎)
- 微積分学の基本定理の多変数化(基礎)
- 微分2形式(基礎)
- 面積分(基礎)
- 3次元ユークリッド空間上のベクトル解析(基礎)
- 一般の微分形式
- ユークリッド空間の開集合上の微分形式の空間
- 微分形式の引き戻し
- ポアンカレの補題の証明
- 第1章の問題の解答
第2章:多様体上の微分形式
- 多様体(基礎)
- 余接空間
- p次外積の空間
- 外微分とドラーム・コホモロジー
- 関手(ファンクター)という見方
- マイヤー・ビエトリス完全系列
- 球面のドラーム・コホモロジー
- コンパクト多様体のドラーム・コホモロジー
- 直積のドラーム・コホモロジー(展開)
- チェック・ドラーム複体(展開)
- 第2章の問題の解答
第3章:微分形式の積分
- 閉微分1形式の積分
- 単体からの写像に沿う積分
- 単体的ドラーム理論(展開)
単体複体/単体複体上の微分形式/単体的ドラームの定理/多様体の三角形分割と単体的ドラーム理論
- 向きを持つ多様体上の積分
- 境界を持つ多様体とストークスの定理
- 写像度
- ガウス写像
- 第3章の問題の解答
第4章:微分形式とベクトル場
- 多様体上のフローとベクトル場
リー微分/内部積/カルタンの公式/微分形式のベクトル場における値
- リー群
不変微分形式/リー群の作用/U(1)の自由作用
- 接平面場(展開)
フロベニウスの定理/微分形式の核/体積形式とダイバージェンス/シンプレクティク形式とハミルトン・ベクトル場/接触形式とレーブ・ベクトル場
- 第4章の問題の解答
第5章:多様体の位相と微分形式
- 多様体の三角形分割
組合せ多様体/三角形分割
- ポアンカレ双対定理
基本項/重心細分/双対胞体/単体の向き/多様体の向きと単体の向き/双対胞体のなす複体のホモロジー/ポアンカレ双対定理の証明
- 閉微分形式のポアンカレ双対(展開)
閉形式の外積とポアンカレ双対/単体的ドラーム理論と閉形式のポアンカレ双対
- 第5章の解答
付録:多様体の三角形分割の構成(展開)
参考文献
記号索引
用語索引
人名表
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独学でよく微分形式などやられてますね。
いやはや、すごいです。
横浜を中心に社会人の方でも学べる数学教室やっております。
良かったらご覧下さい。
堀口さんのサイトを拝見させていただきました。とても有意義な活動(お仕事)をなさっていますね。実は僕も昨年まで2年間喫茶店で友人に物理学を教えていました。「ファインマン物理学」や「趣味で物理学」、「趣味で相対論」、「解析力学(久保謙一)」などを教材に使っていました。
自分の勉強としては今年に入ってから数学中心にやっています。微分幾何学や位相幾何学、群論あたりまでは何とかなりますが、これ以降代数系の分野は道が険しそうです。(笑)なんとか非可換幾何学たどり着きたいわけですけれども。またときどき物理学の
教科書も勉強に加えていきたいと思っています。
数学にしろ物理にしろ趣味でする勉強は楽しいですよね。
それにしても堀口さんは松田龍平に似ていらっしゃいますね!