とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

リサ・ランドール博士来日記念講演

2007年07月22日 00時22分28秒 | 物理学、数学

掲載画像:リサ・ランドール博士

ちょっとしたフィーバーである。

理論物理学者のリサ・ランドール博士の来日記念講演が来週の土曜日に東京大学で行われる。定員170名というとても狭き門であるが「抽選」ということなので、申し込んでおいた。(当たるといいな。。。)

僕の宇宙論プロジェクトはいまだに1930年代の量子力学あたりをさまよっているところだが、最先端の研究はどんどん進んでいる。僕は追いつくことができるのだろうか。。。とても無理そうに思えるが、実は楽観的に考えている。最先端の理論まで到達するまでにはせいぜい十数冊かそこらの専門書を丹念に理解していけばいいのだと思っている。優秀な学者が書いた専門書は手に入るのだし、自分で新しい法則を研究するわけではない。良書さえ選べれば最短時間で到達できるのではというのがその理由。仮に弁護士になろうとして門外漢の僕が今から法律や司法試験の勉強をしようとするのに比べれば10倍くらい楽な道であるに違いない。今のところ相対性理論や量子力学、素粒子物理学、超ひも理論は僕には別々の話でしかないが、勉強が進むにつれて矛盾無く結びついてくるのだと思う。

ランドール博士は5次元理論を提唱しているが、もともと5次元というアイデア自体はめずらしいものではない。5次元どころか無限次元の空間が19世紀にヒルベルト空間論という数学で研究されていた。だから5次元という言葉だけを強調するといささか陳腐に思えてしまう。しかし物理における多次元の考え方は物理的に実在するという意味で数学での多次元とは根本的にちがう。想像や空想としての5次元ではなく、見えないけれども確かにある5次元世界なのだ。

物理学に限定したとしても5次元というキーワードで歴史をひも解けばアインシュタインと同時代のカルーツァ=クライン博士の5次元理論も有名だ。そしてその後に提唱された超ひも理論だと世界は10次元だったり26次元だったりする。これらの理論では4次元(3次元+時間の1次元)を超えたの余剰次元は巻き上げられ(コンパクト化され)、私達の3次元空間からは(余りにも小さいため)隠されている。

ランドール博士の5次元世界は余剰次元の1次元がコンパクト化されるのではなく、3次元空間(ブレーンと呼ばれる膜)を包み込んでいるのだそうだ。超ひも理論と共通している部分も多い理論だ。そして超ひも理論やM理論と同様、重力の発生の謎(つまり大統一理論の解決)も解き明かされる可能性がある。今のところ彼女の理論は仮説であるが、今年末に世界最大のLHC加速器が稼動するとこの理論の正しさが検証できる可能性がでてくるのだ。

ブームに踊らされている気もするが、まあいいだろう。

ともかく今回の記念講演の詳細はこちら。(申し込み〆切前に投稿したから当選確率下がっちゃうな。。。)

ランドール博士に関連する一般向けの本は2冊でている。

ワープする宇宙:5次元時空の謎を解く(クリック

異次元は存在する(クリック

この番組を書籍化したもの)

 

ランドール博士関連の動画はこちら

 

理論物理学者リサ・ランドール博士(ハーバード大学教授)
            来日記念講演のお知らせ


 リサ・ランドール博士は、目には見えない5次元世界の存在によって
理論物理学の難問を解決する方法を論文に発表し、一躍注目を集めています。
このほど、ランドール博士が来日し、東京大学の小柴ホールで下記のとおり、
記念講演を行うことになりました。

 来年からスイスで始まる巨大な加速器LHCの実験では、数々の大発見が
期待されています。そこでは、ランドール博士の提唱した「ワープした余剰次元」が
検証される可能性も期待されています。実験開始を間近にひかえた今、
ランドール博士に宇宙の謎をわかりやすく解説していただきます。
学生の皆さまをはじめ、科学に関心のある皆さまのご参加をお待ちしています。

                                   記

●日時:2007年7月28日(土) 午後2時~午後5時45分(予定)
●場所:東京大学 小柴ホール (文京区本郷)
●定員:170名
●主催:NHK情報ネットワーク、東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター

●内容:
第1部(2時~)
 NHKで放送された番組「未来への提言」を上映後、ランドール博士が講演します
(逐語通訳付き)。英米の大学で入門用テキストとしても使われている話題の
書『Warped Passages: Unraveling the hidden dimensions(邦訳本タイトル:
ワープする宇宙~5次元時空の謎を解く)』の著者でもある博士から、物理学を
知らない方々にもわかりやすいお話をいただきます。
参加者との質疑応答も予定しています。

第2部(4時30分~)
 ランドール博士が脳科学者・茂木健一郎さん(東京大学大学院理学系研究科物理学専攻
博士課程修了、理学博士、ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員、
東京工業大学大学院連携教授)と対談します。

※NHKでは、この講演会の模様を後日番組として放送する予定です。収録のため
制作関係者が入っていることをご了解のうえ、お申し込みください。申込が定員を
上回った場合は、抽選とさせていただきますのでご了承ください。当選者には
メールにてご連絡差し上げます。

★お申し込みは、メールアドレス・お名前・年齢・ご職業を明記の上、こちらの
メールアドレス(randall@nhk-jn.co.jp)宛に、7月22日(日)締め切りで
お送りください。

 

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