![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/dc/5bac9bd6571f6cb8f19a30e02d3e3c32.jpg)
光や音がその光源や音源から離れるにつれて弱まっていくことは経験によってもよく知られたことだ。その弱まり方は掲載画像のように距離の2乗に反比例している。つまり距離が2倍になれば強さは4分の1に、距離が3倍になれば強さは9分の1になる。
光や音のエネルギーが空間のあらゆる方向に放射されるから、中心からの距離rを半径とする球面を考えれば、球面の面積はrの2乗に比例するからだ。球面全体は中心から放射されたエネルギーがすべて受け取るから、同じ面積に受けるエネルギーは距離rの2乗に反比例する。これを逆2乗の法則と呼んでいる。
高校の物理でニュートンの万有引力(重力)や静電気力(クーロン力)を習うときに、これらの力も逆2乗の法則に従っていることを学ぶ。式で表せば次のとおり。光や音の減衰と同じ形の式になる。
万有引力(重力):
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/bf/823f3ab889c8939049d986211f2a69e7.jpg)
静電気力(クーロン力);
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/44/fcad896f4da51eac0b0c8f1a563fe8d1.jpg)
2つの力は全く同じ形をしていることに僕は高校生のとき不思議だと思った。万有引力や静電気力が伝わるしくみは光や音が伝わるしくみと全く関係ないのに同じような減り方をすることにだ。「力」は「エネルギー」ではないのだから光や音と同じように減ってくれる必然性はない。エネルギーは放射されることによってその源から失われるが、万有引力(重力)や静電気力は周囲に力をおよぼしてもその発生源から失われるわけではない。
また、距離が離れるに従って力の影響が減るというのは合点がいくが、減り方にもいろいろある。逆1乗であっても逆2.1乗であっても逆3乗でもいいわけだ。それなのになぜぴったり逆2乗なのだろうと。
実は逆2乗の法則が成り立っているのは、私たちが住む空間が3次元で、そしてあらゆる方向に等しい広がりを持っているということと深く結びついている。これを空間の等方性という。空間が3次元だから1点から等しい距離にある面積が距離の2乗になるからだ。
子供の頃磁石で遊んだことがあると思うが、磁石の引力や斥力も距離が離れるに従って減ることは経験的に覚えていると思う。実はこの磁力も逆2乗の法則に従っているのだ。学校では習っていないだろうが、式で表せば次のように万有引力や静電気力と同じ形の式になる。
磁力:
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ca/488c01b24deee4f7ad8a9f3830d5ab64.jpg)
ではどうしてこの事実を積極的に学校で教えないかということには理由がある。それは磁力の場合逆2乗の法則が成り立つためには、単体の磁荷(モノポール)の存在を仮定しなければならないからだ。磁荷はN極やS極だけ単体で存在できず、必ずN極とS極のペアとして存在する。電荷に対応する単体の磁荷(磁子)はディラックによって予言はされているものの、まだ実験でその存在を検証できていない。
ところで万有引力(重力)が逆2乗の法則に従っていることについて述べたが、まだ検証されていないこともいくつか残っている。
ひとつは0.1ミリメートル以下の短い距離についても逆2乗法則が成り立っていることが確認されていないことだ。短い距離では逆3乗法則になっているかもしれない。
さらに近年仮説としてクローズアップされている余剰次元や超ひも理論など、空間が5次元以上の余剰次元を持ち、それらが微小空間に巻き取られている場合は空間が3次元というのは誤りになるから重力の逆2乗法則も修正を余儀なくされる可能性があるということだ。
いずれにしても、起源の異なるそれぞれの力で同じ法則が成り立っているのは当たり前のようであって不思議なことだ。
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関連リンク:
逆2乗の法則(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%862%E4%B9%97%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
クーロンの法則(と逆2乗の法則):
http://butsuri.fc2web.com/electro/1-01.html
重力の謎解き:
http://www.eonet.ne.jp/~munchangjutheory/juuryoku.htm
相対性理論と重力の逆2乗法則:
http://blog.goo.ne.jp/eigenwille/e/6b7c946802414243a4cd87856a86299a
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光や音のエネルギーが空間のあらゆる方向に放射されるから、中心からの距離rを半径とする球面を考えれば、球面の面積はrの2乗に比例するからだ。球面全体は中心から放射されたエネルギーがすべて受け取るから、同じ面積に受けるエネルギーは距離rの2乗に反比例する。これを逆2乗の法則と呼んでいる。
高校の物理でニュートンの万有引力(重力)や静電気力(クーロン力)を習うときに、これらの力も逆2乗の法則に従っていることを学ぶ。式で表せば次のとおり。光や音の減衰と同じ形の式になる。
万有引力(重力):
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/bf/823f3ab889c8939049d986211f2a69e7.jpg)
静電気力(クーロン力);
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/44/fcad896f4da51eac0b0c8f1a563fe8d1.jpg)
2つの力は全く同じ形をしていることに僕は高校生のとき不思議だと思った。万有引力や静電気力が伝わるしくみは光や音が伝わるしくみと全く関係ないのに同じような減り方をすることにだ。「力」は「エネルギー」ではないのだから光や音と同じように減ってくれる必然性はない。エネルギーは放射されることによってその源から失われるが、万有引力(重力)や静電気力は周囲に力をおよぼしてもその発生源から失われるわけではない。
また、距離が離れるに従って力の影響が減るというのは合点がいくが、減り方にもいろいろある。逆1乗であっても逆2.1乗であっても逆3乗でもいいわけだ。それなのになぜぴったり逆2乗なのだろうと。
実は逆2乗の法則が成り立っているのは、私たちが住む空間が3次元で、そしてあらゆる方向に等しい広がりを持っているということと深く結びついている。これを空間の等方性という。空間が3次元だから1点から等しい距離にある面積が距離の2乗になるからだ。
子供の頃磁石で遊んだことがあると思うが、磁石の引力や斥力も距離が離れるに従って減ることは経験的に覚えていると思う。実はこの磁力も逆2乗の法則に従っているのだ。学校では習っていないだろうが、式で表せば次のように万有引力や静電気力と同じ形の式になる。
磁力:
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ca/488c01b24deee4f7ad8a9f3830d5ab64.jpg)
ではどうしてこの事実を積極的に学校で教えないかということには理由がある。それは磁力の場合逆2乗の法則が成り立つためには、単体の磁荷(モノポール)の存在を仮定しなければならないからだ。磁荷はN極やS極だけ単体で存在できず、必ずN極とS極のペアとして存在する。電荷に対応する単体の磁荷(磁子)はディラックによって予言はされているものの、まだ実験でその存在を検証できていない。
ところで万有引力(重力)が逆2乗の法則に従っていることについて述べたが、まだ検証されていないこともいくつか残っている。
ひとつは0.1ミリメートル以下の短い距離についても逆2乗法則が成り立っていることが確認されていないことだ。短い距離では逆3乗法則になっているかもしれない。
さらに近年仮説としてクローズアップされている余剰次元や超ひも理論など、空間が5次元以上の余剰次元を持ち、それらが微小空間に巻き取られている場合は空間が3次元というのは誤りになるから重力の逆2乗法則も修正を余儀なくされる可能性があるということだ。
いずれにしても、起源の異なるそれぞれの力で同じ法則が成り立っているのは当たり前のようであって不思議なことだ。
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関連リンク:
逆2乗の法則(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%862%E4%B9%97%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
クーロンの法則(と逆2乗の法則):
http://butsuri.fc2web.com/electro/1-01.html
重力の謎解き:
http://www.eonet.ne.jp/~munchangjutheory/juuryoku.htm
相対性理論と重力の逆2乗法則:
http://blog.goo.ne.jp/eigenwille/e/6b7c946802414243a4cd87856a86299a
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