一昨日またもや年寄りばかりで登山した、と言っても登りはロープウエイで、歩いたのは山上駅から山頂までのわずかな距離、数分だけ。しかし、これが大変だった。予想外の冷たい強風に帽子が飛ばされ、身体がふらつく。ゆっくり昼食をとることもできず、早々に切り上げ、すぐさま下山開始、国見峠に向かう。峠を過ぎればウソのように風がなくなった。今流行の変なスタイルをしたヤマガールたちのグループと出会う。女子校ではトレパンの上にスカートを履く変なスタイルを禁止じていたが。
沢山ある登山コースの中で最もポピュラーな裏道を下るが、情報通り5年前の台風で登山道が土石流で崩され、藤内小屋直ぐ近くまで流されてきた岩で埋まる沢筋を下る。視野が欠ける緑内障で岩と岩の段差と境がはっきり見えず苦労するが、何とか明るい内に無事出発点のロープウエイ駅に着いた。
下山後は旅館の温泉で汗を流し、ロープウエイで先に下山した会員も合流、総勢13名の待望の宴会。どのグループでの山行でも同じだが、目的は山よりむしろこちらの方に心の占める比重が大きい気もする。現役時代かなり硬派だった自分の変わりように我ながら驚く。学生時代から続くこの会ではたいていの集まりで自分が最古の先輩であるが、今回は自分より1年先輩、すなわちこの会の創設者の会員が2名も参加され、平均年齢も70歳と上がった。中でも造園業を営むM氏など、とても80歳近いとは思えないほど身が軽く、若い会員に劣らない悪場の動きに脱帽した。また高齢女性のKさんも、荒れた道を難なく通過し、とても60台後半の女性とは思えなかった。
3年後に会は創立60周年を迎えるが、これらの元気な高齢現役会員の姿を見ると、早く亡くなった会員たちの分まで生き、70、80周年を見たいという欲望が湧いてきた。