山荘雑記  

 定年退職後 信州白馬の里山に小さな丸太小屋を建て、
その生活の様子や山や旅の思い出など、気ままに書き綴っています。

日本とヨーロッパの山小屋

2011年09月15日 | 山登り

Vernagt hutte

夏冬を問わず、若い頃の山行はほとんどテント携行で、山小屋に泊まったことが少なく、外から眺めるだけで小屋の中や様子などはよく知らなかった。ただよく聞こえてくるのは、「最盛期は畳一畳分に2人が詰め込まれ、トイレにも立てなかった」とか、「メシはひどくて空腹でないと喰えなかった」など、マイナスイメージを抱かせることばかりで、悪天で逃げ込む時以外には、積極的に泊まる気になれなかった。 
それから半世紀経ち、年令と共にテント、食料を背負っていく体力がなくなり、小屋を利用せざるを得なくなって、あちこちの小屋で泊まることが増えた。混雑する最盛期は避けて、シーズンオフの平日を選んでいる精か居心地がよく、どこの小屋も立派になり、メシも下界と変わらないほどうまい。
 ヨーロッパの山小屋もいくつか泊まったが、小屋の構造や様式などは日本とほとんど変わらない。ホテルと同じと思い山靴のまま上がり、2軒の山小屋で脱ぐように注意された。チロル地方では日本のような強風やドカ雪がないのか、ほとんどが3,4階建てで、1階は食堂で、階上が1部屋4-6人用のカイコ棚ベッドの部屋で、部屋近くにトイレ、共同シャワー室などが付いている。日本の小屋のように建物の端まで行く必要がない。下水処理はどうなっているのだろうか?
 テラスや食堂は常時登山客で賑わっていて、どこの小屋でも生ビールが飲めるのは有難い。夕食もスープから始まり、ボリュ―ムのある肉料理が出てデザートで終わる。追加注文は各自の勘定カードにチェックされ出発時に支払う。料金は1泊2食付きで30-40ユーロだから、日本の山小屋の半額である。
 ヨーロッパの登山客は、私のような単独行者はほとんどなく、数人の仲間たちか家族連れが多い。酔いが廻ると皆で歌い出すのを何度か見た。ごく自然な行為らしい。そういえば、40年前、私たち山の仲間でアラスカの山に行った帰り、アンカレッジの中華料理店で、店主の了解を得て皆で「もみじ」を2部合唱した懐かしい思い出がある。




Breslauer Hutte