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多可町 前納報奨金

2012-10-23 | 事業仕分け

 
多可町では、いまだに前納報奨金制度が残っていたのですね~

前納報奨金とは、市・県民税(普通徴収)、固定資産税を納める方法として、第1期の納期限内に、年間の税額すべてを一括して納付した場合に、報奨金が交付される(第1期の税額から報奨金分を引いた額を納付する)制度です。
全国でも昭和30年頃から、税の早期確保、住民の納税意欲の向上、円滑な行政運営を執行する、などの目的で実施していました。

でも、制度が発足して半世紀が経過しようとしている今、その目的はほぼ達成したのではないでしょうか。

さらには、特別徴収(給与から天引きで納付する)の納税者の皆さんと税額が異なるなどの不公平感を解消するため、この制度を廃止する団体も多いと聞きます。(ちなみに、厚木市でも、平成13年度課税分から廃止しました)

特別徴収(給与から天引きで納付する)の方はあまり知らないかもしれませんが、その実態は…
多可町では、町民税のうち制度該当者は、17.5%の4,152人で、そのうち利用している(前納)方は41.1%、1,706人でした。

この報奨金は、税額に対して平均0.78%の割合、1万円収納するために78円の報奨金が出るようです。みなさんの普通預金の利率と比較してください。なんとハイリターンな制度でしょう

一方で、6,039人もいる特別徴収(給与から天引)や年金受給者は、一括で支払う気持ちがたとえあったとしても、制度がないため対象にはなりません。最初から機会が与えられていないんです。特別徴収などはむしろ滞納がおこらないため、よい納税者ともいえるのに…

口座振込みの状況をみると、全体の45.7%にしかなっておらず、これにかかる経費は1万円収納するために23円で済んでいます。報奨金を出すより、口座振込みを推進する経費に回したほうが効率的に収納できるのでは?と思います。

私からは、そもそも、納税は国民の義務。多可町の住民が前納報奨金欲しさに一括納付を存続してほしい、と思っているなんて考えるのは失礼な話です。きちんと説明すれば納得していただけるのではないか。と締めくくりました。

ちなみに、この制度、年度当初に現金がないので金融機関等に一時借入する自治体があり、その利率が高かった頃には、一時借入金より低い利率で前納報奨金制度を導入すれば資金が融通できるというメリットがあったので始まったようなんです。
でも、現在の一時借入金は0.6%で借りることができるし、そもそも多可町は交付税があるため、一時借入金の必要がないのだそうです ・・・交付税ってどこまでも手厚いんですね

導入のメリットもなく、不公平感も指摘され、納税の義務というそもそもの観点からも、すぐ見直すべきだという厳しい指摘ばかり。結論は「不要・凍結」でした。

この制度を利用されている方は、行政にものが言える立場の方が多いのかもしれません。だからこそ、税金の使い方を真剣に考えていただきたいと思いました。


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