明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

男女共同参画・・・ まだあったすごい差別

2010-12-16 | 事業仕分け

今年の活動のなかで、ちょっと異質だったのが、10月に講師で伺った地方自治体女性管理監督者研修会でした。
その会場となったのは、国の事業仕分けで一躍有名になったあの神田理事長がいらっしゃる「国立女性教育会館
 ここは、自治体の女性管理者育成を目指して、昭和53年(1978)に創立されたものです。また、
この研修は、わが国初の女性キャリア官僚(旧自治省)である加藤富子氏が立ち上げたそうです。
 ご担当の方から、昭和53年(1978)創立から32年間の歴史を振り返りながら、当時の女性の職場環境など、貴重なお話をたっぷりお聞きしました。

 
少しずつ変わってきたこともあるけれど、まだ問題が多いなぁ、と思っています。それは、昔ながらの慣習などからくる差別と、もうひとつは、男女共同参画を経済の論理で推進するかのような風潮があるということです。

 
まずは、参加者から聞いた“昔ながらの露骨な男尊女卑”事例を紹介します。ただし、お断りしておきますが、もちろんこれはたった1例かもしれませんし、全てに当てはまるものではない、という前提ですが。
1 九州のある市では、洗濯物を干すとき、物干し竿の一番上は家長、次が跡取り息子、次がその孫(男子)、と序列があるそうです。お日様があたる上方、前面が基本だそうで、近所の家のほとんどがこうして干しているそうです。また、お風呂も当然この順番とのこと。
2 ある県では、お茶やお酒を注ぐのは女性。たとえ女性の年齢が上で注ぐ相手が年下でも、ですって。男女の問題もさることながら、私には、お茶汲み要員がいることも驚きだったのですが。
3 会議では、女性職員は留守番。新人でも男性なら会議に出て、勉強ができるとのこと。女性が活躍したくてもその場がない。もしくは、あっても阻止される(?)らしいのですが。

・・・とても全部は紹介できないのですが、職場や地域、家庭での差別事例をお聞きしました。このようにたくさんの、悲しい思い出、悔しい想いは、簡単に消すことはできないでしょう。

 ただ、気になるのは、彼女たちが「被害者意識」のなかにとどまっていないか、ということです。
 確かに、今どきこのようなことが公然と行われるなんて、言語道断かもしれません。しかし、それに対して、彼女たちはどのような行動をしたのでしょうか?
 相手に悪気はないのでしょう。多分、単純に慣習としてやっていることなんだろうな、と思います。
 勇気を持って「これはイヤなんだ」と
きちんと訴えることが大切ですね。差別だと認識されれば、対応は違ってくると思うのですが。

チャグチャ言ってないで、とにかく行動しようよ!
1人では言いにくくても、集団になれば声をあげ行動に移せるはずだよ!と、はっぱをかけました。文句を言っているだけでは何も解決しませんからね。

 もうひとつ気になるのは
、男女共同参画の目的が、「経済浮揚のため」になってはいないか、ということです。ワークライフバランスの視点も、少子化の歯止めには仕事と子育ての両立が必要であるとか、女性の就業促進をすると働き手が増えるなど、経済によい影響を与えると書かれたり(手元にある政府の広報でさえも、こんな論調のものが多いです。)、国民経済を豊かにするための労働力供給の目的が優先されているように感じています。

 そもそも男女共同参画の大前提は、人権尊重の視点なのですから。
なぜ人は、男女(を含めたさまざまな)差別をするのか、
そのデメリットや負の連鎖から、大きな差別を生み、戦争にまで発展する危険性もあるということなど、男女共同参画社会の必要性について、経済の道具ではなく、そもそも論で、過去の歴史に学び、倫理や道徳的根拠からもきちんと考えたいと思います。

 
内閣府の「国民生活白書」では、「ソーシャル・キャピタル」の重要性を指摘しています。
1人ひとりが家族・職場・地域などで交流することにより、信頼や価値観の共有、相互理解につながり、人間関係という資本が蓄積されるということだと思います。

ソーシャル・キャピタルが充実し、互いの立場や考えを話し合う機会を増やすことが、男女の互いの理解につながり、男女共同参画社会の実現に有効なのだと思います。

 
特に、「男は仕事、女は家庭」といった古いステレオタイプの方が多く占める年齢層に対しては、そのような態度を怒るのではなく、様々な活動を通してこちらの立場も理解してもらえば、地域社会での多様性の拡大にも、寛容になってくれるはずですね。
実際、年齢層の高い男性たちが地域社会の要職を独占すると、多様な意見を取りこぼしてしまい、敵を作り、結果的に不幸な社会になってしまうと思います。

その解決のために、私自身ができることは何だろう、と考えています。
これは私の冬休みの宿題にしたいと思っています。


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