明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

インドネシア事業仕分け帰国報告 その2 5/16セミナー当日(午前)

2012-05-24 | 事業仕分け

 インドネシア事業仕分けも、いよいよセミナーの日を迎えました。9時から夕方5時まで、長い1日が始まります。
 緑の建物が国会議事堂

 心配していたロジですが、議場に入ると、前日に用意ができていなかった資料や同時通訳用マイクなどは、なんと、朝5時に会場に届けられたそうです。議場の席には、名札がちゃんと置かれ、JICAのロゴ入りバックに立派な冊子や資料が入っていました。これはDPDが業務委託したものだそうですが、崖っぷちになれば何とか間に合わせるものだなぁ、と感心してしまいました。
 ギリギリ間に合った資料が入ったバッグ

 ところが・・・すぐに仕事に取り掛かるかと思いきや、開始10分前に、議場の廊下を隔てたグスマン議長の控室で、ちょっとした挨拶タイム。私たちと日本大使館公使やJICAインドネシア事務所長と、グスマン議長、ヌルバヤ事務総長、名前が難しいDPD議員などとお話が始まりました。どうもインドネシアでは、会合にはお茶とお菓子がつきもののようで、朝ご飯を食べたのにまたお菓子を頬張るみなさんは本当によく食べよく話します。健啖家ですね~
 
 スタートが遅れても笑顔だし、誰も時間など気に留めない(?)、なんとも理解しがたい状況のなか、ようやくセミナーが始まりました。
 まずは、DPD国際関係委員会委員長のエマ女史、在インドネシア大使館の小川公使からご挨拶では、事業仕分けに対する期待がヒシヒシと伝わってきます。
続いてDPDイルマン議長からは、
・限りある予算を有効に使いたい
・G20の一員になったが、1兆位ルピアの経済規模、行政の位置付けはまだまだ低い。
・マレーシア、ベトナムなどに追い付け追い越せの状況である。
・汚職政治、縁故契約などの撲滅が喫緊の課題で、2011年の汚職ランキングでは、先進国178ケ国中110位である。当面の目標は50位以内に入ること。

 世界汚職政治ランキングなんていうものがあること自体驚きですが、そのなかでも最終グループだとのこと。議長の言葉には、G20にふさわしい政治を進めたいという強い思いが込められています。

 議長のスピーチを聞きながら、戦後の高度成長期の日本は、まさにこんな状態だったんだろうな。どこに出しても恥ずかしくない、野蛮だと思われたくない、品格のある国にしたいという思い。坂の上の雲を追い続ける姿勢は、当時の日本の政治家や国民たちと重なるものがありました。

 続いて、構想日本代表、というか日本代表、ですね。加藤さんのスピーチです。壇上で話している加藤さん、議員の席で聞いている伊藤さん、荒井さん、私、壇上では田中さんが通訳の横で時間を測っています。この瞬間は私にとって、とても嬉しく誇らしく、これまで歩んできた10年を思い返し、感慨ひとしおでした。
 加藤さん、後方には田中さんの姿も

 加藤さんのキーノートスピーチに続き、伊藤さんからは事業シートなどの説明です。構想日本の事業仕分けで使用している事業の概要を記載するシートは、私が神奈川県に出向した際に、政策課題研究として1年かけて作った「行政事業評価」シートが基礎になっています。10年の経験の中で何度か改良を加えたものですから、私にとっては産み育てた子どものようなもの。
 この事業シートは、政府の事業仕分けで使われ、さらにすべての省庁で行う行政事業レビューにも活用されています。その上、インドネシア国会で使ってくれることになるなんて、もう感激でした。

 午前中の日程は無事終了。
ランチは、なんと議場前のロビーです。伝統的インドネシア料理であるパダン料理というものだそうです。自分用の大きなお皿に、カレーみたいなものや、スパイシーチキン、辛いサラダなどを一緒に盛って食べます。ロビーにはたくさんのテーブルが並び、国会議員も地方自治体関係者もみんな一斉に食べています。私たちのテーブルには「VIP」という札がついていましたが、そんなことにはお構いなしで、どこかのおじさんが座ってきました。
    

 う~ん、なんとも寛容です。日本人が眉間にしわを寄せて、規則だの上下関係だのとのうるさく言うのが、なんだか心が狭いように思えてきます。

 和気あいあいのランチのあとは、いよいよ私にとって、本命のワークショップです。
この続きは、その3で。(当分この話題で引っ張れますね。)


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