長野県事業仕分けは、信州型と銘打っています。信州型の定義は色々のようですが、私から見た長野県の特徴を挙げると、
1 仕分け人の構成は、7人中5人が信州の方、70%長野県民です。他の自治体だったらこの数値は逆になるでしょう。基本は、過半数が構想日本チームで編成していますから。
2 特に、市町村の代表として県内自治体の副市長に、仕分け人として入っていただいたのは画期的でした。松坂市では説明者側に利害関係者を入れてましたが、こちらは仕分け人。
3 事業選定について、市町村や県民からご意見をいただいたこと。ほとんどの自治体は、所管する企画課などが選定してしまい、私たち(外部)のアドバイスを取り入れていただけないこともあります。
信州の仕分け人の活発な議論が印象に残りました。私がコーディネーターだったA班は、長野県側の仕分け人が5人で、「県民委員」として大学院生の古平さん(ほかの肩書きもたくさんありますが)と佐久市議の小山さん、県内有識者として(株)ツチヤ・エンタプライズ代表取締役社長の土屋さん、環境カウンセラー・NPOいいだ自然エネルギーネット事務局長の平澤さん、市町村関係者として長野市副市長の酒井さんでした。
事業仕分けはチームワークが大事なのです。自分の意見を時には押さえ、オフェンスやディフェンスの役割分担、今が頃合いと見たら一気に議論を深める、熱くなったら一歩引いて考える、など、ピタリとはまるとコーディネーター冥利に尽きますね。(終了後のお酒が一段とおいしくなります!)
古平さん、小山さんからは、若くて活発な意見を多く提供していただけました。
土屋さん、平澤さんからは、全体感のある問題提起をしていただきました。
酒井さん、最初は市町村代表としての立場から、市町村に押し付けるのを拒むための意見、というようにも感じましたが(すみません)、議論が進んできたら「利害関係者」の意見ではなく、長野県全体としてどうするのか、市町村や県の役割などを真剣に考えた発言をしていただきました。
地球温暖化対策推進事業では、信州の美しい自然を守るために県としてやるべきことは何なのか、市町村で直接住民に訴えたほうが効果があるものは何なのか。県や市町村が同じ内容で数をこなせばすむ、という問題ではないはずです。
河野太郎(衆議院議員)さんからは、こんな啓発キャンペーンだけで温暖化に取り組んでいると言えるのか?危機感を持ってやっていない、と大きな声で厳しい指摘が。会場は一瞬シーンとなってしまいました。こんな状況に慣れている私は「はいはい、怒って頂いたのでこの話題はこれくらいにして、次に取り掛かりましょうか」って感じなんですけどね~
結果は事業を2つに分け、ハード事業が県、ソフト事業は市町村という結論でした。
過去に他の自治体で実施した地球温暖化事業は、5件ほどありましたが、やはり、ハード整備等の補助金は国・県、CO2削減運動などは市町村と分かれています。
各地で実施した仕分け人のメンバーは違っても、結論は同様になったので、市民の顔が見える行政主体・広域を担う主体の区別は一致しているようです。
以前の全事業仕分けでは、県のすべての事業を仕分けし、平均で不要10%、市町村25%、国5%、残り60%が県。これもかなり類似した結果になったのです。
このような帰納法的な蓄積は、国と地方の役割分担の議論の参考になると思いますね。データの整理もしっかりしていきたいです。
おまけはブサイクな寝顔のリリィちゃん