明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

京都市「民主・都みらい京都市会議員団」の事業仕分け

2011-01-26 | 事業仕分け

 今頃の報告になってしまいましたが、17日(金)、霙まじりの天候のなか、京都市の「民主・都みらい京都市会議員団(以下、都・みらいと省略します)」主催の事業仕分けに行ってきました。
夜遅く京都駅に到着し、朝会場へ向かい、終わったら新幹線に乗るだけという、いつもの観光なし巡業です。せっかく京都に来たのに初詣もできず、お土産さえも買えず仕舞い。世界有数の文化資源を持つ美しい景観、モダンとクラシックが混在した街並みを堪能したかったのですが・・・残念でした。

 
会場は、京都ロイヤルホテル「翠峰」 自治体のちょっと寒い・やや暗い・きれいとはいえない会場と比較すると、雲泥の差です。
事業
説明者は京都市職員、スーパーバイザーとして都・みらい所属議員、コーディネーターは構想日本、評価者は構想日本3人と都・みらい所属議員2人の構成です。
 
自治体が実施するときは、会場の傍聴者は平均100人くらいですが、そこは議会会派主催とあって、2会場で約80名の傍聴に留まりました。
 対象は12事業。結果は、廃止4、民間0、国・府・広域0、京都市(要改善)8、京都市(現状)0
 
 
その中で、要改善となった「国家戦略としての京都再生の推進」と「御池通シンボルロードの維持管理」は、京都のポテンシャルを活かしきれていない「もったいない」事業でした。

京都再生」については、国をあげて京都の保全・発信・創造するため、355万円の予算で、市民に対しシンポジウムやフォーラムを開催するものだそうです。

議論は、

・現状の問題について、市民ができることはなにか

・市民の理解を進める手段としてシンポジウムなどが有効か

140万市民のうち500人程度のセミナー参加者で裾野がひろがるか

6年にわたりセミナーなどを実施した成果はどう把握しているのか

など、フォーラムやセミナーをやっていくことが目的になってはいないかということが、仕分け人から指摘されました。

 手段が目的化するという典型的な事業だと思います。
 今回は
仕分け人で参加した私も、そもそも京都のあるべき姿はどうなのかを、まず問いかけました。あるべき姿と、現状のギャップを確認し、そこを埋めるために取られている手段は何か、その効果検証は行っているのか・・・仕分け人は税の使われ方をきちんと質すべきでしょう。

しかし
・その手段が、年間2回、1会場100人くらいのセミナーで終わっていること。
・過去の参加者の行動がどのように変化していったのか、簡単なアンケート(が最良とは思っていませんが)さえ実施していないこと。
・京都再生事業を(財)京都文化交流コンベンションビューローに委託。その大半が広告宣伝費となっているため、市民に対する理解促進につながるか不明
・国家戦略を前提としても、京都府、京都市が担うものはなにか不明

「より多くの市民に京都の魅力や素晴らしさを知っていただく」というコメントには仰け反りそうでした。市民が京都を知らないことが課題なんでしょうか?

 
むしろ、京都市の方がその潜在力をわかっていない、と感じたのが、次の「御池通シンボルロードの維持管理」。
芸術作品をシンボルロードに設置してあるが維持管理費がかかって大変だとのこと。維持費込みでも「KYOTO」の大通りに作品を出したい方はたくさんいるでしょう。また、環境負担の少ない作品を募集すれば解決するでしょう。世界中に作品を募集できる「KYOTO」ブランドの発信力を、もっと戦略的に活用してほしいです。

 他の自治体では少ない資源をフル活用しようと必死です。京都の比較優位は世界にとどろくその名前。なのに、もったいないなぁ、と感じてしまいました。

 
いずれにしても、外部の目で言われると、自分の町のすごさ・ポテンシャルを再認識されるようです。本来の目的をきちんと押さえ、まちの強みを認識し、資源を活用した有効な手段を取っていただきたいですね。


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