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『扇子商法』-船場商人の経営理念と生き方

2007-01-28 | リーダーシップ
最後の「船場商人」と言われた和田哲夫氏について書かれた本です。著者は大阪船場を代表する繊維商社「和田哲」3代目の和田亮介氏。この本は先日お会いした4代目の野村社長からいただきました。文章の調子がよく、週末に一気に読み終えました。

経営コンサルタントなる職について15年あまり・・・かなり密度の濃い経験をし、わたしなりに工夫を重ね、それなりに手応えを掴んではいるつもりですが、いや、というか、当然のことですけれども、経営は奥が深い。

まず、現代の経営に大きなアンチテーゼとなっているのが、企業の目的は成長ではなく永続性にある、船場でいえば「暖簾を守る、家を守る」という点。投げかけられている問いは、企業が売上を伸ばし、それ以上にテコを効かせて株価を高めるのは何のためなんですか、それで足元をすくわれていませんか、ということでしょう。

そして、「暖簾を守る」ための経営理念、哲学は、デジタル化の中で資本よりも人本がますます重要になる、したがってアナログ化するいまの企業にとって、古臭いどころか新鮮で深い示唆があります。

お客さまへの価値への徹底したこだわり、それを実現するためのしつけや作法、また、価値を持続させるための商品や売り方のイノベーション、そして、経営者の人づくりへのコミットメントと知恵。これらが「企業の永続性」を確固たるものにするために磨きこまれ、工夫されています。

今年で和田哲は100周年を迎えるそうです。また機会があれば、もっと深く勉強させていただければと思っています。

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2 コメント

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するどいブログですね (船場商法は実はWEB2.0)
2007-03-11 21:18:12
さすが!なかなかスルドイご指摘ですね!デジタルとアナログ。どっちも本質は同じお客さまへの価値への徹底したこだわり、それを実現するためのしつけや作法、また、価値を持続させるための商品や売り方のイノベーション、そして、経営者の人づくりへのコミットメントと知恵。web2.0とか バイラルマーケティングといっても本質は同じじゃないかな。それを実証していたのが、客が客を呼ぶ集団感染マーケティング、ど根性船場商人の系譜でしたね。
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Unknown (オオタナオキ)
2007-03-20 08:13:10
船場商人の系譜は、大阪の衰退(と言ってしまっていいでしょう)と共に危うくなっていますね。

グローバルスタンダードとか言われますが、いいものは何とかして残したいものです。
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