日々是好日

ブログはお休みしています。
約5年の間、ご愛読ありがとうございました。

念願のnanoに乗った

2009-04-18 | 経営と戦略
何だかよく分からない「つけ麺」を腹に納めて、予めホテルで調べてもらっていたnanoのショールームに向う。インドではSMS(ショートメール)が発達している。滞在中、運転手付きのレンタカーを雇っていたのだが、予約状況や車の場所などがいちいち私の携帯にメールされる。また、ホテルでnanoについて聞くと、フロントの男性がTATA(nanoを作っている自動車メーカー)に電話した。するとすぐにSMSが飛んできて、男性はタッチペンですばやく目指す情報を探し出すと、PCのキーボードを叩いて地図で場所を出してくれた。ケータイとPCがうまく融合された使い方だ。

目指すnanoのショールームは、クロスチャーチという大きな鉄道の駅の近くにあるはずだが、なかなか見つからない。膝はだんだん痛くなってくるし、したたり落ちる汗が目に入って痛い。うろうろしていると、まさかというところにnanoはあった。

見つからないはずだ。TATAの金融サービスの小さな店の一角に陳列されている。さっそく中に入ると、店員が寄ってきてあれこれ説明してくれる。中に入って運転席に座ってみる。私は車を全く運転しないのだが、思ったより天井が高く、足のスペースもゆったりしてる。エアコンも標準装備とのこと。後部座席にも座ってみた。大人3名が何とか座れそうなスペースだ。

外にでると、前のボンネットを開けてくれた。そこにガソリンタンクがあり、給油は前で行う。インドらしくスペアのタイヤも納められている。二気筒のエンジンは後部にある。私は車づくりには素人だが、それでもこれだけの車を30万円で売り出すのは革新的だと、実物をみてつくづく思った。

もうひとつ面白いのは販売方法だ。ここもそうだが、nanoの陳列スペースは驚くほど小さい。写真のように、ノベルティやアクセサリーをコンパクトに陳列する棚があって、可動式になっている。BCGのムンバイ事務所のパートナーに聞いた話では、ショッピングセンターのエスカレーターの脇なんかにも、ゲリラ的にディスプレイするらしい。売り方も新しい。



店を後に歩きだしながら、昨日、インドのあるハイテク企業の幹部がいった言葉を思い出していた。「日本企業は資本も技術もあるけれど、新興国ではまだまだだよね。富裕層向けの高いものしか作らないだろう。でも、この(中間層の)大きな市場は、見逃すには惜しいと思わないか。」

まったく同感だ。しかしそれにはイノベーションと熱い思いが必要だ。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
made in Japan (Hiro)
2009-04-25 16:17:41
太田さん
ご無沙汰してます。
インドといえば、うちの会社もITベンダーを使ってシステム開発しています(だいぶ前のHBRに載ってました)。

>日本企業は資本も技術もあるけれど、新興国ではまだまだだよね。

今、シンガポールから友人がアンジェラアキのコンサートのために日本にきてますが、彼らは来るたび何箱ものブランドものを買って空輸してます(特に日本限定品)
日本製の品質(最近は海外移転が進んでますが)もしくはデザインの豊富さや対応のきめ細かさが大好きなようですが、やはりご指摘の通り富裕層向けが中心なんえすね。

中間層の大きな市場に向けてグローバルに躍進している日本企業といえば、ユニクロとかまだまだ少ないのですね。

自分がいる業種とは全く異なるのですが、いろいろな角度から俯瞰してみるとみえてくるものが多く、問題意識のひとつになりそうです
返信する