交通事故と闘う

私の父は交通事故に遭い、脳に障害を負いました。加害者は謝罪せず、損保の対応は二転三転..。その「闘い」を綴っています。

おしらせ

2006-11-29 00:01:06 | 交通事故と闘う
去る、平成18年11月26日、午前10時26分、父が亡くなりました。

事故から3年あまりの間、このblogで、父の介護の状況や、加害者側とのやりとり、その中で知った、損保の悪辣なやり方など、記してきましたが、結局父は、事故の解決を見ることはできませんでした。

唯一の、本当に唯一の心残りは、事故後に加害者が、
「お許しが得られるなら、被害者様の1日の生活の様子を、見せて頂きたいです」
と約束していたにもかかわらず、それを一方的に放棄し、損保側弁護士の後ろに隠れてしまったため、父の辛い毎日を、加害者に見せることができなかったことです。

このblogであたたかいお言葉を寄せてくださった方には、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。

落ち着くまでにはしばらく時間が掛かると思いますが、今後、blogの内容は、損保とのやりとりなどが中心になっていくと思います。
父の生きた証の1つとして、また、同じように苦しむ人の一助になれればという思いで、今後も続けていきたいと思います。

今後もご覧頂ければ幸いです。(多謝

日常生活状況報告書

2006-11-20 04:15:51 | 交通事故と闘う
日付が変わって一昨日になりますが、先週末の土曜日に、私の依頼している弁護士との打ち合わせがありました。

自賠責の請求手続きを行っていたのですが、自賠責調査事務所から、病院の情報開示の同意書やX線写真請求が来ていたので、その手続きに関することを話し合いました。
と言っても、これらは請求された通りに書類を準備するだけですので、大した内容ではありません。

問題は、「日常生活状況報告書」と呼ばれる書類です。
この「報告書」は、事故前と事故後の被害者の変化(後遺症と、それによって生活がどのように変化したか)を説明するためのものですが、単純な丸付け方式ではなく、日常生活を、事細かく記さなければならないため、その労力もですし、精神的にも辛い作業です。

「むかしは元気に歩いて散歩に行き、病院へは自分で自転車で通っていた。
また近隣の方との集まりにも積極的に参加していたが、事故後は、もちろん歩くこともできなくなり、意思の疎通もできなくなってしまったため、今となっては病院で、ただ病室を眺めているだけの...」

こんな具合に、事故前と事故後の様子を書かなければならないため、私も何度も涙で筆が止まりました。加害者への憎しみ、苛立ちから、書いていた用紙を破り捨ててしまった回数も数知れません。
被害に遭ったのみならず、その被害を賠償させるために、さらに被害者が辛い作業をいくつも課されることに、法律の正義を疑う気持ちでいっぱいです。


今日もこんな時間に書き込んでいますが、加害者の顔が浮かんできて、眠れません。

少し前、加害者が面会(父の様子を見に来ること)を拒否したという記事を書きましたが、その時の手紙(実物)を、私の弁護士から見せられました。
内容は、2回ほど前の記事をご覧頂けると分かるとおり、何ら謝罪もなく、「大変なのは分かるが、見に行くことはできない」という、理不尽なものでした。
B5サイズの白い紙がただ1枚入れられた封筒で届いたらしく、私の弁護士も、「残念でしたね..。相手方弁護士立ち会いの下で、という形で応じてくると思っていたのですが..」と言っていました。

加害者には、父の事故以来の辛さも、我々家族の苛立ちも、何も届いていません。
弁護士を立て、勝手に転居し、逃げ回っています。
人一人の人生を奪い、その家族を3年もの間苦しめ続けても、何事もない平穏な生活を送っているのです。


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「損保」ばかりが不払いではない

2006-11-18 10:49:00 | 交通事故と闘う
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損保26社、不払い調査やり直し…金融庁が期限付命令

 自動車保険の保険金不払いが多発している問題を巡って、金融庁は17日、大手を含む損害保険会社26社に対して、保険業法に基づいて不払いの調査のやり直しを求めるとともに、調査の最終的な完了時期と、その根拠を12月8日までに報告するよう求める異例の命令を下した。

 26社は9月末に過去3年間に約14万件、約103億円の不払いが追加で判明したと報告していたが、金融庁が約1か月半にわたり、聞き取りで検証した結果、調査漏れが多数見つかったためだ。

 金融庁は、不払い問題が表面化して、1年以上経過しても、なお全容を把握すら出来ない損保各社の経営管理体制に厳しい態度で臨む見通しで、各社に行政処分が下るのは必至だ。
(読売新聞) - 11月17日

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皆さん「損保」と一括りにしている向きもあるかも知れませんが、金融庁が監督している損保は、「損害保険業」を行っている会社です。

つまり、厚労省の所管である全労済やJAなどの共済は、この調査対象に含まれていないのです。


実は、ちょっと考えてみると分かることなのです。「大手の不払いの多さ」が問題視されていますが、大手は契約者数も多いわけですから、総じて、「不払い件数も多くなる」のが当たり前ではないでしょうか?

損保各社について、総契約数、保険請求件数、不払い件数が明らかになれば、それぞれの損保の処理件数の中で、どの程度の割合で不払いがなされたか?が明らかになるはずです。それこそが、正しい比較を行うための指標になると、私は考えています。
もっとも、契約者を言いくるめて、保険請求自体を行わせていない可能性が多々ありますので、上記のデータが出たとしても、多少、割り引いて考える必要があろうかと思いますが...


また余談ですが、損保各社の対応に問題や疑問を感じた際、日本損害保険協会への申立という手段があります。法的拘束力こそありませんが、そこに上がってきた申立情報は、協会が損保各社を調査し、個人情報を含まない範囲で公開されます。
一応、業界を束ねる団体ですので、相応の効果は期待できますが、全労済やJAの不満について申し立てる独自機関はありません。

いわゆる「共済系」は、悪評をよく耳にします。私自身の経験からも、それはあながち間違いではなかろうという思いがします。
加入者は「損保より安価で..」、「営利企業じゃないから」と異口同音に言いますが、特に交通事故の場合、実際に支払いを受けるのは加害者ですので、加害者満足度こそが、共済の仕事の良し悪しを判断する材料になります。

また、未だに共済系では、縁故採用など当たり前です。
私の知り合いでも、「父親が早期退職するから」と、代わりに息子を入れてもらったといったケースがありました。
そんなことを口にすること自体、良識を疑うわけですが、それはともかく、そうやって縁故で入職した人に、保険業としての一定程度のスキルを求めるのが、そもそも無理な話です。

その点では、ある程度広く求人を掛け、就職セミナーなどを通して広く人材を集めている損保の方が、幾分信頼性は高いだろうと考えます。


これまで日本の保険業界は、性善説に基づいていました。しかし、この不払い問題をきっかけに、消費者自身も、自分の目で厳しくチェックし吟味することが要求される時代になったと言えるでしょう...

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面会拒絶

2006-11-08 11:30:47 | 交通事故と闘う
前回の記事でも書いた通り、加害者に、父(被害者)との面会を要請していましたが、
11月5日付けの書面で、正式に「面会は拒否する」旨、連絡がありました。

私が依頼している弁護士(下記、A弁護士)のところに書面が届いたのですが、
以下、その文面を紹介したいと思います。


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 【A】弁護士殿

 【被害者】様の件については、返事が遅くなり申し訳ありません。
 先生より、当方弁護士の【B】先生宛てのFAXと、
 ご子息【交通事故と闘うblog管理人】様からのお手紙読ませて頂きました。
 【被害者】様のご家族の大変さ、お手紙からも十分伝わって
 参りました。
 しかし、お会いすることはできません。申し訳ありません。

                     11月5日
                       【加害者】
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 「父の生活の大変さが理解できていないだろう!?」
 「父の1日の生活の様子を見てみるか?」

私が加害者にそう言ったのは、2004年の秋でした。

 「もしお許しが頂けるなら、ぜひ見させて頂きます」

加害者は、そう答えました。
私をはじめ家族全員、はっきりと覚えています。


しかし、それからわずか1ヶ月後、加害者は弁護士を立て、
加害者側弁護士は、「そちらも弁護士を立てろ」と要求してきました。


あれから2年が過ぎ、事故からはやがて3年になろうとしています。
加害者は、父を廃人同様にした上に、まともに謝罪すらしません。
交わした約束さえ守らず、「面会はできない」の一言だけ。
予想はしていましたが、開いた口がふさがりません...。


この加害者、事故の行政処分・刑事処分は「不起訴」になりました。

人1人を半殺しにし、謝罪もせず、それでいて無罪放免です。
周囲からも、職場からも、マスコミからも責められることはありません。
こんな状況が、年に1万人と言われる交通事故死の実態であり、あるいは、
その数倍にも上る交通事故受傷・後遺症に苦しむ人たちの実態です。


でも、子どもが3人死ぬだけで、途端に「飲酒運転はけしからん」と言い出す。
1万人の交通事故死は「普通」に報道され、子ども3人の事故死は重大事件。

日本はつくづく、不思議な国だと思います。



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