リメンバー 石井紘基

故石井紘基議員の存在を過去のものにしてはならない。石井紘基の業績と遺志を伝えていくBLOG

真の構造改革とは何か1

2005年05月07日 | 石井紘基の著書から
言い換えれば、今日の危機的状況を招いたわが国の仕組み(=構造)は何かを明らかにするとともに、それを"もう一つの"の仕組み(=オールタナティブ)に取って替えるための大構想と大戦略を提示し、果敢に実行することこそが期待されたのである。

小泉首相は就任以来約半年のあいだに、「構造改革」の課題として、国債の新規発行額の限定や道路特定財源の問題、一部の特殊法人や公共事業の見直し、将来の郵政民営化といったことに触れてきた。
正直にいって、これでは、これまで試みられてきた個別的な政策といったいどこが違うのか理解できない。

「骨太の方針」とか「工程表」などのネーミングが躍っただけに思える。
たとえば、道路特定財源が「無駄遣いされている」から「見直す」ことは言葉として間違いではない。

しかしそれを財政の「構造」間題として取りあげるのなら、特定財源は九種類もあるのだからそれらの総体を問題にしなければならない。しかも、それらの多くは本来の予算であるべき「一般会計」ではなく、「特別会計」という裏帳簿に入る仕組みになっている。

後の章で見るように、これらの資金は行政レベルで配分が決められ、公共事業や"行政企業〃業界などへの「補助金」として流されていく。小泉首相の道路特定財源見直しは、"森"が殺られているときに一本の"枝〃を語るようなものである。"枝〃を治すには"森”を知り、"森”を治さなければならないのに。

ー日本が自滅する日ー より