リメンバー 石井紘基

故石井紘基議員の存在を過去のものにしてはならない。石井紘基の業績と遺志を伝えていくBLOG

「北」人権に韓国弱腰

2005年05月05日 | Weblog
「北」人権に韓国弱腰 国連決議を棄権、擁護も

 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮の深刻な人権問題に対する韓国政府の消極的な態度に、内外から批判が高まっている。韓国政府は、先の国連人権委員会で北朝鮮批判の決議案に棄権したほか、韓国の市民団体の中にはこの決議案に際し、逆に“北朝鮮擁護”の動きに回る場面もあり国際社会の顰蹙(ひんしゅく)を買ったという。

 いずれも北朝鮮の独裁体制には目をつぶり「北を刺激してはいけない」「非難より支援を」という近年の韓国政府の対北融和策を反映したものだが、日米、欧州をはじめ国際社会では、北朝鮮の人権抑圧に対し関心と批判の動きが活発化しており、韓国の“孤立化”が目立つ。


 ジュネーブの国連人権委員会(4月)での決議案棄権は、一昨年、昨年に続くものだが、韓国のNGO(非政府組織)「市民とともにする弁護士」の代表が韓国紙に寄せたその報告によると「(北の人権問題に対する)国際社会の雰囲気は想像以上で、北朝鮮はもちろん、韓国に対しても非友好的な雰囲気が国連周辺で広範囲に広がっている」(4月27日付の東亜日報)という。


 報告によると、人権委員会では北朝鮮における公開処刑のビデオが紹介された際、参加者の間から「こうした事態を止めさせるため韓国政府はなぜ軍事力を使わないのか」といった声まで出ていたという。


 一方、多くの脱北者の証言を基に決議案に盛り込まれた「北朝鮮の監獄や収容所での乳幼児殺害」の部分は、「動かぬ証拠を示せ」という韓国の一部NGOの強い反対で削除される場面もあったという。


 報告によると、国連人権委員会では北朝鮮の人権問題の前に、韓国政府は北朝鮮と歩調を合わせ「第2次大戦中の日本の人権蹂躙(じゅうりん)を強く批判」したとし、「日本の過去を非難しながら現在の北朝鮮で進行している深刻な人権蹂躙に沈黙するのは矛盾だ」と厳しく指摘している。


 これについて韓国政府は、「棄権はしたが決議採択に際し、北朝鮮の人権状況を批判する演説をしている」(潘基文外交通商相)というが、冷淡さは免れない。

【2005/05/05 東京朝刊から】