リメンバー 石井紘基

故石井紘基議員の存在を過去のものにしてはならない。石井紘基の業績と遺志を伝えていくBLOG

「構造改革」は官制経済から市場経済への体制の変革

2005年05月07日 | 石井紘基の著書から
「構造改革」は政治家や官僚が作ってきた積年の.悪弊である既得権益の構造を打ち破る国民自身の闘いでもある。
そうした国民の期待を担っている小泉首相が、自分自身の確固とした信念に基づい
た方針も出さずに「多くの人々の意見を聞いて」では納得できない。
「構造改革」が既存の権益や利権を破壊するものだとすれば、旧体制における利権を手放すことへの「抵抗」は必至である、彼らはその全存在をかけて命懸けの闘いを試みることになろう。

「構造改革」は官制経済から市場経済への体制の変革という意味でも、また既成の秩序・権益との闘いという意味においても、まさに「革命」なのである。これは大勢の人々の意見を聞いて方針を決める、などという性質の問題ではない。
〃ベルリンの壁〃の向こう側のことは政府自らが明らかにすべきだ・同時に国政調査権を持つ政治家が自ら調べて実態と方針を国民に示し、犠牲者である国民とともに改革を断行するのだ。それくらいの知識と構想力と指導力がある政権でないと真の構造改革は遂行できない。

行革担当大臣が省庁の特殊法人見直し案提出の期限目前に、参考例はないかとヨーロッパに勉強に行くような一夜漬けではいささか心もとない。ヨーロッパに行ってわかることは、特殊法人などというものが支配的な国は官制経済の日本ぐらいのものだということぐらいである。

もし小泉氏が全身全霊を投じてこの闘いの陣頭指揮をとろうとするのであれば、むしろ向こう三年間にわたり、「開かれた戒厳令」ともいうべき強力な臨戦態勢を確立することが必要だ。民主主義の制度をさらに広げて、国会の自宙討議や、それを国民とつなぐテレビの活用、そして政治家の自由な言動と責任を保障する党議拘束の廃止などが求められる。

ー日本が自滅する日ー 序章より