●やらかした
朝早い電車ということで、早めに寝た私。
しっかりアラームもかけ、荷物も整え、準備万端。
・・・起きる。
時計を見る。
06:01
をさしている。
うん?
電車の出発時間は
05:42
・・・
・・・
・・・
寝過した!
もうここからはホームアローン状態である。
慌てて服を着て、荷物を持ち、宿を飛び出した。
駅まで10分強距離。朝涼しいので早足で駅に向かう。
とにかく「遅れてろ、遅れてろ」と願うばかりであった。
駅が見えてきた。こじんまりしている。空は赤い。
駅に入る。真っ暗だ。
ホームを見る。
電車がいない・・・
無駄に電車は定刻出発をするギリシャ。ここもそうであった。
定刻で発車するなら遅れるなよ。
・・・と愚痴りたくなるようなものである。
チケットを払い戻してもらうか・・・
と窓口へ向かう。
しかし部屋の中は真っ暗。
あれれ?
窓を叩くも返事もない。
駅で探すが人っ子一人もいない。
もしや、電車出発して次の発車までかなりあるから、駅を離れたのだろうか。
何と不便なんだ
と口に出したくなるような言葉だ。
寝坊した自分も悪い。これだ。とにかく電車のチケットはアテネで払い戻してもらおうと考えた。
なので代替案だ。
バスで行こう。
駅から5分ぐらいのところにあるバスステーションへ向かう。
ベンチには欧米系2人のバックパッカーが先客としていた。
受付の美女に「アテネまでお願いします」と言うと、「29」という返答がきた。
29!?
これには思わず聞き返してしまった。
「学割は効くの?」と聞くが、「No」という返事だ。
電車は最高で11であった。こんな倍の差もあるのか。
とりあえず電車を待つのは嫌なので、バスチケットを買うことにした。
アテネまで直通のバスはない。途中のトリカラで乗り換える必要があるのだ。
けど、トリカラまでは30分に1本。トリカラ~アテネも1,2時間に1本はバスがあるので、受付のお姉さんは乗り継ぎが上手くいくように案内してくれた。
10分後に近くの道路から出発するということで、教えてもらった。
最初からここにすればよかった、と少し後悔。
06:45、バス出発。
客は少ない。
バスは途中で客を拾っていき、トリカラへ向かう。客はバス停もないところで乗っていた。ルート上ならどこでもいいのだろうか。
地元民でバスはだんだん埋まってきた。
そして地元民は道路上で降りていく。
車掌も最初のほうはいたが、途中で降りてしまった。こんな緩さでいいのか?いいのだ。僕はこういう雰囲気は嫌いではない。
定刻より少し早くトリカラへ着いた。
バスステーションはそれなりにデカい。
コンセント近くのテーブルでブログの下書きをし、売店で朝食を購入した。
ギリシャ行きのバスは出発間際に到着した。
運転手が乗客の荷物を荷台の中に入れていく。行き先を聞いて、荷台を分けていく。
バックパックは下に入れられた。大きいためだ。後ろの女性は自転車を持っていたが、断られている。
ここで運転手と女性、他の人含めて口論みたいのが始まった。
面白そうなので見ていたかったが、座席を早く獲得したいので、中へ乗り込む。
一応自分の座席を見つけるが、通路側であった。けど窓側へ座る。
座席は席に書いてあるのだが、皆荷物を置くところを見ている。日本は基本ここだが、ギリシャはどこにあるか車に乗らないと分からないので、分かりづらい。
ギリシャ人でも惑わせる。素晴らしい。
バスは満員で出発。隣にはギリシャ人美女。一応挨拶だけはする、礼儀として。
朝早くからバタバタしたこともあり、ほとんど寝ていた。
高速道路を走り続けるが、ようやくアテネ近郊へ着いた。
車窓からは自動車工場などが見られる。
市内へ突入。
バスは終点の1つ前で停車し客を降ろした。
そしてようやくアテネへ着いた。
●再びてんやわんや
アテネには2つのバスターミナルがある。1つが北部から来るバスが停まるターミナルBの「リオシオン・ターミナル」。
2つ目がパトラやテッサロニキから来るバスが停まるターミナルAの「キフィスウ・ターミナル」。
メテオラ方面から来るバスはリオシオンターミナルへ到着する。
バスを降り、市街地へ向かうバス停を探す。
周辺を歩くが、どこにもそういう様子はない。近くの店のおじさんにバス停の所在を聞くと、バスターミナルを指差した。
しかしターミナルには市内バスのような車両はない。さほど大きいわけでもないので、バス停がないことを確認する。
タクシー乗り場もあるが、最悪の手段であるので、使うことは考えなかった。
この暑い中、歩き回るのは大変だ。
バスステーションのインフォメーションで「市街地まで行きたいんですけど、バス停はどこですかね?」と聞く。
そしたら「通り2つ越えて、左よ」と教えてくれた。
ご丁寧にも「手前の通りは数えないでね」という注意も。
その通り向かう。そしたら大通りへ出た。バスも通っている。これは期待を持てる。
バス停へ着いた。
しかし・・・
番号以外全部ギリシャ文字。
読めるわけがない。しかし、「あきらめない」精神。
歩き方とにらめっこし、何とか読む。一応地下鉄の駅に行きそうな番号を確認し、後は待つだけ。
10分後・・・。
行きそうな番号のバスが到着した。
バスに乗り込む。切符はない。だってバス停についてないし、車内で買えないから。
検札が来ないことを祈りつつ、外をよく見る。
途中でほとんどの客が降りていく停留所があった。しかし走り始めてから少しだ。
「おーすごいなー」と思っているが、「これは何かあるな」と考え始めていた。
そして答えが分かった。
地下鉄の駅を通っていたのだ!
気付いたときには後の祭り。停留所から離れている。次で降りたとしても引き返すのはキツい。
なぜ分かったのか、地下鉄の駅が高架であったからである。
見覚えがあるオレンジ色の車両を見たときは、「あっ」と声に出してしまったほどだ。
バスが走っていくが、横には踏み切りが。郊外鉄道が走っている。けどこれは本数が少ないので、乗らない
途中になり客は自分1人。なので運転手さんに聞くことにした。
赤信号停止中に運転手さんに「地下鉄の駅に行きますか?」と聞いた。
歩き方の地図を見ながら、運転するバス運転士。「おいおい大丈夫なのか」と思うが、華麗なハンドル捌きでバスは走っていく。
そして納得したような表情をして、歩き方を返してきた。
外を見ると、見たことがある家電量販店の看板が。
もしや・・・
「ついたよー!」
ギリシャ人運転士が言う。
一番前に行くと、運転士が説明してくれた。
「ここは一番でかい駅で真っすぐ行くと、地下鉄に乗れるよ」と。
親切な運転士である。ギリシャ人に対する評価を変えないといけない。
バスを降りると目の前には
ラリッサ駅!!!
ここからだともう大丈夫だ。
まずはチケットの払い戻し。駅に入り、前に訪ねたことがある駅員にチケットのことを聞く。
「払い戻しはできるか?」ダメ元だ。実際出発後の払い戻しはキツいものがある。
「残念ながら出来ない」という答えが。
仕方がない。諦めがつく。24ユーロ、パァーだ。実に痛い出費。この出費はどこかで補うしかない。食事を1品減らすなど頑張ろう。
気を取り直して、宿へ向かった。
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