雨日記

雨とイギリスとアートにおけるコーヒーなはなし。

宵待草。

2006-09-03 15:14:54 | Weblog
「宵待草」
監督 神代辰巳
出演 高橋洋子、高岡健二、夏八木勲
音楽 細野晴臣

細野晴臣による映画音楽の最初の作品。
ということでみました。
新宿ツタヤのロマンポルノばかりならんであるところに、ひとつだけ場違いな感じにありました。
それもこの監督がそういったところで60、70年代に活躍したひとらしく。

だからという訳でもないけど、はじまりはベッドシーンから。いや、座敷に布団だけども。

ところでところで、この映画には2人の男と1人の女を中心に話しが進む。
じつは、僕はこの人物配置がほんとに好き。昔の、今もかな。ロードムービーといえば。
男2の間に不思議な女の子一人。
しかも、その人物背景もまた定番。
男2人の革命犯に誘拐された1人の女。それがいつのまにか三人一緒に逃げることになる。

このベタベタど真ん中直球ストレートロードムービーでも
なんで、この作品がこんなにも魅力的なのか。

世界感だとおもう。そして音楽。
そう、この映画は見せ方が本当に素敵なのです。

アホな台詞と、奇怪な言動。なにか緊張感のない戦い。
殺し合う二分前まで2人でヘラヘラニヤニヤして会話を交わしている。

一枚のすこしぼけたフィルターを通し
しかもそれを斜め上から平和そうに眺めてる感じ。


でもそれは哀しい話。
なせなら

宵待草の詩を口ずさむ彼らは

捨てるものも無く、たいした理由もなく
何かに疲れて、どこかで何かを置いてきたような、
そしていつのまにか諦めてしまったような。

そんなモノを含んだ高い笑い声がきこえてくるので
この可笑しさは、どうあがいても哀しさに直結してしまうのかも。

その哀しさをまた、滑稽で温かくつつんでくれるのは

ポコポコうごくカメラワークであり
細野晴臣の音楽であるわけです。

邦画はよく、雰囲気映画だから、といわれますが
この映画は、だから、なんていえなくなると思います。
少なくとも僕はそんなこと言えません。







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4 コメント

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Unknown (ユカリ)
2006-09-04 02:39:08
きちゃった。

わかります?私です。笑



文章が上手なのだね。



テレビも映画もほとんどみない私だけど

その映画観たいなーと思いました。
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Unknown (Kota)
2006-09-04 18:59:35
ゆかりさん、きたか。わかりますわかります。好き勝手な駄文を読んでくれてありがとう。

このビデオをもし借りたかったら新宿ツタヤにいゆこう。埼玉県の田舎にあるツタヤには置いてないのだからね。
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どうも~ (sayaka)
2006-09-09 10:55:20
こんにちは~。

こうたがブログ書いてたなんて誰も教えてくれなかったよ!?



なんか良さげな映画だね。邦画見たいなぁ・・・。
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Unknown (Kota)
2006-09-11 00:01:36
いい映画だよ。邦画は邦画で面白い。それは、間違いないはず。そのはず。
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