雨日記

雨とイギリスとアートにおけるコーヒーなはなし。

ロンドンレビュー

2007-08-11 09:00:42 | Weblog
ロンドンは東京より狭い。
東京は、池袋があって、新宿があって、六本木があって、上野があって、などなど。
点々とセンターと呼べる地域があるもので。
それとはちがって、ロンドンはセンターはひとつしかなく、そこから東西南北へと手が伸びている。
そして、おもしろいことに、そのnorth,south,east,westとそれぞれいろいろな顔を持っている。
いろいろな顔を持ってる、というこでいうなら東京も同じであるけど。
その、中心があって、東西南北にそれぞれがある、という位置的なものになんだか魅力を感じる。

1年住んでみて、自分が今持つ印象。
north. 小奇麗で割と裕福な雰囲気。落ち着いた公園ときれいな白い家が並ぶ。
south. 黒人たちが集まる。きれいとはいえないし若干恐いけど、どこかに彼らの持つグルーブがある。
east. 東ヨーロッパと西アジアをかすめた人々。モスクがあって、コーランが聞こえる。カレーやが多い。一番ここがイギリスであることを忘れさせられるところ。
west. のどかでアジア人が多い。安全で住み良いが、どこか刺激にかけるところがある。

そして
center. 実は一番つかみ所がない。まあ、いわゆる都会。いちばんロンドンを感じれないところかもしれない。

ロンドンをなかなか上手く説明できないのはこのロンドンの在り方のせいだろう。
ロンドンには真ん中にあるものはない。
昔。例えば60、70年代とかは、ロンドンといえばある意味世界の文化の中心だった。だから、ロンドンを説明するのは容易だったように想像できる。
しかし、今はどうなんだろう。centerのブランド街がロンドンとは思えないし、だからといってそれぞれの地域がロンドンなのか、といっても、それはどうなんだろうと思ってしまう。

そのなんとなく何もないのが今のロンドンなのか。
本当にそうなのか。それでいいのかロンドン。

今、世界のある程度裕福な都市はどこも同じように見える。ロンドンもそのひとつだろう。
でも、どこかにちゃんとそれぞれの顔があるんじゃないか。あっていてほしい。という気持ちをぼくは持っている。

ぼくはboroughというテムズ川南岸にあるエリアが今、一番好きだ。
なぜならそこは、ぼくが今ロンドンと信じるところだからだ。
チーズ屋と同じ通りにpaul smithがあるからだ。
borogh marketにウザギやキジが売ってるからだ。
風通りの良さそうなパブやレストランがあるからだ。


あの辺りを散歩しながらビートルズを聴いたらどんなに気持ちいいかと思う。
boroughに住んでロンドンを探ってみたい。