雨日記

雨とイギリスとアートにおけるコーヒーなはなし。

ボタン人生論。

2006-12-11 06:24:50 | Weblog
世の中に、"創句"と呼ばれるものがあると知ったのは一昨日。
友達にかりた永六輔選・著の本の中。
その中に載せられた、たった数行、数文字の短文たちは、
説明、解説はいっさいなく
それこそ、そこにかかれたもののみで
なんだか、とても気持ちのいいものだな、と思った。

そのなかで一番ひっかかったもの。


“かけ違えた釦(ボタン)のまま生きる”


なんなんだ。いったいどういうことなんだ。
よくわからない。
でも、なんだか、やっぱりよくわかんないんだけど
どこからともなく、勇気がわいてくる気がする。

かけ違えたまま、

やっぱりかけ違えてるよ,それ
て、言われても

かけ違えたまま

あ、しまった、なんかかけ違えてるじゃないか、これ
と、気づいたとしても

かけ違えたまま

何も言われず、静かに笑い者になってても
そのまま気づかなくて
ずーーっと、後になって気づいたとしても

かけ違えたまま、生きるのだ。

よくわからないけど。

ボタンをかけ間違えている状況というものは
とても、可笑しい。
そして、なにより哀しい。

ぼくはこの句をつくったひとの言わんとしてることを
きちんと理解できてないかもしれない。

でも、僕にとってのこの句は、
その可笑しさ,哀しさ、の後ろにある
なんだか間抜けな強さというか、なんというか

そういったものをフッと感じさせてくれる句なのだ。


とても気持ちがいい。
この短い文にぼくは人生を悟った気分でいるのだ。