たにやんの目にも涙

今年も忘年会シーズンがやってきた。

私ももう三つをこなし
残るはあと三つ・・（お金大変です）

お題の「たにやん」は
私の派遣先の社員である。
（正式には職員だな）

私が転職してから早や２年・・。
今の職場（市役所市民税課）に派遣され
丸２年が過ぎたという事に相成る。

私の「市役所感」を一掃した職場・・。

「市の職員なんて親方日の丸だし
どせ大して仕事もしていないはず」

という私の大いなる誤解を払拭・・。
まぁ、課によって差はあるだろうが
少なくとも今いる「市民税課」は
法律を知らなければ理解出来ない事柄が多く
しかも税制は毎年の様に変わるから
仕事の仕方にはかなりの工夫が必要である。
それに、年がら年中忙しいし・・
窓口で在らぬクレームも頂戴する。

「たにやん」は私達二人の派遣の世話役。
しかも課の「進行役」でもある。
２９歳の彼が老若男女を問わず
仕事を振り分けていくのには苦労が付きまとう。

この１０月に中堅どころが二人異動してきたが
彼等（二人共男性）が来年の繁忙期に向けて
「もうちょい効率アップしない？」と
たにやんに毎日詰め寄り始めて半月・・。
時々声を荒げての長時間に及ぶディスカッションは
それこそ「効率下げてんじゃねぇかっ！」と
私を怒らせる一歩手前なのである。
（実際、仕事が溜まっているようだし）

だが・・・
たにやんは朗らかに時々ジョークを飛ばしながら
耐え忍んできた（私にはそう見えた）。

先週の木曜日
もう異動してしまった元課長や
元「進行役」のＫ君やＡ君も含め
総勢１２名で忘年会をやった。
たにやんは例のディスカッションがあって
遅れてやってきた・・。

仕事の話は「ナシ」と言っていたＡ君だったが
やはり「おまえ、遅いよ～」と言う所から
「実は・・」と現状についての話に移行してしまった。
皆、たにやんが大好きな可愛い後輩なので
励ましの言葉が飛び交った。
たにやんは「ストレス発散できたぁ！！」と
満面の笑みを湛えた赤ら顔で私に言った。
（すんごい酔っ払っていた）

そっか・・そうだよな・・
おくびにも出さなかったけど
結構な「ストレス」だったよな？

会がお開きになり、帰ろうとすると
「カラオケに行きましょうよ～」とたにやん。
「ダメだよ～、明日も仕事だし」
「一時間だけっ！」
「じゃぁ～・・明日休んでも良い？」
「え？・・・・うぅ～ん・・・」
「なら、帰る」
「あっ、良いっす良いっす！」
てなやり取りの末、カラオケ屋さんに雪崩れ込み
皆が「たにやん応援ソング」を次々に歌った。

優しい先輩達に恵まれて良かったね？
と思った私であったが・・・
帰る間際にレジのところで
たにやんがボソッと呟いた。
「ほんとに俺、嬉しかったっす」
「うん」
顔を見ると、目に涙を浮かべていた・・。

「泣くんじゃないっ！」
「はい」

毎日耐え忍んでいたたにやん・・。
私の方が泣きそうになった一幕であった。