コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

学参

2009-07-08 17:38:45 | 
学習参考書・受験参考書というのを、わざわざ買ったのは、大学院受験の時が最初だったと思う。
日栄社のノートシリーズで大学院入試を乗り切ったのです~。

大学受験までは、旺文社の受験雑誌を定期購読していたので、その付録で十分だった(お気に入りはまだ保存してある)し、学校の授業の他に教師が添削指導もしてくれたし。
佳い時代だった。

学参を買うようになったのは、教えるようになってからだ。
そして、更に、大学に就職してからもう一度学参コーナーに足を運ぶようになった。
例えば『おくのほそ道』のテキストをどうしようか、と考えた時、古典文学の全集や芭蕉の全集を買わせるわけには行かないし、大学教科書用に作られた本や文庫の注釈書がふさわしくないケースもある。むしろ、旺文社文庫・学燈文庫(今あるのかな)、あるいは旺文社の文法全解シリーズなどの方が扱いやすかったりするのだ(実際には、テキストはいつも乾先生の本を使い、リストの中からサブテキストを購入させるという方法を採ってきたんだけど)。
大学で、改めて古典を学ばせるためには、まだまだ工夫の余地があるんじゃないかな。


昔話に戻る。
受験の頃、頂き物もあって、その中に伝説の参考書、高田瑞穂『新釈現代文』が入っていたんだけれど、静岡に来る時に、参考書や予備校の資料類はみんな後輩に譲ってしまったので手元にはない。
この本のことは、毎年どこかで話題にしている(このブログでも1回だけ取り上げている)んだけれど、手元にないのが悔しくて……。

古い学習参考書が復刊するというのはあり得ないことで、この本も長いこと“復刊.COM”の常連だったし、ヤフオクに出るととんでもない値段だったりした。
それが、先月、ちくま学芸文庫で復刊したらしい。
今や、国語受験評論家みたいな活動をしている石原千秋さんの解説の由。
よろこばしい。

国語や文学は好きなのに試験の成績が良くない、国語の試験問題は悪問だらけだ、と考えている人たちに、是非読んで欲しい。

それから、入試問題を作る側も、もう一度、国語の入試問題で何を問うのか、ということを考え直すきっかけになれば、と思う。

とかナントカ言って、直ぐにお断り。
私は、実はこの本を丁寧に読破した記憶がないです。多分まともに読んでません。
それでも序文とか、すごく気に入っていたんだと思うのだ。

* 今、amazonのレビューを読むと、結構批判的なコメントもいいとこ突いてるのかも知れないと思う。読んでからまた書きます。

こうなったらもう一冊、同じように後輩に譲ってしまった参考書、研数出版(数研出版?)の『受験国文法』(代ゼミのではないです)も、復刊して欲しいなぁ。



ところで、何でこのタイミングでこの本のことに気づいたか、というと、実は、この記事を書くきっかけになったのは、別の参考書だったわけで……。

この3月に学研から出た“耳寄り古典”という朗読CD付の参考書(全3冊)を最近購入。
これは「国語学習研究会編」ということになっていて、どういう経緯で作られたのか謎なんだけれど、まず朗読を聴き、それから文法解説や現代語訳を読め、という、まぁ、英語の通販教材みたいな考え方(?)で出来ている。
それ自体も面白いんだけれど、どうして購入したかというと、阿部一徳氏のweb頁でみたわけです。

「朗読 ク・ナウカ シアターカンパニー 阿部一徳 鈴木陽代」という……。
ク・ナウカが組織として関わってるんだろうか? 研究会のメンバーが仲間??

その辺はよく判らないけれど、ドラマチックに盛り上げると言うよりは抑制気味の、しかし本当によく通る聞き取りやすい声(鈴木氏のほうは、抑え過ぎかなぁ、と思わないでもない)で、学参にしておくのはもったいない。
ていうか、ネットの情報では、誰が朗読してるか判らないのだよねぇ。

しばらく、車の中でも阿部さんの声を聴くことになりそう。

『新釈 現代文』も、この本も、多分受験生じゃない層が購入してるんじゃないかと思う。

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