コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

男女同量への道(続)

2010-09-14 11:19:41 | 
半年ほど前に“男女同量への道”という記事を書いた。
そのあと、先月頭に続きを書こうと思って用意して、目先のことに紛れてそのままになっていたんだけれど、夏休みに会議室に貼られていた別のチラシを見て思い出してまた書き掛け。ちょっといそいでメモ。


前の記事で、
静岡県男女共同参画センターあざれあ
が、女性限定懸賞作文を募集している、というのを批判的に紹介した。
その後どうなったのか気になってチェックしてみると、広報誌が結果発表と最優秀作品を掲載している(PDF)。

応募総数56を多いとみるべきなのかどうかも判らないのだけれど、掲載されている優勝作文は、悪い予想の方に近い。
世代を超え、地域ぐるみでの子育て、というのは、静岡が進める“子育て支援”とも通じる考え(富士市の子育て支援政策募集も、世代間交流がメインらしい)で、それ自体は大事なことなのだけれど、「子育ては母」という基本が前提になっているのは否定できない。
それは、前の記事に書いたように、この募集のメッセージに織り込まれていたからだ。
私は、応募資格のない者として、果敢な投稿を期待したのだけれど……。


審査の過程を公表するわけにはいかないのかもしれないけれど(或いは既にどこかに公表されているのだろうか)、どういう応募があって、どう議論されてこういう結果になったのかは広く知らせる必要がある。

というのは、冒頭で書いた、会議室のもうひとつのチラシとの落差が気になるからだ。

北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”は、現在、「男女共同参画 紙芝居コンクール」 作品募集中の由。

リンク先にあるが、募集要項の一部を引用しておこう。

1.募集内容 男女共同参画をテーマにした紙芝居
男女が性別にかかわりなく、互いに人権を尊重し、責任も分かち合い、その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現のため、北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”では男女共同参画をテーマに紙芝居を募集します。
※例えば以下のような内容を表現したもの。
・子どもたちが性別に関係なく将来の夢の職業を目指し、自分らしい生き方を大切にできる。
・女の子だから、男の子だからというような性別で分けた考えではなく、子どもたちが自分の好きなことができ、楽しく学校生活をおくる。
・働き方の多様化が進み、男女がともに働きやすい環境で仕事ができる。
・家族で家事を協力し、男女がともに子育てや教育に参加する。
・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランスについて)など。

2.応募資格 どなたでも(性別、年齢、国籍、プロ、アマを問いません)


で、賞は、
最優秀賞 1点 賞金 100,000円
優秀賞  2点 賞金 各50,000円
佳作 若干名 賞金 各20,000円または図書カード2万円相当

わかりやすい。
ひも付きではない。

サイトによると、北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”は、(財)アジア女性交流・研究フォーラムがムーブの管理運営を行っている由。おそらく「あざれあ」や「アイセル」のような物の北九州市版、ということだろう。「あざれあ」は、あざれあ交流会議グループ(名称は静岡県男女共同参画センター交流会議が正式?)が指定管理者。
何が違うとこういう違いになるんだろう。


先日の、『パリ20区、……』に関するコルベイさんのお話の中でも、日本の学園ドラマではまだ多文化共生がはっきり扱われていない、ということに触れられていた。
北九州市の公募は、“女性ならでは”どころか、「性別、年齢、国籍、プロ、アマ」不問で行われている。
テーマは“男女共同参画”に違いないのだけれど、問題が性別だけでは済むわけではないのだ、というメッセージが明確に見える。

こういう発信は政治的に見えて嫌う向きもあるのかも知れないけれど、静岡的幸福な保守主義が、どれほど多くの人を苦しめ、悩ませてきたのかを改めて考える必要がある。


もっと急いで書くべきだったのに、すっかり遅くなってしまい、紙芝居の〆切はもうすぐだけれど、門前塾で絵本を作った連中は問題意識を持って暮らしているから、私より先に気づいていたはず。
応募したかな。

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