京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪探訪(89):岡崎神社




 今回はスサノオ神を祀った神社のひとつ、岡崎神社をとりあげます。
 京都には、スサノオ神を祀った神社は、八坂神社、粟田神社など数多くありますが、今回の岡崎神社はその中でもちょっと変わっています。
 というのも、ここはウサギを神の使いとして祀ってある神社。つまり、ウサギの神社なのです。

 ちょうど、今年の干支はウサギです。
 それもあってか、今年に入ってからは初詣などで賑わったそうです。

 正月からは随分と日が経ってしまいましたが、遅まきながら私も、このウサギ神社にお参りして来ました。

 この神社の歴史は古く、平安京遷都と同年の794(延暦13)年です。
 遷都の際、王城を守護するために平安京の四方に建立された社のひとつで、東にあったので「東天王・岡崎神社」と称されたそうです。
 現在でも「方除け」「厄除け」の神様として信仰されており、建築時の地鎮祭などを盛んに行っているそうです。
 また、かつて背後の紫雲山を始め、この辺り一帯がウサギの生息地であった事もあって、ウサギは神の使いと考えられました。
 また、1178(治承2)年 に中宮の安産祈願が行われたことと、またウサギが多産で子授け・安産祈願の神様としても崇められています。

 それでは、まずは場所というか交通手段から。
 京都市営バスの「岡崎神社前」停留所。






 この停留所のすぐそば。
 「岡崎別院」と呼ばれる真宗大谷派のお寺が写真に見えますが、そのすぐ東隣が岡崎神社への入り口です。

 岡崎神社の入り口です。






 鳥居をくぐって中に入ってみます。









 参道横をちょっと見ると、絵馬殿が。
 見事な墨絵の馬が。






 片隅には末社のひとつ、祖霊社が。






 質素な感じの社です。
 祖霊社ということは、先祖霊を祀った神社でしょうか。

 三宮社と呼ばれる稲荷社の一種です。






 ほとんどの神社には、お稲荷さんを祀った摂末社があります。
 それらも含めると、京都市内には本当にたくさんの稲荷社があります。
 それほど稲荷信仰は広まり、古くから京都には馴染みが深いようです。


 本殿前。






 本殿に上がる前に、ちょっと寄り道をします。


 まずは向かって左側。
 本殿の少し手前にある舞殿です。
 








 能楽などが演じられていそうです。


 次は、本殿前の右側に行ってみます。
 





 「岡崎神社御旅所」と書いてあります。
 御旅所といえば、神社のお祭りなどで御輿が巡幸する際に立ち寄ったり、目的にしたりする場所ですが、ここに御輿が納められているのでしょうか。
 ここよりもうちょっと境内の右奥へ行くと、末社のひとつ、雨社があります。






 日本神話にもよく登場する大山祇命(おおやまつみのみこと)の他、4人の神が祀られています。
 元は大文字山(如意ヶ嶽)の山中にあったもので、雨乞いの竜神として崇敬されていたそうです。


 さて、本殿の方に戻りますが、その前に大量の絵馬で飾られた場所が。
 しかも、何人のも参拝者が集まっています。中には写真を撮っている人もいます。






 何があるのだろうか、と思って近寄ってみました。

 そしたら、黒いウサギの像が祀られている手水舎でした。






 この黒いウサギの像は、「厄除子授兎」というもので、平成10年に55年ぶりに復元されたものだそうです。
 なるほど、これは人気があるわけです。

 いよいよ本殿に上がります。






 正月から一ヶ月以上経った今でも、参拝者が絶えていません。

 本殿を守る狛犬と唐獅子も、古そうですが、なかなかいい面構えで、風格を漂わせています。















 狛犬もいいのですが、この神社ではより注目すべきは、やはりウサギです。

 境内のウサギたちをご覧ください。


















 ウサギの像だけではなく、絵馬も。












 いやー。
 面白い神社ですね。
 今年がウサギ歳というのもあるでしょうが、この神社が特に女性に人気がある理由がわかるような気がします。


 ところで、本来この神社の主祭神であるスサノオ神(=牛頭天王)は、本シリーズでも何度か述べているように、元々は防疫神……というより、疫神や悪霊などの大ボスというべき怖い神様だったのですが。
 それが時代を経て歴史を重ねたり、他の神様と一緒に祀られたり、さらにその土地に影響を受けたりして、「子授け・安産」など、より多くのご利益を授けられるようにパワーアップ、ヴァージョンアップされたりして。
 天神こと菅原道真も、元々は怨霊・祟り神だったのに、「学芸の神様」とか「火難・水難除け」などの神様としての能力も得たりとか。
 そういうところもまた、面白いと思うと共に。
 自分たちを脅かす恐ろしい存在でさえも崇め奉ることによって、自分たちの都合のよいように変えてしまうという、京都人の、日本人の一種のしたたかさが見えるところも、また面白いと思います。



 それでは、今回はここまで。
 また次回!



※岡崎神社の地図はこちら。 




*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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