京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪探訪(88):瓜生石と松風天満宮





 今回は、これぞ「妖怪スポット」というか、不思議な伝説の遺る、不思議なスポットを紹介したいと思います。
 
 道路の、それも交差点、横断歩道のど真ん中に、ぽっと存在するという謎の石。
 「知恩院の七不思議」のひとつのも数えられているという「瓜生石」です。

 「瓜生石」は、「うりゅうせき」とか「かしょうせき」とか読むそうです。
 「知恩院の七不思議」のひとつに数えられているそうですが、知恩院が法然上人によって開山されるよりはるか前からこの場所にあったそうです。
 860(貞観2年)6月14日の深夜(天正年間という説もあるそうですが)、この石の上に胡瓜が芽生え、一夜のうちに成長して、花が咲き、実がなったと言われています。
 そこに祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の守護神・牛頭天王(ごずてんのう)が降り、瓜の表面に「牛頭天王」の文字が現れたといいます。
 そしてこの地に、牛頭天王を日本のスサノオ神と習合して祀る社・祇園感神院(ぎおんかんじんいん)が創建されました。それが後の八坂神社です。
 また同じ貞観年間の876年に、勅使を務めた藤原興世が神託を受けて、祇園感神院新宮が創建されました。それが後の粟田神社です(シリーズ第81回から第83回までを参照)。

 この瓜生石は、全体のうち一部が地表に出ているだけですが、地底まで続いているとか、石の下に二条城や八坂神社などへ通じる抜け道や龍穴があるなど、様々な不思議な言い伝えがあります。

 そんな不思議な石と。
 もうひとつ今回は、その石までの途上で見つけた、天神を祀った神社と「日本一怖い」と言われている狛犬も紹介します。


 京都の祇園・八坂神社前の四条通りと東大路通りの交差点から、東居大路通りを5分ほど北上した辺りにある知恩院前交差点。
 東大路通りと古門前通りが交わる場所です。






 そこから東へと進んでいきます。
 白川にかかる石橋と、そのさらに向こうに大きな門が見えてきます。







 石橋の上から見た白川の風景です。






 この光景に見覚えがある方もおられるのではないでしょうか?
 例えば、木曜日の夜8時からのテレビ朝日のドラマとか。
 『京都地検の女』シリーズで、名取裕子が着物姿で買い物をしながら、中央に見える細い橋を渡っていたりとか(笑)。
 ……っと、話を元に戻しましょうか。


 橋の向こうの門から中にも、歩道と車道が続いています。
 この道を華頂道というそうです。






 華頂道。
 北側(下の画像でこちら側から見て左側)には、華頂短期大学と華頂女子中学校が並びます。






 っと、ここで。
 この写真の左下部分をご覧ください。
 お寺の門の前に、何やら石碑のようなものが立っています。
 ちょっと気になりましたので、近寄って見てみます。






 石碑らしきものには「松風天満宮」。
 門の表札には「松宿院」と書かれています。
 「天満宮」ということは、天神・菅原道真が祀られているのでしょうか?

 残念ながら、ご覧の通り一般公開はされていないようですので、中にはいることはできません。
 でも、とりあえず柵ギリギリのところまで行ってみます。






 庭の奥に、「松風天満宮」と書かれた鳥居と、社らしきものが見えます。
 鳥居の横に黄色の狛犬らしきものも見えます。黄色い狛犬も珍しい。

 門の横にあった立て看板を読み、また後ほど調べてみますと、次のことがわかりました。

 知恩院第32世・松風大僧正が、徳川将軍家の庇護を受けて寛永年間(17世紀前半)にこの寺を中興するにあたり、平安末期の歌人・西行法師が、筑紫観世音寺で感得したという伝承を持つ天神像に大伽藍造営を祈願しました。
 その後その天神像は、知恩院境内のこの場所に、「学文・技芸の向上」「家門繁栄」「諸縁円満」「諸願成就」も神様として祀られたそうです。
 また、善光寺別院・得浄明院より預かったという久爾宮家の天神像も合祀されています。

 ところで中に見える黄色い狛犬は、小寺慶昭著『京都狛犬巡り』にて、京都府下で最も恐ろしい面構えだと紹介されているそうです。

 狛犬は2体、他にも天神の象徴とも言うべき牛の像もあるそうなのですが、ここでは庭の木などに遮られて、狛犬一体しか見えません。
 それでも、狛犬をもうちょっとだけズームアップして見てみます。






 うーん。
 残念ながらここまでが限界。
 もっと近寄って、「京都で最も怖い」という面構えを拝みたかったのですが、仕方がありません。


 華頂道に戻り、さらに東へと進んでいきます。





 
 華頂道の突き当たり、神宮道と交わるところまで進んでいきますと。
 おや?
 何やら、石柵で囲まれた妙なものが見えてきます。
 しかも道の、横断歩道のど真ん中に。









 すぐそばまで来ました。
 これが「瓜生石」です。






 表面のごく一部しか地上に出ていないようです。






 この下は一体どうなっているのかは、私にはわかりません。
 しかし、「この下から地底まで石が続いている」とか、「この下には、二条城や八坂神社にも続く龍穴があるかもしれない」など、いろいろと想像を巡らせるのはそれはそれで面白いでしょう。


 なお、ここは神宮道の途上にあります。
 つまり、ここから南へ進めば、有名な知恩院の三門前に行けます。






 そして、ここから北へ進めば、本シリーズで何度か取り上げました青蓮院門跡の入り口前を通って、三条通りへと至ります。












 それでは、今回はここまで。
 また次回!



 

*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm





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