ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

モスクワ駅最高☆

2005-10-10 21:28:41 | Weblog
2005年10月08日
ロシア滞在38日目
【今日の写真:モスクワ駅にある路線図。真ん中の3色の○印がペテルブルク。モスクワ、ワルシャワ、ベルリン、プラハなど、なじみのある地名もたくさんある。】

今日の主な動き
10:00過ぎ 朝食
13:58頃 出かける
14:05 マヤコフスカヤ駅前のケンタッキー
14:35頃 インターネットカフェ
15:27頃 モスクワ駅
16:37 帰宅
16:57~17:49 ジョギング
17:55 ロシア版マック
18:21頃 帰宅

 のんびりした休日、今日はロシアの鉄道のことを調べようと、家から歩いて10分ちょっとのモスクワ駅へ行ってみた。ペテルブルクにはいくつかターミナル駅があり、それらは出発する列車の方面によって分けられている。長距離列車の主要なターミナル駅と列車の行き先は以下の通り。

モスクワ駅…モスクワ、ロシア北部、ウラル、シベリア、ロシア中部、南部(路線図の赤い印の駅)
ラドガ駅…ロシア北東部、フィンランド(路線図の黄色い印の駅)
ヴィチェフスク駅…ロシア南西部、ウクライナ、ベラルーシ、バルト3国、ポーランド、ドイツ、ブルガリア、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー(路線図の青い印の駅)

 前回モスクワ駅に来たときには路線図くらいにしか気づかなかったが、よくよく観察してみると日本よりも丁寧な案内があることに気づいた。

 まず、列車毎、車両の等級毎に1席単位で指定席の残席を示す画面が設置されていた。これを見ればわざわざ窓口に並ぶ前からどの列車のどの等級が空いているか分かるわけで、大変便利である。日本の鉄道にもこのようなサービスはあるが、1席単位ではなく○、△、×で表示するため、極めて分かりにくくて良くない。

 次に時刻表。壁にずらりと掲示された時刻表には、左から列車番号、発時刻、終着、所要時間、着時刻が書かれている。しかもこれが出発の列車だけでなく、到着する列車についても同じ項目が書かれているからその場で帰りの列車も決められる。
 面白いのは所要時間の欄。日本の駅の時刻表に、所要時間を書いたものはまずない。60進法が分からない人ならともかく、小学校を終えている人なら単純に着時刻から発時刻を減じれば所要時間が算出できるからである。それではなぜロシアの鉄道に所要時間が必要なのだろうか。最初はその理由が分からず、鉄道ファンが乗車時間を記録するためのサービスかなと思っていたが、後になって所要時間は非常に重要な意味を持つことに気づいた。
 例えばムルマンスク行き931列車は午前6時50分にモスクワ駅を出て、ムルマンスクに午前4時28分に到着する。私は出発時刻と到着時刻を間違えて逆に読んだのではない。所要時間の欄を見ると45時間38分。何とこの列車は丸2日かけてムルマンスクに到着するというわけである。現在、24時間以上走る旅客列車がない日本では発時刻、着時刻だけで十分であるが、ロシアの鉄道はスケールが違い、何日もかけて走る列車がざらにあるために所要時間は日数計算の上で大変重要なのだ。ちなみにモスクワ駅を出ていく列車の中で最も所要時間が長い列車はクラスノヤルスク行きの935列車、96時間43分。考えただけでも気が遠くなる。いったいどんな距離なんだろう。所要時間の隣に是非距離も表示してもらいたいものだと願わずにいられなかった。

 駅構内の放送はロシア語だけかと思っていたが、長距離列車のターミナルだけあって英語の放送もあった。もっとも、英語の放送は発車する列車の列車名、行き先、出発時刻のみで、他の放送は全てロシア語だった。私が行ったときには16時発のモスクワ行き159列車「オーロラ号」の発車案内が繰り返し何度も放送されていた。こんなにしつこく言わなくても分かるだろうにと思ったが、大変親切な案内で、これだけ言われれば乗り間違えることはないと感心した。

 いよいよホームに出てみる。改札がないため見送り客も自由にホームに出られる。それは嬉しいのだが、各車両の入り口に車掌がいて、きっぷを見せないと中には入れない。つまり見送り客は中の様子までは分からないのだ。車両の中も見たかったのでちょっと残念。 せっかく見に来たことだから写真を撮ることに。空港や地下鉄は撮影禁止なので、念のためホームにいた太った警官にたずねる。写真を撮りたいと言うと、「何の?」と聞かれたから「電車の写真だ」と答える。鉄道まで撮影禁止だったらショックが大きくてロシアが嫌いになりそうだったが、あっさりOKしてもらえたのでロシアが大好きになった。私の心理はこんなものである。気兼ねなく写真を撮って歩く。それにしても、「何の写真だ?」なんて、駅で電車以外に何を撮るというのだろうか。電光掲示板や時刻表ならともかく、撮られてはまずいものでもあるのだろうか。そうだとしたらそれは何なのか。業務用の時刻表でもあるのかな?かえって警官の言葉の含意が気になった。

 私が見に行った列車は4番線のモスクワ行き159列車、オーロラ号。モスクワまでは5時間半。編成は先頭車と最後部の電源車らしきものを除いて14両。真ん中には食堂車もあった。窓から車内の様子を見ると、日本でいえば新幹線グリーン車のようなゆったりとしたシート。「これがロシアの鉄道なの!?」とびっくりした。何事も実際に見てみないと分からないものである。この編成を牽引する先頭の機関車はパンタグラフが4つもあり、重連ではないが2両つなげたような長さ。機関車の途中に切れ目が入っていたが、おそらくカーブを曲がるためであろうと考えられる。
 ところで既述の時刻表によると、一日16本出ているモスクワ行きの旅客列車の中で最も速い列車は4時間40分、逆に最も遅い列車は9時間5分かかるから、所要時間は倍近く違うことになる。この辺の差は料金にも反映されているのだろうか。さらなる調査が必要だ。

 オーロラ号を観察している最中、ホーム端の階段を下りていくおばちゃんがいた。手には買い物袋を持っていて、どう見ても鉄道関係者ではない。何をするかと思ったら、線路に下りた。しかも線路の上を歩いて隣のホームへ行った。これを見て私は唖然とした。が、乗客はおろか、鉄道関係者も止めようとしない。周囲を見渡すと、線路の上を歩いている人は他にも数名いた。ロシアではこれが普通なのだろうか。日本で同じことをやったら確実に付近の列車全てが止まる。この人達、もし日本に来たら同じことをやりはしないかと心配である。

 15時55分、発車5分前の放送が流れ始めた。
 16時ちょうど、列車は定刻通り発車。オーロラ号は大して速度を上げるでもなく、少なくとも最後尾の車両がホーム端に達するまではゆっくりゆっくりとした速度で、堂々と去っていった。 
と同時に見送りの人々もホームから去り、あっという間にがらんとなったが、人がいなくなったホームには空き瓶や空き缶が多数。何てこったと思ったが、これもロシアでは普通のようだ。

 帰り際、隣のホームを見ると改札口があった。オーロラ号のホームに改札口はなかったので不思議に思い行ってみる。人々は、小さなレシートサイズの紙を改札口の自動読取機にかざして改札を通っていた。なぜ改札があるホームとないホームがあるのだろうか。ある仮説が思い浮かんだ。「長距離列車は指定席だからホームで改札しても問題ないが、このホームの列車は近郊列車で、人々がたくさん乗るから入り口に改札を設けているのではないか」。この仮説を確かめるべく、改札のおばちゃんに質問。「ここのは近くへ行く列車のホームなのか?」すると「そうだ。」という答えが返ってきた。私の仮説はおそらく正しかったようである。

 長距離列車については見送り客にもホームを開放し、近距離列車については入り口に改札を設ける。非常に合理的で明快な区別であり、素晴らしいなと思った。ホームスティ先からも近いことだし、モスクワ駅は私のお気に入りと場所になった。しかも放送のおかげでリスニング力もつくし、鉄道関連の言葉も覚えられるというありがたいおまけつき。今日も所要時間、ホーム、オーロラなど、新しいロシア語をゲットした。モスクワ駅は私にとって、趣味と勉強が一気に楽しめる一石二鳥の場所である。
 
 一度帰宅した後ジョギングに出かける。今まで信号の影響で速度を落としてきたが、ついに信号の影響を一切受けないコースを考案。当たり前だが信号に当たるたびに左へ左へ(または右へ右へ)行って一周すればよいのである。これだと同じ風景の繰り返しで、観光ジョギングというわけにはいかないが、観光も含めたければ任意の場所まで行って周回すれば良い。
早速家の周りを走ってみる。信号で止まることがなくて快適だと思っていたが、ネフスキー大通りを含んだのが大間違い。人が多すぎて走るのが大変。そこで3週目からは一つ隣の区画をぐるぐる回る。キロ5分くらいのペースで6分30秒~7分ほどかかるコースだったから、1周1.2~1.3キロくらいだろう。後のコースは快適で、ほとんど減速することなく走れた。最初のコースも含めて計7周走り、走行時間は52分39秒。走行距離は約8.5km。ようやくペースを維持しながら距離を稼げる方法を確立することができた。

最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
つっちー! (makiko)
2005-10-11 14:41:53
つっちー、お久しぶりです。すごく元気そうやね。ブログ読んでるとピーチェルの街がなつかしくてたまらんわー。

モスクワ駅には私も帰る直前に行ってみました。建物の壁画とかレリーフとかが面白いよね。だるそうに列車を待ってる人たちとか。構内のユーラシア(って日本料理屋)で寿司と味噌汁とかたべたりしました。寿司屋多すぎだよね。

もう結構寒いのかな?元気で冬を乗り切ってね!ではでは。

返信する
Unknown (makiko)
2005-10-11 14:56:42
続けてコメントごめんね

なんかブログ読んでたらどうやらつっちーのステイ先は私がお世話になったとこと同じみたいです!びっくり!私は中庭側の部屋に泊まってたのよ。ナージャさんやナスチャやセルゲイさんはお元気ですか?猫のプショークも金魚たちも元気かな?マキコがとーっても感謝してたってお伝えください。

スティーブンはもう帰っちゃったのね。あたしが寿司を作ったらすごくおいしそうに食べてたよー。
返信する
Unknown (komachi)
2005-10-11 20:53:47
>makiko

まっきー、ようこそおいでくださいました。

ずっと連絡とろうと思っているうちに10月になってしまいました。私の携帯のアドレス変わったこととか、パソコンのアドレスなどは知ってるよね?もし知らなければ言って下さいな。



まっきーはペテルブルクトークができる貴重な友達です。しかもホストファミリーも一緒だったとは!



ということは、毎日マヤコフスカヤから満員の地下鉄で通ってたわけね。大変だったでしょう。

何から話そうか。まずまっきーの言う通り、こっちはやたら寿司屋が多いよね。しかもそのくせやたらと高い。まっきーが行った日本料理屋はどうでしたか?



ホストファミリーも皆元気です。実はスティーブンが、「日本人の女の子が夏に来てた」って言ってたからまさかとは思ってたけど、名前が確かじゃなかったため、はっきりとは分からなかったんだ。私も中庭側の部屋に一ヶ月いて、彼の帰国後はそれまで彼がいた部屋に移りました。

プショークは実は12歳だったって知ってた?結構な老猫だよね。よく丸まって寝てます。

セルゲイは相変わらずいろいろな物を工作してます。何でも自分で作るんだからすごいよね!

残念ながら私の得意料理「ニワトリのレモン醤油あえ」のマニュアルを日本の高校の家庭科室に置いてきてしまったので何一つ料理する事はできませんが、頑張ってロシア料理を覚えようと思います。

今日はイーゴルの誕生日だそうです。

まっきーのことも早速今夜話してみるね。





返信する
Unknown (makiko)
2005-10-12 10:31:40
ごめん、つっちーのアドレスわかりません。私の方は変わってないのでよかったら送ってください。

私はU山先生からラッシュ時のメトロには乗らないほうが良いと言われてたからアフトーブスとかトロレイブスばっかり使ってたよー。たまに間違えて変な方向に行ったりしたけど

確かにロシアの人は何でも自分で直したり作ったりするみたいよね。初めてステイ先に着いたとき家の中がものすごく手作り感あふれてることにびっくりしたよ。本屋にも家の直し方とか車の直し方の本がいっぱい並んでた気がする。街中にも修理屋さんの看板が多いよね。

プショーク12歳なの?!びっくりです。そんなお歳には見えなかったわー
返信する
Unknown (komachi)
2005-10-12 20:45:41
>makiko

昨日まっきーの話をしたらびっくりしてました。「今度はいつロシアに来るのか?」だそうですので、是非近いうちに。私がいるうちにでも遊びに来てください。

まっきーはバスや路面電車を使ってたのかぁ。確かにそっちも便利だけど、朝はいつ来るか分からず、いまだにバスで通学したことはありません。

満員のメトロはホント大変だけど、もう慣れました。一番最初の日、ナスチャが学校まで連れてってくれたんだけど、帰りが分からなくなると困るので、メモ帳に”василеостровская”と書いてもらったのが今では懐かしいです。



街中に修理屋さんの看板、そんなに多いのかな?普段気にしてないから気づいてないのかも。今度見てみるね。



今朝部屋にいると、プショークがドアをカリカリやってて、何がしたいのかと思ったら、私の部屋のふかふか椅子の背もたれに丸まりに来たようでした。そこが彼のお気に入りらしい。



寒くなるのかなと思ってたけど、まだ結構暖かいんだよ。メール、後で送ってみますね。
返信する

コメントを投稿