ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

ペテルブルク案内記6-2日目:エカチェリーナ宮殿-

2006-07-02 21:51:02 | Weblog

【写真:「琥珀の間」があるエカチェリーナ宮殿前。多くの観光客でごった返していた。(28/06)】

 マルシュはバスと異なり、乗客の希望の場所で止まってくれるが、止める客がいなければノンストップで走る。そのため30分弱という比較的短い所要時間でプーシキン、エカチェリーナ宮殿前に到着。

 早速エカチェリーナ宮殿に入る列に並ぼうと思ったところ、列に並ぶまでにまずは公園の入場券を買わなければならないと入口で言われた。1月に来たときには公園の入場は無料だったのだが、今はシーズンなので入場料をとるらしい。ロシア学生料金は30ルーブル、Hは最初140ルーブルと言われたが、「間違いなく学生なんだ。」と言うと半額の70ルーブルにしてくれた。

 個人客の受付時間は始まったばかりだったが、既に宮殿には数十名の列が出来ていた。天気が良く、気温は適度ながらも黒いTシャツを着ていた私は、日差しで背中が焼けるようだった。冬の氷点下の気温の中外で待たされるのも大変だったが、夏は夏でかなり暑そう。
 前に並んでいた老人男性と、その客だという女性と話をした。男性の方はペテルブルク大学で生物学を学んだという。日本のどこから来たのか、「ナゴヤ」という場所は東京から近いのか、などいろいろ聞かれたが、中でも面白かったのは新幹線は1本の線路で走るのか?という質問。モノレールと勘違いしているらしく、「もちろん新幹線は2本のレールで走る。1本のレールで走るのは空港に行くようなやつ。」と教えた。日本をよく知っているロシア人だなと思っていたら、友人が日本で研究していたことがあるらしい。連れのウクライナ人女性は、なんと生物学者の夫がつくばで研究していたこともあるそうで、世の中狭いものだなと思った。彼女は日本語を2つ、「こんにちは」と「さようなら」を知っていた。私はそれを聞いてはじめ何とも思わなかったが、Hに、「これだけでも日本語知ってるってすごいよね。ロシア語で同じ言葉を言える日本人は少ないと思う。」と言われて初めて、確かにHの言うとおりだと思った。

宮殿待ちの列はゆっくりゆっくり進む。20名ほどが5分おきに入場するのだが、これは中で即席の団体を編成するため。したがって個人個人が自由に見るというのではなく、ガイド付きツアーのような形で中を見学することになる。

 そのうち自分の書いた詩の本を売る老人がやって来た。これもまた変わった人で、なんとドイツ語が話せるというので試しにHと話してもらったところ、本当にドイツ語を話していた。そういえば、ロシアでは英語が出来なくてもドイツ語、フランス語は出来るという人が少なくない。それを考えれば、Hは案外ロシアでもドイツ語でやっていけるかもしれない。

 人々と話をしながら待つ時間はあっという間に過ぎ、並び始めて約1時間を経過した頃、ようやく私達の番になった。
 エカチェリーナ宮殿の入場料金はロシア学生料金100ルーブル、外国人料金は学生が270ルーブル、大人は520ルーブルと半端じゃなく高い。Hの料金がちょっと心配だったが、「今日は学生証ないけど学生だから。」と言ってみると、窓口氏は「じゃあ220ルーブルにしよう。」と言ってくれた。外国人学生料金よりも安い220ルーブルって何だ?と一瞬不思議に思ったが、それはロシア人大人料金。一体なぜこの料金が適用されたのか疑問だったが、とにかく安くなったので良いことにする。

 即席団体のガイドはもちろんロシア語。歴史用語が入るとどうしても分かりづらいが、時々ほぼ100パーセント分かる説明でも今度は速すぎて頭の中に記憶できない。同時通訳というのはかなり難しそうだ。
 私が「琥珀の間」を見るのは初めてではないが、今回初めて琥珀がパズルのようにぎっしり敷き詰められているのに気づいた。琥珀の間の、他には例えようがない美しさ、きっとHも気に入ってくれたことと思う。

 宮殿を出た後は庭園を少し散策。4月にIが来たときは池はまだ凍っており、周囲ももの寂しかったが、今は花々と、木々の緑が鮮やかな時期。入場料を払ってでも見る価値はある。



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