日本庭園の作庭法を説いた書による、樹木の配置法である。築山山水庭造記(1829)後編www.arch.eng.osaka-cu.ac.jp/~design/nakatani/kozin/niwa/tikuyama/tikuyama1-1genbun.doc - によると、造庭の型を、真、行、草の3つのタイプに種別し、真の庭でのそれぞれの樹木の役どころを役木という。
□正真木(木の一)
庭の主要景観となる中心部分に植栽されるシンボルツリー。
配植には、全庭を統合するような常緑の大木が選ばれることが多い。
□景養木(木の二)
正真木との対比で美を表現する樹木。
正真木が針葉樹であれば、広葉樹を、落葉樹であれば、常緑樹を選ぶ。
幹の形、枝振りなどをよく吟味して用いる。
□寂然木(木の三)
庭の奥行きをつけるよう配置する樹木。
たとえば、南向きの庭では、東側に植栽し、日陰をつくるような葉物(常緑樹)が選ばれる
マキ、ツガ、モチノキ、モッコク、カシ、スギなど
□夕陽木(木の五)
南向きの庭で、西側に植栽し、西日に照らされたシルエットを楽しむ樹木。
落葉樹の花物、紅葉物などで、形がよく、独り景をがよいものを選ぶ。
□流枝松(木の七)
泉水に覗くように植える松。
ながし松、えんこう松ともいう。
松の代わりに、イブキ、ハイビャクシンも使う。
地表面より、斜め上に、水面に向かって枝を伸ばして、樹木そのものの枝ぶりと、水面に映りこむ姿とを楽しむ。