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恐怖の非正規労働者・・・年金受給に及ぼす影響・・・その③ 最終回 年金コラム54

2016年05月10日 22時43分42秒 | 田中年金コラム
この年金コラムも長いこと続けてまいりました。54回ですから、4年半です。私が年金 相談等で強調したいのは、「将来いくらもらえるのか?」「主人が死んだら、私の年金は どうなるのか?」「障害年金はどうしたら貰えるのか?」など、とてもポピュラーな質問 が多いなかで、果たしてその程度の知識で社労士として充分でしょうか?ということです。この疑問点を提起して、この結論のでない!課題を今後の宿題として取組む予定です。長い間ご覧いただきまして有難うございました。
恐怖の非正規労働者と題しましたが、この非正規の言葉は最近期にでたものです。それまでは、非正規の主流をしめていた女子が多いパートタイム労働者(現在、非正規の 約48%にあたるといわれています)と単にアルバイト等が中心でしたので、それはそれで一つの集団を構成していました。ところがである、家計の主たる稼ぎ手の世帯主までもが この非正規労働者の一大集団の中に組み込んできて、その割合が、労働者全体の約4割も 占めることになってきたので、マスコミ等で大騒ぎになっているのです。この非正規労働 がもたらす弊害はかなりのものと言えるでしょう。つまり、非正規労働がすべての社会問題の根源にあると思うからです。例えば、
1.結婚しない(したくともできない)層の拡大化⇒独身者の急増
2.子供の貧困化増・・・貧困率の拡大
3.低所得高齢者の増大・・・下流老人の拡大
4.上記の2と関連して、教育の格差拡大
まだまだ、挙げれば多くあるでしょう。一方、今の年金の現状はどうでしょうか?今年の年金受給額は据置になりました。物価が上がっても賃金が下がった為で、マクロ経済スライドも一休みです。このことは、将来受け取る世代の年金がその分減ることにもつながります。また、平成29年度まで、厚生年金の負担率、国民年金の月額負担金は上昇中です。厚生年金被保険者なら、まだ我慢できるかもしれません。でも、国民年金の第1号被保険者はどうでしょうか?年金の未納者は全体の年金加入者から見るとまだ少数かもしれません。それでも 現在、約300万人もいるのです。 その未納者の相談時きいてみると、本音は「払いたいのです」が・・・、出てくる言葉は
1.どうせ我々が年金をもらえる頃は、かなり減額になるんでしょう?
2.かりに、10年支払ったとしても、(10年年金がスタートした場合)月々、16,250円以下しかもらえません。1ヵ月の保険料は今、約16,000円です。10年で約200万円も払ってその金額です。その年金も65歳スタートなら兎も角、例えば68歳支給開始いうことになると、納付意欲は益々減退してくるハズです。年金問題は、満額受給者や、長年、正規労働者の厚生年金被保険者を中心に対応していくのにかえて、年金弱者・・・その層が所謂「非正規労働者」の中に大量に含まれているのが大問題なのです。老後の生活も他人事ではありません。何とか、最後のネットである=生活保護世帯の急増にならない様にしたいものです。非正規労働問題は、それは決して年金自体だけの世界ではなく、あらゆる社会問題の喫緊の課題でもあるのです。
それでは、皆様の今後のご活躍を期待しております。
特定社労士 田中 俊和

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