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都議選結果あれこれ

2009-07-13 | clipping
五十嵐仁の転成仁語|都議選では共産党も得票を増やしていた 2009年7月13日(月)
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2009-07-13


 都議選での民主党躍進の余波が政界を揺るがしています。今回の結果は、民主党の一人勝ちでした。

 全42選挙区のうちの39選挙区でトップ当選(推薦1を含む)、1人区で6勝1敗の成績、58人の候補者のうち落選者はたったの4人などの事実は、「民主党ブーム」とも言える風の存在を示しています。同じ日に投開票された奈良市長選挙でも民主党推薦の新人候補が当選しました。
 名古屋市長選、さいたま市長選、千葉市長選、静岡県知事選、そして今回の都議選に奈良市長選と民主党の連勝が続きました。強力な追い風が民主党に吹き、自民党にはそれ以上の逆風が吹いているということが分かります。
 他方、都議選での公明党の全員当選と共産党の不振は予想外でした。しかし、それによって、公明党は支持され、共産党は批判されたと考えるのは早計です。

 まず、事実を確認しておきましょう。前回の選挙と比較した各党の議席の増減と投票数の増減を下に掲げておきます。

民主党  +19議席  +122万7000票
自民党  -10   +11万8000
公明党   0   -4万3000
共産党  -5   +2万8000
その他  -4   -6万6000
 
 これを見ると、民主党の一人勝ちだったのは、議席の上での話だということが分かります。民主党だけが19議席増やしているからです。
 減らしたのは、自民党が10議席、共産党が5議席、その他が4議席(ネット1議席、諸派1議席、無所属2議席)でした。議席だけを見れば、負けたのは自民党と共産党だと言いたくなるのも無理はありません。
 しかし、それを都民の選択の結果かと言えば、そうではありません。今回の選挙で都民が投じた票の数は、別の事実を示しているからです。

 選挙は、議会での議席を決めるものですから、議席数の増減に注目するのは当然です。しかし、それを直ちに有権者の選択の結果であるというわけにはいきません。
 選挙制度や候補者の擁立の仕方などによって、当選数が変わることがあるからです。この乖離は小選挙区で極めて大きくなり、定数が奇数の複数選挙区でも似たような現象が起きます。
 したがって、有権者がどのような選択を行ったのかを見るためには、議席だけではなく、得票にも注目する必要があります。今回の選挙でも、得票数の増減を見れば、議席数の増減を見ただけでは分からない事実を読み取ることができます。

 得票数では、民主党が123万票も増やし、共産党も2万8000票、自民党は11万8000票を増やしています。他方、公明党は4万3000票減らしています。
 このことから分かるのは、第1に、今回の結果は、自民党が増やした票の10倍以上を民主党が獲得しており、したがって、自民党が敗北したという以上に民主党が勝利したというべきものであること、第2に、この民主党の増加分は、投票率を10ポイント以上押し上げた人々の票を吸収したもの(おそらくは、前回選挙に行かなかった無党派層)であるということです。
 民主党の勢いは、これまで選挙に行かなかったであろうような人々の支持を新たに獲得することによって生じているということが分かります。つまり、次の総選挙でも、投票率が上がれば民主党に有利になるということになります。

 そればかりではありません。共産党と公明党についても興味深い事実が分かります。この二つの政党は強固な支持基盤をもっている点では共通していますが、選挙の結果は対照的になりました。
 共産党は得票を増やしたのに議席を減らし、逆に、公明党は得票を減らしたのに現状を維持しました。つまり、逆風が吹いていたのは共産党ではなく公明党の方に対してだったのです。
 共産党は得票を減らしたわけではなかったけれども、当選を可能にするほどには増えなかったということになります。逆に、公明党は得票を減らしたけれども、落選するほどの減少にはならなかったということでしょうか。

 別の言い方をすれば、「棒杭現象」の影響が共産党には大きく、公明党に小さかったということでしょう。強固な支持基盤(棒杭)があっても、投票率がアップして当選可能ラインが上昇(水面が上がる)すれば、「水没」する可能性が高まるからです。
 その結果、共産党候補の何人かは「水没」してしまいました。公明党でも危ない候補は何人かいましたが、かろうじて「水没」を免れたというわけです。
 その背景には、共産党の方が革新無党派に依存する割合が高く、これらの人々の一部が民主党支持に回った可能性があること、公明党が当選可能性の高い選挙区に限って候補者を立て、選択と集中による選挙戦を展開したことなどの事情があったように思われます。選挙戦術によって左右された部分が大きかったと言えるかもしれません。

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大日本セキュリティ総合研究所|議会選挙結果に関するもう一つの視点。
http://secusou.blog.shinobi.jp/Entry/1486/


・・・・公明党が議席を一つ増やしたと言うのは誤解で、もともと世田谷選挙区で公明党の都議会のドン桜井良之助さんが急死されて、補充できていなかった議席を今回の都議選で取り返しただけの話です。実際の政党別投票数の「実数」を前回と比較すると、公明党の一人負けとも言えます。びっくりなのは、自民党も票数を増やしているのですね。今回は苦戦が予め予想されていたので、自民の都議も今まではやったことが無いようなドブ板選挙を展開したそうです。まぁ。テレビなんかを見ると、民主の候補は若いおにーちゃんばっかりだから、自転車乗ったり、走り回ったり元気よかったですね。でも、自民党のおじいさん達も相当必死にやっていたのです。あれだけの国政の逆風にありながら、票数を増やしたのですから....。こういう事実を見ると、石原伸晃だけじゃなく、古賀さんなりの国政サイドが責任を取らなきゃ、落選した都議や支援者に申し訳が立たないのがわかります。麻生さんも古賀辞任を引き止めるような野暮な事をしてはいけません。逆に言うと、自民党が票を減らしたというよりも、普段選挙に来ない人の大半が民主党に投票したわけですね。さらに言えば、郵政選挙で小泉大勝に導いた無党派層がそっくり民主党に行ってしまったという事です。自民党の皆さんはこの結果をどう理解するでしょうかね。

で、その民主の躍進で影が薄れたのは共産党。しかし、投票数自体は伸ばしているのです。来年の参院選等では議席増に繋がる可能性は十分にあります。ただ、今回の結果を見て、民主党に同調する事がさらなる「埋没」を招く事に危機感を持った事でしょう。都議会では民主党と共同歩調をとるのではなく、自公に民主もあわせたオール与党体制批判を展開するのでしょうね。自公対民主対共産の三極体制になったと見るべきでしょう。

さて、先程触れた公明党なのですが、4万3千票も落としています。議席を確保できたわけで、イメージが湧きにくいでしょうが、結構深刻な落とし幅です。候補者一人につき、2千票弱を落としていることになる。公明党都議(二人擁立区等)の平均得票数は2万中頃ですから、大雑把に一割弱の減少と言えます。さて、公明党票の内訳というのは特殊であり、一般に創価学会員とその家族の固定票と、非学会員協力者によるF票(フレンド票)に分けられます。その割合はわからないのですが、実際の学会員の数と公明党票の乖離から計算すると3割は非学会員のF票と想定できます。今回のような与党批判が渦巻いても学会員を中心とする固定票は揺るがないと考えると、F票を中心に減少したと考えるのが自然です。つまり、平均的公明党都議の3割8千票がF票なのに、その4分の一の2千票が減少した。これは選挙戦を戦う現場の創価学会員にとっては相当なショックなはずです。「こんな逆風で、衆院選を戦えるのだろうか....。」という動揺も広がっていると予想されます。

この事実は公明党の今後の選挙戦略に大きな影響を与えるでしょう。公明党内部でくすぶっていると言われる「衆院撤退論」、さらには、参院撤退論も合わせた「国政撤退論」にも影響を及ぼすでしょう。

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時事ドットコム|民主の15勝10敗=都議選結果で試算-衆院小選挙区 2009/07/13
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009071300038


 12日投開票された東京都議選の結果に基づき、各党候補者の得票数を東京の衆院25選挙区ごとに再集計したところ、民主党公認・推薦候補の得票数の合計が、自民、公明両党の得票数を15選挙区で上回ったことが分かった。また、民主党は比例代表東京ブロック(定数17)で、8議席を獲得する計算となる。
 試算によると、民主党は全25選挙区で自民党より得票が多かった。自民党は公明党の得票数を合わせても、東京2区、5~11区、18~23区、25区の15選挙区で民主党に及ばなかった。この中には、現行の小選挙区制で過去4回行われた衆院選で、自民党が一度も敗れたことのない8、10、11、23、25の5選挙区も含まれている。 
 民主党の候補が未定で公明党が都内で唯一、候補者を擁立する12区は、与党側が民主党を上回ったものの、6500票余りの小差だった。
 一方、比例代表での民主党以外の獲得議席数は、自民党が5、公明、共産両党が各2議席だった。(2009/07/13-05:51)

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Never Say Die!|【都議選】公明党の足立区について 福島(2009年7月13日 20:10)
http://never-say-die.net/2009/07/post-39.html


昨日は江戸城総砲撃ということで都議選が行われまして、投票率54%と高いのか低いのか、どう評価するべきかわかりませんが、結果的に民主党が第一党になり、自公は過半数を割りました。共産党も議席を落としましたが、民主党候補に票を食われたということでしょうか。全体で公明党と同じくらいの票を獲得していながら、これは痛いはず。

自民党は44年ぶりに都議会の第一党を明け渡すことになり、小泉政権移行の新自由主義的な政策に有権者が怒っているのが伝わってきます。B層にターゲットを絞った選挙活動も、国民にばれはじめており、そのまんま東を担ぎ出したくらいですから、もはや末期症状でしょう。衆議院選挙でも大敗し、下野するに違いないのですが、権力の座を明け渡すことは死ぬより辛いかもしれません。

気になるのは公明党。前回よりも10%投票率が上回り、獲得票数も15%減ったにもかかわらず、議席を増やしています。都議選にかける執念をひしひしと感じますね。新興宗教と政治はできる限り関わって欲しくないと考える自分としては、少しショックでしたが、これまで盤石だった選挙区でギリギリ当選しており、若干足下が揺るいでいるかもしれません。

驚いたのは足立区の結果です。某掲示板のコピペになりますが以下のようになっています。

足立区
  得票数(得票率) 氏名 党派
当 47,245(16.3%) 鈴木勝博 民主
当 45,208(15.6%) 大西智  民主
当 37,612(13.0%) 三原将嗣 自民

当 34,200(11.8%) 中山信行 公明  ← ★
当 34,159(11.8%) 友利春久 公明  ← ★

当 34,130(11.8%) 大島芳江 共産
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落 32,895(11.4%) 高島直樹 自民


足立区
政党 合計票数
民主 92,453 票割り比率 51.10%:48.90% ⇒2人当選

×自民 70,507 票割り比率 53.35%:46.65% ⇒1人当選 1人落選
◎公明 68,359 票割り比率 50.03%:49.97% ⇒2人当選 ★神業です

共産 34,130  ⇒1人落選


なんと票の割り振り比率の差が0.3%ですよ・・・。とても人間技とは思えない。ほぼ正確に票が二人の候補に割り振られている。ここまでできるとは、裏でどんな選挙対策を行っているのでしょうか。これが只の偶然ならいいのですが、自由投票の意義が問われます。

来るべき衆議院選挙では、自民党が大きく議席を減らすのが避けられないようですが、これまで連立を組んできた公明党がどう動くのか、注目したいと思います。まさか民主党と組むことはないでしょうが、魑魅魍魎渦巻く政界ですから、なにが起こるか分かりません。

福島 拝