南アルプス 甲斐駒ケ岳(2967m)
2006年1月 2~3日
(前書)
雪山デビューの“編笠山”が大満足と終えた回想に浸り、
道の駅の温泉で火照った足を
十分な時間をかけてクールダウンすれば、
・・・当然、プシュ~。ゴクゴク。うんめぇー!
ぺったん、ペッタン。・・・なんて今日はラッキーでんな!
つきたての“お餅”を配っているじゃーないの!
無料の列に好んで並ばない“クールな私”も、
この時ばかりは、お正月! お正月!
♪お正月には~、餅食べて~♪
(あんこ、大根おろし、きな粉 3個ごちそうさま。)
ガイドを見ながら
「ふ~ん、雪山なのに、夏山タイムより早かったんだね。」
・・・プシュ~、ロングカン2本目。
「下りなんて1時間以上も早いじゃん。」・・・私って健脚?
(1日目)
AM4:00 あれれれ?窓ガラスが凍っていないゾ!・・・外気温 0度
昨日は、あのまま隣接されているホテルのロビーで宿泊者みたいな
顔しながら新聞を読んだり、TVを見ながら過ごして、
道の駅にダラ~リとP泊したから、
甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根登山口へ。
さぁー、今日も行くか!・・・ギュルルルルル~。
マタまた“うんちょ” ココの駐車場に水洗トイレがあったもんね。
半年前にキャンプしてお見通しさ!
ナニよー、電気点いてないじゃなーい。
へん、オイラは山男でぇ~い。
ライト、ちゅーもんが在るんだぜい。 パチリ、
張り紙、なにナニ。・・・冬季凍結防止により使用中止。
でも、開いてるもんねぇー。・・・水を止めているのだろうか?
汚ちゃない!ココへさらに“こんもり”上乗せすることは、
春に作業する方へ申し訳ないなぁ~。
ピュー、半ケツ上げながら“白州道の駅”へ。
・・・ふぅ~ カ・イ・カ・ン。 暖か便座。
日の出にチョッと早かったかな?
教えてもらった登山口をライトで登り始めたら、
ゲゲゲッ、いきなりの急坂!
あれれ?昨日の右足股間の痛みは何にもないのに、
今日は左ヒザ外側に少々痛み。それに昨日と違って暖かい。
・・・ま~イイや!先は長いし、夜が明けるまで涼むか。
高台から見下ろしていると、登山者かな?
橋を渡ってくる灯りが1つ。 さぁ~、そろそろ出発だ!
しかーし、この登山道は本当に合っているの?
急坂の次は山の反対側へ連れて行かれるような巻き道
テクテク、てくてく。
暑いのぉ~!よーし、箱根駅伝の選手も“5区山登り”はTシャツだし
ワンピースウェアーを腰で撒き、 わっせー! ワッセー! わっせー!
ふぅ~これでなきゃネ!Hに迫った針がCへ下がって
・・・やっぱオーバーヒートだよね。
来たよ、きた、キターッ!! 日本屈指の登り“黒戸尾根”から
先制のジャブが、シュッ、しゅっ!
ジョー、足だ、足を使え! やるじゃねーか!
(“あしたのジョー”より)
右に見えるのは、山歩きのきっかけとなった“日向山”の尾根筋かな?
日向山は2時間の楽チン登山だったけど、
車でかなり登山口へ上がれたのを思い出すと “編笠山の直登り”
程ではないものの、これも堪えそうで、先が思いやられるのぉ~。
下山者、「元気だねぇ~」
私、「今日は暑くて。これでちょうど良いですよ。」
下山者、「今日はドコから?」
私、「日の出とともに神社から。」
下山者、「へー、あんた早いねぇ、 今日中に頂上行けるよ。」
私、「そうですか、昨日“編笠山”を登って
少々ヒザが痛いんですけど。」 (ちょっと自慢し~顔)
下山者、「昨日は良い天気だったよ。 今日は残念だね。」
私、「明日晴れれば良いんです、それではお気をつけて。」
廻りはとっくに雪景色。
登山道は凍ってなくて、ラッセルもまだまだ浅いけど
降りしきる雪がさっきから、明らかに増している感じ。
20人ほどすれ違ったのに、下山者のアイゼン跡が早くも不鮮明!
私の頭にも雪が積もって凍っているらしく、髪はバリバリ。
でも半袖から出たムサイ腕に、幸か不幸か?舞い降りた山の雪は、
結晶がキメ細か過ぎて水分を含んでいないのか?
それとも私の熱気で蒸発してしまったのか、
全く濡れていないんだなぁ。 手を腰に当てて
♪小槍のう~えで、アルペン踊りを
さぁ~踊りましょっ。♪
小春、「ぱぱぁ~、小槍じゃないよ、“子ヤギ”だよ」
私もそう思っていました。(笑)
機会があったら、“槍ヶ岳”&北アルプスも行ってみたいな。
オイオイ、降りしきる雪で道を間違っていないよなぁ~。
段々下ってるよ。(不安、大)
あっ、五合廃屋だ。間違いない。
下りきってハシゴを渡って祠の横を通ると背丈よりデカイ錆び付いた
剣・ホコ?(昔の信仰者は大したもんだなぁ~)
見上げると、ザイルの張ってある“ふざけたハシゴ”がグィーン!
あれを登るのか・・・ クラクラ、目眩というか、立ち眩み。
“ホーッと”ため息一つ。それから 何本のハシゴを登り続けたのか?
♪ハ~シゴが続く~よ~、ど~こまでもぉ~♪
さらに両側がスパッと切り落とした“通称、刃渡り”
(雪と吹き上がる横風、ぷちビビリ!)
今日も、あんな坂、こんな坂 ~と元気なはずが、
“フーフー” 最後はお決まりの“ヒ~ヒ~”と七丈小屋へ。
・・・着いてしまえばコッチのもん。 “あっ着いた”と元気回復!
何とこれが早くて、2回休憩したのに5時間半で到着。
受付して、お昼食べても、まだ時間が十分に。
雪かきを終えた小屋人さん、「皆さん、晴れてきましたよ。」
私、「あの~、頂上はどれくらいですかねぇ?」
小屋人、「2時間~2時間半かな。 ライト持ってね。」
私、「ヨーシ。明日、風が出るって言ってたので、
ちょっくら行って来ますワ。」
扉を開けたら、ウォー!!
目に飛び込んできたのは、雲海からニョキニョキと飛び出た
いつかは登りたい憧れの
“鳳凰山オベリクス”が、ババーン!
よーし、一丁やったるかい!
テント場から数分登ると・・・そこは一面フカフカの新雪。
ラッセル、腿。
足跡も消えた僅かな凹みの登山道を、おもいっきりヒザを上げても
靴は雪の中。新雪なのであまり抵抗感は感じられず、
サラサラの粉雪は足を蹴り上げるたびに、私の周りをキラキラと舞って
・・・素敵な世界。
あ痛たたた!
どうしたんだ?さっきまで気にはなっていたけど、
左ヒザの外側が痛くて曲がらなくなってきた。ヤッベー!! どうしょう。
・・・数歩、数分。自問自答と格闘。今日、一日中冷やしてみよう。
なぁ~に、明日もあるし。・・・よもやの撤退。
痛ッ、痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛
下りも“まま”ならなくて、もう大変!
小屋人、「あれ、どうしたの?」
私、「ヒザが痛くて登れなくなりましたので・・・」
小屋人、「これ塗って、ラップでキツク撒いてごらん。 古傷?」
私、「いやぁ~、こんなこと初めてなんですよ。
なんせ冬山は昨日の“編笠山”が初めてで。」
小屋人、「原因が分からないなら明日は下山したほうが良いですよ。
山は逃げないし。なんなら“へり”呼ぼうか?実費でね。
楽だよ、50~60万円ぐらいかな。」(笑)
私、「必要経費で落ちるかなぁ~」
深~い、お言葉!
悔しいけど痛みに弱く、諦めの早い私は意気消沈で戦意消失。
頂いた塗り薬と一晩中雪で冷やして何とやら。
(山の雪ってサラサラで、ギュッギュッと押しても固まらないんですよ。
これはビックリ!)
でも今思うと晴れ間はその時だけだったようで、
夕方に小屋に入ってきた人たちは雪まみれで帰ってきましたね。
「冬山初心者が無謀か! 正月の甲斐駒ケ岳で単独遭難!」
と新聞にならなくてヒザが痛かったから良かったのかな?
・・・負け惜しみ。外は降りしきる大雪、
“ワイン&泡盛”までご馳走になって、おやすみなさい。
サービス満載 七丈小屋、バンザ~イ!!
(2日目に続く)
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