kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

フィリピンの「落差」問題を読んで思う話

2007-09-06 21:54:45 | 産業紙から

自分はフィリピンパブには行ったことはあっても、フィリピン国には行ったことがないので、ほぼ鵜呑みにするしかないのだけれど、9月3日付日刊工業新聞に出てたフィリピンの「格差」ならぬ「落差」の話について。

この記事を寄せたのは政策研究大学院の白石副学長。この2年で10回も訪れているそうである。以下要点を簡単に。。

・フィリピンの経済は歴史的に良くない。1950年代は豊かだったのに

・マニラの賑わいに比して幹線道路は穴ぼこだらけ、公共サービスも不十分。この「落差」は何か

・民主主義、民営化、市場の自由化は充分進んでいるから「構造改革」が必要というわけではない

・要因は2つ

・1つはエリートの問題。フィリピンのエリートは非常にグローバル化しており、いつでも移住できる立場にある。都合が悪くなればいつでもアメリカにいける

・1つはフィリピン人自身の問題。一揆、ストより英語の達者な彼らは革命よりは外に職を求めるようになった

・その結果、人口8000万人の国で800万人が海外で働き、海外送金がGDPの11%を占めるようになった

・そしてフィリピン国内の中産階級の層は、10%程度にとどまっている。これでは政治は変わらない

・無責任なエリートのつけを国民が個別に引き受けることのコストは、非常に大きい

思うこと。

ひとつ。
むかしソ連崩壊後の混乱期のロシア人が日本を訪れ、交差点で道を譲り合うドライバーを見て、ソ連ではこれが出来なかったんだ!(これが出来れば崩壊はなかった)と地団駄踏んだという都市伝説的な話を聞いたことがありますが、社会主義にしろ民主主義にしろ、新自由主義にしろ、成功のためには結局は民度に依存するって話なのかと。

ひとつ。
こうしてみると英語喋れるのも善し悪しだなと。でも日本の場合は本人は海外に移動しなくとも、資産は移動してるんだなと。

ひとつ。
中産階級の減少は国のありようを変えてしまうのだなと。上:中:下=2:6:2だった日本は2:2:6になりつつあるそうだけど、どうなのと。

ひとつ。
無責任なエリート云々のくだりは、そこだけ見ると、日本の話にも読めてしまう。
今の日本人も一揆やストはしないだろうし、かといって移住もないだろうし。
エリートが本当に信じられなくなったとき、どんな態度で応えるのだろうかね。



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