仏像は小学生の頃の記憶に誘われて、そしてこれは二度目の来日公演なのですが、中学生の頃に聴き込んだ音楽の誘惑に抗しきれず、行ってまいりました。
三つ子の魂何とやらで、仏像にしろ、Queenにしろ(何という並列か!)観にいけば蘇るあの頃の記憶、あの曲この曲が流れるだけで幸せな気分。ミュージカルの劇中部分がどうこうなどと偉そうなことは言えねえです。
作り手だってQueenを聴き込んでるわけですから台詞だってツボを抑えてるし、俳優さん達もイギリス人じゃなくてオージーが多数を占めてるようだったけど、そこは鍛えられてる人達だから違和感などあろうはずもなく、大いに楽しめました。
観てて思ったのは、Queenの曲はミュージカルに相性がいいなということ。理由がふたつ。
まず初期から中盤の曲なんてのは、「Bohemian Rhapsody」とか「Somebody To Love」とか相当込み入ったコーラスが入ってるわけで、これは本家のライブ(2度行った)でも再現は不可能。でも大人数のミュージカルならそれも可能ということで、その点がよろしかったということ。
それから後期の曲では「I Was Born To Love You」(これはフレディのソロだが)とか「Who Wants To Live Forever」なんかに見られるように、「あなたをこれだけ愛してるんだ~」ってな感じでストレートすぎる歌詞が多くなったように思えるのですが、ミュージカルではこれがハマるということ。
そんなこんなで、なんでもっと早くやらなかったのかと思うくらいに、いい感じにまとまってましたですよ。
当方、Queenは「Don't Stop Me Now」を最初にラジオで聞いておおっと思って、その後「The Game」を買ってハマり、初期から中盤のアルバムを聴き込んだという世代。ちょうどフレディがヒゲを生やした頃からのリアル世代なわけです。
そういう身からしても選曲的には納得がいきました。フルコーラス歌うのはシングルカットされた曲ばかりでしたが、途中のBGMで「Death On Two Legs」のようなアルバム収録曲のイントロが使われたりとか、年寄り向けのサービスもあったし。「Seven Seas of Rhye」なんてキーワードになっちゃってたし。
たぶん選曲自体、日本向けに意識して変えた部分もあったのでしょう。
そして買ったパンフには「Queenを知らない人でも楽しめる」なんてコメントがありましたが、まあそれは確かとしても、同じ推奨コメント載せるなら「かつて聴いてた人は行くべきだ」という方が正しいのかなと。
コマ劇場ならS席でなくA席でも充分(A席は日曜の本日も空席あった)。
かつて裏声で鼻歌歌ってた人たちは、行って損はないと思いますですよ。
闘いのシーンではOgre Battleのリフも使ってたね。
私の隣の席の人は「俺、ミュージカルでは寝ちゃうんだよ」なんて言ってましたが、見事な歌いっぷりでした。まさに終盤なんかは「あの時はこんな感じで盛り上がったよなー」と若干照れ入りつつ肩組んで校歌合唱、みたいな感じでしたね(笑)。
これからもよろしく。