写真は,取手駅に近い建物の階段部分の壁です。
壁の途中に,意匠として切り欠きがあります。
この切り欠きから右下の方に,ひび割れが延びています。
壁の途中の切り欠きは,壁の延び縮みの力が集中しやすく,ひび割れの発生しやすいところです。
同じ理由で,壁の中のドアや窓などの角(隅角:ぐうかく)には入りやすくなります。
写真は,「コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針(日本コンクリート工学協会)」にある窓のひび割れ(補修後)の写真です。
表面をタイルなどで覆ってないビルでは,よく見ることができます。
表面をタイルなどで覆うと,このようなひび割れを見つけにくくなり,結果的にコンクリートの劣化を早めると考える人もいます。
ま,自分の考えも,それに近いです。
下の写真は,一番上の写真の拡大図です。
写真の矢印部分のひび割れ幅は,0.20㎜ほどです。
こういったひび割れの幅は,クラックスケールというもので測ります。
自分が使っているのは,これです。
ひび割れ幅として,0.10㎜から測れるようになっています。
大きさは,名刺サイズです。
自分はこれを名刺入れに入れて持ち歩いており,街中で見つけたコンクリートのひび割れ幅を測ったりしています。
性格の悪いやつです(笑)。
さて,このひび割れですが,どのように補修したらよいと思いますか。
次回は,補修方法について書いてみます。
おおっ,なんか今回はアカデミックだぞ(笑)。
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ただし,施工や養生が確実に行われるというのが前提ですが...(^^;;
骨材の形状などから単位水量を小さく方法は,実積率を大きくすることだと思います。
10年くらい昔ですが,粗骨材の形をできるだけ丸くしたものを使うコンクリートというのを,福岡(だったか?)の業者さんが出していました。
目的として単位水量を減少させ,それに伴うセメント量や水和熱の低減,その他の複合要因によるひび割れの防止などをうたっていました。
残念ながら,今は検索することはできませんでしたが...
自分らも砕石業者さんと一緒になって,ドラムの内側に突起をつけた洗濯機みたいな機械で粗骨材を磨く実験をやったことがあります。
こうすることで実積率をあげ,単位水量を小さくすることができました。
あと,圧縮試験では粗骨材の端部に応力が集中しないので強度が上がるんじゃないかと考えてみたんですけど...
吸水率の大きな骨材の方が,乾燥収縮は大きいと云われていますから。