くまくまDays~アデレードな日常~

新しい環境の中で感じたことをつれづれに書きつづります。

新年度、炭素税、固定価格買取制度

2012-07-01 23:16:37 | オーストラリアについて
今日から7月1日。今日からオーストラリアでは新年度である。

オーストラリア関連のニュースを見ているとやはり大きなテーマは、いわゆる炭素税(carbon tax)であり、新年度(つまり今日)から、この炭素税が導入された。

炭素税については既にふれたので(詳細は → こちら)、説明は省略するがラッド元首相が政治生命をかけて取り組んだテーマであり、かつ、国論を二分するテーマであった。

私が留学している際には、これらの税を導入する法案が可決されていたので、既に大要は決まっていたが、それでも今日から導入をなると、いよいよか。という気持ちが高まってくる。産業界に対するインパクトは決して小さくないと思われる(オーストラリア経済・産業のぜい弱性が高いことはここではとりあえず無視しておくにしても。)のでオーストラリア国内の反応はしばらくの間は強いと思うが、あくまで私見であるが、おそらく、いわゆる普通のオーストラリア人はこれらに慣れてしまうんだと思う。

いかんせん、いい意味でも悪い意味でもオーストラリアは環境に対する意識が非常に強い国である。自由経済を基調としながらも、乱暴な言い方をすれば、「環境」というテーマが絡んだ瞬間に政府の役割云々が強くなることを人々は許容してしまう傾向にあると思う。

同税の導入により物価の上昇、電気料金等の上昇が懸念されているが、そもそも同税が導入されていない場合であっても、ゆるやかなインフレが続くオーストラリアでは生活費の上昇が続いており、電気料金の上昇を炭素税のみのせいにするのはちょっとフェアではないと思う。

そして、さらに乱暴な言い方をすれば、一般論として環境に「よいこと」をしている同税は、一定程度経過したのち国民には所与のものとして感がられるのではないだろうか。やはり自分自身に直接関係しない事項については関心が薄れていくのが当たり前なんだと思う。

偶然といえば偶然であるが、日本でも、今日から、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)がはじまった。太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギー電気について、国から認定を受けた発電所で発電される電気について電力会社に一定期間、一定価格での買取を義務付ける制度である。

原発事故等を背景にして再生可能エネルギー等の新エネルギーの役割が今後ますます重要になってくるのはいうまでもない。ただ、その原資となるのは我々の電気料金を通じた国民負担であり、それらの負担増をどの程度享受できるのかもあわせて考えていかなければならない。

炭素税もFITも、今日という日をモーメンタムにして、これから歩んでいくという記念日的な日なので、ちょっととりとめのない記事になってしまいましたが、備忘録として書き記すことにします。