喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

『治療』特集2017 №11 禁煙up to date

2017-11-07 08:32:10 | 書籍

雑誌『治療』(南山堂)は、「ちょっとがんばる医師のため」との謳い文句ですが
2017年11月1日発行の特集2017 №11 禁煙up to dateは
医師でなくても十分に楽しめ、得るところの多い特集です。
『治療』という雑誌ですが、今回の特集における治療に関する内容は
全体の約三分の一に留まり、残りの三分の二は、医療従事者でなくても
知識や情報を得るのに大変有用な内容になっています。
私は事前予約で発売翌日に入手し、第11回日本禁煙学会学術総会に参加するため
京都に向かう新幹線の車内で読んでいました。
新型タバコ(電子・加熱式を含む)に関するシンポジウムや口演が
第11回日本禁煙学会学術総会でも多く行われましたが、こちらの特集でも
冒頭の特別座談会をはじめ、続く「新型タバコの分析」でも取り上げられているほか
村田千里氏『職場の喫煙対策』、清水隆裕氏『未成年者・若年者の禁煙治療』などでも
言及されており、いかに多くの研究者や医療従事者が
安全性が確認されないままタバコ企業の狡猾な販売戦略のもと
日本で爆発的に普及してきている新型タバコに危惧を抱いているかがわかります。


特別座談会「新型タバコとは何か?われわれはどう対応すべきか」で
金沢大学附属病院総合診療科の野村英樹氏の発言が出色なので、いくつかご紹介します。
(赤字変換は荻野による)

「加熱式タバコもニコチンを吸収させるという製品であることにはまったく違いがないので
 喫煙者の罪悪感を一時的に減らしながら、新たなニコチン供給デバイスを
 提供するものだろうと考えています」

「無害であることが証明されたら私は売っても良いと思っていますけれども
 そうではない危険物質を含んだ物を売っていいという理屈はちょっと考えられないです」

「疫学的研究の結果が本当に確定するまでには短くて20年近くかかりますので
 新しい製品を出しては20年売り続けるという作戦を許していたら
 永遠にニコチン・デリバリー・デバイスはこの世からなくならないと思います」

「自由を求めることとタバコを吸うことがいかにも一致してしまうところがありますよね。
 (中略)やはりニコチンというのは基本的に自由を奪うものだという考え方を
 もっと浸透させていかないといけないです。(中略)けっして自由を選択したのではなく
 不自由を選択したことになる。(中略)ニコチンというのは
 まさに吸うことを強制されてしまう物なので、それこそ逆に
 幸福に偽装した不幸を追及する権利を認めていることになります」


「受動喫煙対策:「分煙」ではなぜダメか」も、受動喫煙でお困りの方は
読まれることをお勧めします。
現在、アマゾンでは新品の販売はないようで
中古物品にもかかわらず定価の倍程度の値段で売られていますが
発行所の南山堂のホームページからであれば、定価で購入できます。
http://www.nanzando.com/journals/chiryo/



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