喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

「禁煙継続支援ネットワーク(WOMB(ウーム)ネット)」 キックオフミーティングに参加しました

2018-12-17 00:22:27 | タバコ問題への取り組み

12月4日掲載の東京新聞のTOKYO Web版で
群馬大学が、妊娠中に禁煙した母親の出産後における禁煙継続を支援する
産学官民のネットワークを、前橋市で発足させることを知りました。
15日に設立のキックオフミーティングが開かれ
国立がん研究センターたばこ政策支援部の吉見逸郎氏の特別講演もあることから
群馬大学荒牧キャンパスまで行ってまいりました。

キックオフミーティングでは、群馬大学大学院保健学研究科の篠﨑博光教授
禁煙継続支援ネットワーク(WOMBネット)設立の趣旨説明を行いました。
群馬大学大学院保健学研究科では、林邦彦教授が2001年から
全国の働く女性数万人を対象に、女性コホート研究に取り組んでいるそうです。
この研究は、国内で唯一の大規模な女性コホート研究であり
この研究やこれまでのさまざまな研究によって
妊娠したことがわかると、喫煙女性の多くが禁煙するものの
妊娠中に禁煙した女性の4割以上が出産後に喫煙を再開することがわかりました。
これは、妊娠中の女性の禁煙を後押しするような妊婦教育・行政サービスは存在しても
出産後の禁煙継続を支える仕組みがほとんどなく
夫が喫煙者であれば夫の喫煙を見て、あるいは、職場復帰後の仕事仲間が喫煙者だったり
職場が喫煙しやすい環境であったりすると再喫煙の可能性が高くなり
個人の努力だけでは、禁煙を継続することが困難なことも判明したそうです。
また、喫煙している妊婦の産科合併症のリスクが非喫煙妊婦と比べて高いことや
胎児に及ぼす影響として、早産・低出生体重児の危険度が上がることもわかりました。
子供が早く生まれる・小さく生まれることは、出産時の危険だけでなく
子供の将来の生活習慣病のリスクをも押し上げ、影響するのです。
さらに、妊娠判明後に、喫煙者の妊婦は91.3%が禁煙しますが
喫煙者の夫・パートナーはわずか9%しか禁煙せず
91%もの夫・パートナーが妊婦と胎児を二次・三次喫煙に遭わせているのだそうです。
こうした林教授の疫学研究の成果を基に
教育プログラムや連携協働を専門とする篠崎教授の研究を活用し

・禁煙に成功した女性(妊婦)の禁煙継続の支援
・社会の理解を深めて禁煙を促進し、受動喫煙機会を減らす
・子育てしやすい環境づくり、住民に優しい県土を目指す

以上を目標に、産学官民が連携し、社会全体で禁煙継続を支援しようと
立ち上げられたのが、タバコから母児を守る
「禁煙継続支援ネットワーク(WOMBネット)なのです。


私にとって衝撃的だったのは、妻・パートナーの妊娠が判明しても
約9割の夫・パートナーがタバコをやめないことでした。
この数字を見て、妊婦は妊娠したことで自分の体の変化を実感できるのに対して
約9割の夫・パートナーは他人事なのかと、衝撃を受けました。
たしかに、私の出生に置き換えてもそれがわかります。
最初の子供を母のお腹の中で亡くして、しばらく子供がいなかった両親でしたが
待望の子供だった私が母のお腹に宿っても、また、私が生まれてからも
そして病弱だった私が、「苦しくなるからタバコをやめて」と頼んでも
父はタバコをやめようとしたことはなく、父がタバコと縁を切ったのは
タバコ病になって自力ではタバコが吸えなくなったからでした。
胎児を含む子供は、タバコの煙が苦しいと伝える術がありません。
やがて言葉を話せるようになり、「タバコをやめて」と言えたとしても
言われた大人がどのような態度で臨むかは、まったくわかりません。
夫の父のように、夫に言わせれば、良い所など一つもなかった駄目親でも
夫が喘息気味だということでタバコをやめる人もいれば
私の父のように、タバコやお酒・ギャンブルさえしなければ
何も言うことがないくらい素敵な人であっても、ひとたびタバコの話になると
怒り狂ったようにムキになって、子供や妻を悲しませる人もいるのです。
子供は自分の意思ではなく親の意思でこの世に生み出され
自分が全く与り知らないままに突然この世で生きることを余儀なくされます。
突然この世に生み出されて、生み出した親にタバコを否応なく吸わされた挙句
外に出れば見ず知らずの人にまでタバコを吸わされる理不尽は
なくしていかなければなりません。


WOMBネットは、まずは妊婦の喫煙抑制に積極的に介入し
分娩後の禁煙継続を支援することによって
母児をタバコから守っていくプロジェクトです。
妊婦には、禁煙を促す働きかけが医療機関や行政でなされており
多くの女性は妊娠が判明すると禁煙しますが
夫・パートナーに対しての働きかけは、医療機関においても行政においても
働きかけがほとんどされていないため、禁煙する人が1割にも満たない状況です。
WOMBネットでは、夫やパートナーからの受動喫煙機会をなくすため
積極的に介入していくそうです。
群馬県の男性喫煙率は37.3%で、都道府県別喫煙率で全国1位です。
私は、自分のように、子供たちをタバコで苦しませたくありません。
子供たちがタバコで苦しまないように、WOMBネットを応援します。
私は15日に、早速参加の申し込みをしました。
ネットワークへの参加は無料、入退会自由、義務もありません。
企業・団体のほか、個人でも参加できます。
ただし、タバコ関連業界の参加や援助は認めないそうです。


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2 コメント

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すばらしいですね (禁煙化推進の手引)
2019-06-06 18:09:37
この取り組みは存じ上げませんでした。
すばらしいですね!
群馬モデルとして全国に波及を (荻野寿美子)
2019-06-07 20:22:43
禁煙化推進の手引さん、コメントを頂戴し、ありがとうございます。
群馬大学の取り組みは、2001年からのコホート研究によって支えられた、すばらしい取り組みだと思います。
タバコ対策に先進的な調布市が自治体のお手本になっているように、この取り組みが群馬モデルとして、全国に波及することを期待しています。

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