「目の前の山に登りたまえ。山は君のすべての疑問に答えてくれるだろう」
(登山家 ラインポルト・メスナーの言葉)
ゼェゼェ・・・ゼェゼェ・・・ウガァ~・・・
ムウゥ・・・ゼェゼェ・・・ゼェゼェ・・・・
登るんだ。そう兎に角登るのだ。
しかしナンだ。このクソ重い箱は・・・
ん?ナニナニ・・・
「バイク工具」・・・
お、重いはずだ・・・ゼェゼェ・・・
・・・
いやぁ~疲れました・・・
今日は義理の弟の引越しだったんですわ。
まず最初に行った時から
この引越しが壮絶なものになる事を暗示していたのです・・・
玄関を開けて、
1人暮しにしてはちょっと多いかなぁ~なんて思いながら
2LDKの最後の1部屋に入ってみると・・・
「バイク」
「・・・えっ?」
おいおいココは3階だぞ・・・しかもエレベーター無しの。
しかも1台じゃ無く、形になっているモノが1台と
バラバラのモノが1台。
まぁいい。今更後に引けるわけじゃないし何とかするしかない・・・
しかし、
ふと、嫌な予感が走り
弟に聞いてみた。
ワタクシ:「ねぇねぇ、引越し先って何階なの?」
弟: 「あっ、え~と3階」
ワタクシ:「えっ・・・?」
「さ、3階?・・・もちろんエレベーターあるよね。」
弟: 「無いですよ。」
ワタクシ:「・・・」
馬鹿か?キミは。
コレを人の手で、しかもワタクシが運ぶのかっ!
ど、どうやって降ろすんだよ・・・
だって降ろさないと持っていくことも出来ないだろ?
なぁ・・・どうすんのコレ?
取り合えず箱に入ったものから
車に積みこんで一先ず引っ越し先に行ってみた。
道路に面した鉄筋作りの建物で正面右端に階段があった。
真っ直ぐ、途中2階部分の入り口部分(踊り場?)があり
それからも真っ直ぐに3階まで。
螺旋状になっていない。
まさに山登りのようだ。
ゼェゼェ・・・
ゼェゼェ・・・
体力の限界を味わいながら、
この山は、確かに疑問に答えてくれたようです。
「この引越しを受けたのは間違いだったと。」
ゼェゼェ・・・
そしてワタクシは明日もまた登りに行くのです。
そう5時間かけても終らなかったもので・・・(泣