伊藤和男 ブログ

千葉県議会議員(香取市選挙区)伊藤和男です。

医療講座. 心臓病最新診断- 神の手.三角医師ー(1)

2009年11月20日 01時39分20秒 | Weblog
【神の手.三角和雄医師】講演より…
平成21年8月25日に放映された、『たけしの本当は怖い家庭の医学』は、視聴者を驚かせ心臓病の治療技術の進歩を認識させた。松戸市で開催された、三角医師の医療セミナーに参加して、医療機器の日進月歩により患者にやさしい心臓病の最新診断が行われている現場を知ることができた。

以下要約すると
【256列マルチスライスCT】-心臓カテーテル検査はもう古い- マルチスライスCTとは、身体の断面図を細かく、しかも高速で画像化するもので従来のCTとは異なる。スライス数によって、8列.16列.32列.64列と分れているが、スライス数が多いほど、高画質の画像.最良のイメージ.検査時間の短縮化が得られる。また従来のCTは息止め時間が20秒程度と長く不整脈感知機能や収縮期.拡張期の正確鑑別能力がないため、期外収縮や心房細動などの不整脈、一分間100以上の頻脈等があると、良好な画像が得られにくいという欠点があった。それを補うためにβ遮断薬を用いるが、β遮断薬を経口投与しても効果発現に時間がかかる。連動性β遮断薬を点滴すれば、低血圧.過度の除脈が生じる危険がある。また仮にβ遮断薬を使っても、心房細動があると、それだけでCT検査が困難となることが多い。また解析時間も30分~1時間と長くなり、外来で短時間で行うには無理があった。マルチスライスCTは心電図上の心拍を自動的に認識.追跡して、心拍が乱れても、冠動脈に血液が充満して撮影に最適な拡張期のタイミングで画像を得ることができ、不整脈による影響が全くない。したがってβ遮断薬を事前に投与する必要がなくなる。
【マルチスライスCTの利点】 従来のCTは、撮影時間が長いため、肝.肺.脳等の実質臓器のように、ダイナミックに動かない「静止している臓器」の診断に用いられてきた。マルチスライスCTは、いわば「シャッタースピードの非常に早いカメラ」のように、心臓表面の冠動脈など動きの非常に激しい対象に対しても診断に十分耐えうる画像を提供することができる。特にマルチスライスCTの利点として、次のようなものが挙げられる。
【患者のストレス軽減】(1)経静脈的に造影剤の点滴を行うだけのCT検査なので、動脈をを穿刺(針で刺す)してカテーテルを挿入することなく冠動脈造影が可能であり、出血.動脈損傷.脳梗塞.感染といった「動脈穿刺によるカテーテル検査特有の合併症が全くない。動脈穿刺後の再出血や動脈瘤、末梢領域の虚血等のリスクもなく、従来苦しんだ、カテーテル検査後の長時間の穿刺部位の圧迫、臥床の必要は全くない。「動脈カテーテルを入れることによる、恐怖や長時間臥床の苦痛」を感じている患者には、大変な朗報である。 次回に続く…