yhaaa!7 - ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―


yhaaa!7

 

宇宙の秘密が知りたくなった、と思うと、いつのまにか自分の手は一塊の土くれをつかんでいた。そうして、ふたつの眼がじいっとそれを見つめていた。
 すると、土くれの分子の中から星雲が生まれ、その中から星と太陽とが生まれ、アミーバと三葉虫とアダムとイヴとが生まれ、それからこの自分が生まれて来るのをまざまざと見た。
 ……そうして自分は科学者になった。
 しばらくすると、今度は、なんだか急に唄いたくなって来た。
 と思うと、知らぬ間に自分の咽喉から、ひとりでに大きな声が出て来た。
 その声が自分の耳にはいったと思うと、すぐに、自然に次の声が出て来た。
 声が声を呼び、句が句を誘うた。
 そうして、行く雲は軒ばに止まり、山と水とは音をひそめた。
 ……そうして自分は詩人になった。

                               寺田寅彦―柿の種―

 

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コメント
 
 
 
Unknown (cokolin)
2008-09-22 10:33:28
宇宙、無限大です
絵も感性やその方のもののとらえ方で
また、違う形に変化します。

私は絵や、美術、想像のものを作るのが
好きです。

ですが、しょせん素人なので詳しいことは
分かりませんが・・・・

明るい色彩の中にアピールを感じます。
 
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