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ハワイのお話

ワイルア川(カウアイ島)

2004-12-10 | 観光
カウアイ島の東海岸は北に行くにも、南に行くにも便利なので、息子と二人の滞在のときはワイルアのコンドミニアムに泊まります。ひとつ難点は交通量が激しいので、優雅なリゾートステイという気分はありません。家族でのんびり滞在するなら北がいいなあと思いますが、東は何といってもレストランも近くにあって便利です。
このコンドミニアムはワイルア湾に面しています。早朝息子とリドゲート公園の方まで、ビーチを散歩していますと、ロコが魚釣りをしているのを見かけます。海岸線が赤く染まり、大きな太陽が昇ってくるのを見ることができます。この瞬間がとても美しい。太陽はこんなに大きくて、スピードが速いのだということに気が付きます。あっという間に上り始め、風景が一変して美しくキラキラ輝き始めた頃、息子と二人の影がながーく伸びて、まるで足長おじさんのよう。真横から太陽に照らされることなどないので、息子は大喜びです。海岸には流れ着いた椰子の実が芽を出しているのをたくさん見かけます。生命力の強さを感じます。

ワイルアとはwaiは水 luaは二つのものが一つになることを表しています。名前の通り、この湾に流れ込むワイルア川は、二つの川が河口近くでひとつになっています。ワイルア川に沿って、たくさんの聖地が作られています。王の誕生を告げるベル・ストーンやへその緒を隠したポハク、ヘイアウなど、その先はシダの洞窟に続きます。カウアイ島の中央に位置する聖山ワイアレアレに降った雨がこの川から海に流れ込んでいます。リドゲート公園には、このワイルア川の河口に大きなヘイアウがあります。ハワイ島のホナウナウ歴史公園と同じく、駆け込み寺だったそうです。海岸線から上る朝日を見ることができるこの地に、古代の人がヘイアウを作った気持ちがわかるような気がします。
ワイルア川の河口では、山から川を経て海へと続く一連の自然の営みを感じることができます。

道路を挟んでワイルア湾の向かい側には、かつてカウアイ島一番のホテルだったココパームスホテルが廃墟となって建っています。ハリケーンイニキで閉鎖されるまでは、カウアイ島の観光業に大いに貢献したそうです。まだココパームスホテルがやっていた頃、訪れたことがありますが、自然と溶け合ったすばらしいホテルでした。近々このホテルが4階建てのホテルに再建されるようです。ホテル再建に関して、賛成派と反対派の意見の公聴会が行われていました。ココナッツ林の広大な土地とワイルアの大自然を生かしたホテルになってほしいなと願っています。開発と自然は共存できるものだと信じています。ここに4階建ての近代ホテルは似合わない。コテージ風の自然を身近に感じられるホテル、たとえばホテル・ハナ・マウイのような造りが望ましいのになと一人で考えながら、結果がどのようになるか案じています。