來迎寺 (向日市寺戸町中垣内)
『聖衆山 来迎寺
当寺は、西山浄土宗光明寺の末寺で、文禄三年(一五九四)に印空節道上人の開創と伝えられています。
享保十五年(一七三〇)に寺戸村、の大火のときに類焼し、本堂や庫裏などが焼失しましたが、三十七年後の明和4年(一七六七)に本堂や庫裏が再建されました。こうして、再建された本堂や庫裏も老朽化し、平成五年(一九九三)に新たに建築され現在に至っています。
本尊の阿弥陀如来立像は腰を右に捻り左足を前に出した動勢のある流麗な姿勢をもち十三世紀の特色を示しています。本像の注目すべき点は、胸部の肉身と衣が別材で作られ、外見上はわからない部分に工夫をこらして作られていることです。本尊は、このように、貴重な文化財ぶあることから向日市の文化財として指定されています。
向日市』 (説明書きより)
(向日市HPより)
阪急電車京都線東向日駅の西側数百メートルのところにある。同じような名前のお寺は全国にあり、実際ここの来迎寺と同名のお寺が北数km の所にもある。お寺のちょうど向かい側がコインパークだったのでそこに車を置いてお寺への短い参道へ入る。周囲は住宅街でその中にポツンとある感じ。門は奥まっているので周囲は非常に静かだ。阪急電車の通過音が小さく聞こえてくる。
境内に入るとあちこち緑がいっぱいで、その中から本堂などの建物が見え隠れする。上記説明札にあるように近年建て替えられたもので、見た目にも確かに新しい。石像十三重塔もありいかにもお寺らしい雰囲気がある。かといって全部が全部新しいものではなく、かなり古い石像多重塔もある。石地蔵も小さな小さな祠に覆われて優しい眼差しを感じさせる。本堂内には指定文化財の阿弥陀如来立像があるが、公開日でもないし見ることはなかった。
説明書きによるとお寺そのものは、ちょうど戦国時代の創建であり、江戸時代に再建されている。そして近年建物が建て替えられたとのことだが、これがもし建て替えではなく補習という形で耐震化もされていれば、建物自体が指定文化財になった可能性もある。まぁそういったあたりはお寺さんの様々な事情もあるなので何とも言えないが。
お寺全体が非常に良い雰囲気で、しっとりと落ち着ける。この日はも陽光もさしていて撮った写真も非常にコントラストも高い、見栄えの良いものが撮れた。
寺を出て次に向かうついでに、阪急東向日駅前に寄る。新聞記事でこのあたりが再開発されているという記事を読んだ記憶があって行ってみた。
現職時代この近くの職場にいたので、当時の様子は記憶に残っている。駅前は狭くて古い住宅が密集していて、数少ない個人店舗が並んでるくらいだった。それがなんともまあ大きく変貌していて、駅の真ん前に14階建てのマンションがもう間もなく完成。道も綺麗に整備されて道沿いに多くの店舗が並ぶ。そしてこの北側が桂の大再開発地域につながっている。そこは大型高層マンションがずらりと並び、中央にイオンの巨大ショッピングセンターがある。なんともすごい様変わりに少々びっくりした。こうして新しく変わった街並みを見て次のお寺に向かう。
慶昌院
『慶昌院(けいしょういん)のご本尊 田植え地蔵尊
慈廣山慶昌院ご本尊由来
応仁の乱で都一帯が焼け野原になったあとの天正の中頃、寺戸村にあった大岩を切り出したところ、霊気とともに身丈三尺五寸の木像の地蔵尊が掘り出されました。この辺りは長岡京時代の大寺の伽藍跡でもあり、その中尊であったといいます。文禄三(1594)年五月に疫病が流行り、田植えができず困っていた村人たちの田に、何者かが苗を植え付けてくれていました。村人が庵の地蔵尊にお詣りすると、手足が泥で汚れているのに気づきます。このお地蔵さまが村人にかわって田植えをしてくださったと大変喜び、田植え地蔵尊とお呼びし信仰を深めたと伝えられています。』 (寺のHPより)
慶昌院は先ほどの来迎寺前の街道沿いに西へ約1 km 余り。同じ街道に面している。やや高台にあり先ほどの東向日の再開発地域がよく望める。駐車場が完備されておりそこに車を置いて境内への階段を上る。
こちらも本堂などの建物はかなり新しく、おそらく鉄筋コンクリート造りだと思われる。境内は緑は少なめで、全体的にどちらかといえばやや寂しい感じ。石地蔵などが建てられており、上記の田植え地蔵尊なのかどうかは分からなかった。おそらく別のものだろう。
創建は安土桃山時代、つまり戦国時代の頃だ。江戸時代に焼失しており、その後江戸末期に再建されたと言う。本堂などの建物はさらにずっと後の建て替えではないかと思われる。 したがってお寺全体としての、何かこれといった特徴的なものは外観状見られないが、「田植え地蔵尊」の話はかなり有名なようで、ネット上も含めあちこちで紹介されている。また向日市指定の文化財である絵画があるとのこと。何れも江戸時代後期の作だ。
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