きらせん

仙台のきらめき










東北大学公共政策大学院准教授
佐分利 応貴

 「またまた上勝町 ~ 月の宿」

2007-09-13 23:49:31 | Weblog

  弘法大師の開いたといわれる月ヶ谷温泉の『月の宿』に宿泊。
  昨年改築したばかりで、とーても綺麗なホテルである。
  (株)『いろどり』のオフィスもこの温泉の建物の中。

  

  

  外の川では学生が水遊び中。
  平和だ … 

  

  客への応対も丁寧。1泊2食で通常料金は8,000円。おすすめです。

  月ヶ谷温泉 『月の宿』
  http://domestic.hotel.travel.yahoo.co.jp/bin/plan_image?chiku=7561&shisetsu=A01&roomtype=0072047&plangroup=00232852&syokuji=1&corp=2&pre_j=0

  … でもなぜか1階の2つの風呂が全く同じ構造。
  (大風呂と水風呂。横にサウナ。)

  部屋は「更衣室1」 「風呂1」 「更衣室2」 「風呂2」の順でつながっている。
  でもって、更衣室1から風呂1に入り、隣にももう一つ風呂があるはずだから行ってみよう風呂2に入ったら、目の前には風呂1が。

  ????

  なんで?
  でも、よく見るとビミョーに違う。サウナの大きさとか、打たせ湯があるとか。
  やっとさっきと違う風呂であることに気がつく。この間10秒。

  忍者屋敷のつもりかな?
    
  入ってすぐに気がついたヒトは、脳年齢20代です。



  月と言えば、本日13日からエジプトではラマダン(断食月)が始まる。
  太陽が出ている間は、何も食べない、何も飲まない。
  タバコも吸わないし、人によってはつばも飲み込まない。
  1年間の罪を清める神聖な月である。

  月の宿と、そのゆかりの人々に幸あらんことを。
  
 
  
  
 


 「また上勝町 ~ 気分上々↑↑」

2007-09-13 23:46:27 | Weblog

  12時の待ち合わせのとき、研修担当のUさんに、

  「あのぅ… ひょっとして『上勝町的気分上々↑↑』ブログ書いてる人ってご存じですか? 
  あのブログすごく気に入っていて、ブログにAやさんの名前が出てるんで、お知り合いかと… 」

  「え? Nさんですか? はい、知ってますが… 」
  「Nさんって言うんですか。
  今日明日の日程のどこかでお会いできるとうれしいんですが… 
  ぜひお願いします。」

  「農家の方にお会いするとき、家が途中なんでNさんさえ良ければ会えるかもしれません。
  電話で聞いてみます。」

  「ありがごうございます!!!」




  そのブログというのが
  『徳島県上勝町的気分上々↑↑生活♪』 
   http://ameblo.jp/rikkaiai/entry-10047016183.html#c10066753388
  である。



  なんといっても文章のセンスがよい。

  ブログは平面の芸術であり、
  写真、文字(フォント、色、サイズ)を組み合わせた表現方法である。
  『気分上々↑↑』は、その自由度とパワーですでに芸術の域。
  
  そして、その内容は『外部の眼から見た地域の魅力の再発見と発信』であり、地域活性化の重要なコンテンツ。


  「これだよ! こういうブログが欲しかったんだ!!


  気分は『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役としてヴィヴィアン・リーを発見したセルズニック。
  筆者に会いたいと思っていたが、さすがに一読者の面会以来にいちいちつきあってもいられないだろうし… と思っていたら、前日のブログでAやさん(今回の研修担当)の名前を発見したので、思い切ってお願いしてみたわけである。

  結果は、『気分上々↑↑』のブログのとおり(たぶん)。
  面会をセットしていただけることになった。Aやさん、本当にありがとうございました。m(_   _)m



  さて、いよいよ今回の研修のメンバー3名+AやさんでNさん宅に強行突入。

  
  部屋広い…
 
  霞ヶ関の役人の公務員官舎とは比較にならんな。
  しかもオール電化。さすがリッチな上勝町。町営住宅もリッチである。

  Nさんは北海道釧路市出身。
  日銀勤務のあと、結婚して旦那様と滋賀、徳島と移住し、その後上勝に移住。
  家族4人で元気に上勝町で暮らしている。
  ちなみに旦那様も准教授だそうだ。

  『気分上々↑↑』の良さは読んでいただくとして、
  地域活性化における情報発信の重要性について。

  ・地域の元気は、地域に対する誇りから。
  ・地域の誇りは、周囲の賞賛で得られる。
  ・周囲の賞賛は、地域の魅力が外部に情報発信されて得られる。

  … となると、その魅力を「誰が」発見し、「どうやって」発信するか、が問題になる。
  地域の人間は、地域の魅力に気がつかない。逆に、自分たちが自慢できると思っているものは、実はどこにでもある代物だったりする。横石さんも、葉っぱが売れるなんて、大阪のがんこ寿司で若い女性客が料理についてきたもみじを大事そうにハンカチに包んで持って帰るのを見るまでは、もみじの価値に気がつかなかったわけだし。
  祭りやイベントで人を呼ぶことはできる。しかしそれは一発花火で、地域と『よそ者』の出会いを増やす効果はあるが、地域の魅力を伝えるには不十分である。これに対し、『よそ者』が地域に入り込んで、日々の生活の中で発見した魅力は、点でなく面の情報であり、それがブログで発信されれば絶大な効果がある。

  「毎日が驚きの連続」(Nさん)であり、モノがない分、ヒトが生活の中心となる。
  ヒトとの交わりの中で、原色の喜怒哀楽が広がっていく。

  Nさんの旦那様が他の大学に引き抜かれませんように。
  (あ、ウチの大学に来てくれるなら大歓迎です。)




  p.s. ちなみに、Nさん、私の敬愛する中島みゆきを若くして愛らしくした感じの方でした。顔出しがNGだったのでご紹介まで。
  徳島No,1から四国No.1、全国制覇を目指してください!

  <a href="http://ranking.s-ling.com/ranklink.cgi?id=kirasen">
      


 「続々上勝町 ~ ご講演」

2007-09-13 23:40:08 | Weblog

  で、横石先生のご講演。
  今回は参加者が3人しかいないので申し訳ないが…

  「人は自分の出番があることが何よりもうれしい」

  「老人ホームを昨年廃止した。」
  「徳島県は日本で一番人口あたりの病院数が多いが、みんな暇になると病院に行く。この町では、老人が忙しくて病院にくる暇がない。だから医療費が増えない。老人が多いが、一人あたり医療費は徳島市と変わらない。」
  「上勝町は30億円の基金があり、一人あたり150万円の計算になる。」
  「ゴミの分別を34分類でやっている。ゴミ回収車が回らないが、自分の好きなときにゴミを出しに行ける。リサイクル率は80%になった。2020年までにゴミゼロ、リサイクル率100%を目指す。」
  「よそもんが地域に新しいアイディアを持ってくる。Iターンをもっと増やしたい。」
  「地域の仕事は、70%が(地域の人との)つきあい、30%が仕事。これが分からないと地域でうまくいかない。」

  「田舎での商売は儲からない。普通にやっていたのでは運送費で赤字になってしまう。だから儲かる仕組みを必死になって考えないと。セブン・イレブンのPOSシステムを見たときに、“これだ!!”と思った。商品棚が山の斜面に見えた。(料理人が必要な時にウチの山からつまものを取り出せるようにすればいいのだ、と)」

  「“出番”を与え、“評価”し、“自信”をつけさせる。こつこつヒットを打つことが大事。」
  「生活習慣から抜け出させる仕組みが大事。いくらいい講演を聴かせても、『横石さん、いい講演やったわ』で次の日には全部忘れてもとの生活にもどってしまう。リセットされてしまう。」
  「(地域のことが)自分のことになるような仕組みを組み立てること。」

  「田舎の人は、他人のことが気になる。そこを利用する。」
  「いま地域で起こっていることは“気の空洞化”である。組織がなくなり、農業などが儲からなくなり、公共事業が減り、学校が市町村合併でなくなっている。学校がなくなると地域の“気”は半分以下になる。孫が出る運動会がいかに地域を元気にするか。そのへんを国の役人は分かっていない(だから合併という話を安易にする)。」

  「『いろどり』ビジネスでは、農家のおばあちゃ一人一人が事業家になる。
  おばあちゃんの気を高めるために、毎日ラブレターを書いてFAXで送っている。
  キーボードは『気ーボード』。競争心で成長する。」

  「商品に『価値』、『場面』、『仕組み』、『情報』が重要。」
  「商品は『素材』が3割、『価値』が7割。どういう場で見せるか。」
  「『自慢』が『自信』に、『自信』が『行動』につながる。」
  「情報の発信の7割は外へ。3割は内へ。外の情報を見て、中の人の意識が変わる。」
  「20代の人が20~30人町に入れば、町の雰囲気が全然変わってくる。」

  「『生きとううちやりたい』(生きている間はずっとこの仕事を続けたい)とおばあちゃんが言ってくれるのがうれしい。」
  「夢のタネをまきよんでよ」

  「人は誰でも主役になれる


 「続・上勝町 ~ 真打ち登場」

2007-09-13 23:30:30 | Weblog
  いよいよ研修スタート。
  自己紹介とオリエンテーション、『いろどり』DVDの上映のあと、このビジネスを立ち上げた横石知二(よこいし・ともじ)いろどり代表取締役副社長の講演が行われた。

  

  上勝町は徳島市の南西40kmにある、面積100k㎡の町。
  人口は約2,000人と四国で一番小さい町である。高齢化率は約50%、町の86%が山林、そのほとんどは人口の杉林だ。
  その町が、いまや80代、90代のおばあちゃんが元気に働く、日本一元気な町になっている。

  その秘密が『いろどり』事業である。
  「彩(いろどり)」とは、上勝町にある紅葉、柿、南天、椿の葉っぱや梅、桜、桃の花などを、料理のつま物として商品化したもの。販売額は現在年間2億6千万円である。

  農家は前日の出荷データ(紅葉が1パックいくらしたとか)と本日の需要予測(どれぐらい売れそうか)を参考にして、出荷する品目と量を決める。データはおばあちゃんの家のパソコンに送られる。

  
  キーボードは使いません。右側のトラックボールを上手に動かし、操作します。
  この仕組みも横山さんの考案。

  
  パソコンはこんな画面になってます。

  
  おばあちゃんの家の目の前の畑というか山。職場まで歩いて10秒。

   
  
     
  おばあちゃん、南天の葉をパック詰めしています。
  10枚で1パック。これを10パックで1箱。今だと1箱2500円になる。
  この日は10箱作っていたので、市価で2万5,000円。手取りで2万円になる。
  他にも紅葉や柿の葉なども作ってました。
  

 「上勝(かみかつ)町 ~ はるばる」

2007-09-13 22:54:24 | Weblog

  朝、徳島駅に到着。
  思いのほか(失礼!)大きい駅前である。
  
  
  早速、手打ちの讃岐うどん(失礼!!)の店に入り、うどんをいただく。美味である。ただ、最近は大手メーカーの製麺技術が発達しているので、日清の『ごんぶと』と比べてどうかと言われると、冷水でしめていない分プリプリ感でやや劣るか。
  
  でも、なんでうどんとごはん??

  12時に駅前集合。通常は20人程度の研修コースだが、今回は参加者が3名のみ。1人は現地集合なので、駅前には2名が集合。もう一人は鹿児島のタバコ農家のおばあちゃんNさん。家を飛び出し2~3ヶ月旅行をする途中なのだという。テレビで上勝町の『いろどり』の話を聞いて、ここで働ければと参加したそうだ。『人には人の事情がある』のである。

  駅で出迎えてくれたのは今回の研修担当のUさん。自分の車で上勝から1時間かけて迎えにきてくれて、上勝まで1時間かけて送ってくれる。仕事とはいえ頭が下がる。
  Uさんは、3年前に1年間、大学を休学して上勝町で青年農業協力隊として働いていたのだそうだ。それでこの春、東京の有名大学を卒業し、『いろどり』で働いているIターンメンバーである。

  

  車で山道を走ること1時間。上勝町に到着。
  
  ↑このピンクのところです。赤いのが徳島市中心部。

  木曽路も山の中だが、こちらの山の中は南国のせいかやや明るい。
  ただ、山の緑はちょっと暗い(黒い)ような。

  昼食を宿泊するホテル『月の宿』でいただき、いざ2日間のセミナー開始である。
  
  昼の紅葉定食。
  上勝産の葉っぱがふんだんに使われている綺麗な一品。
  栗ご飯も美味でした。

  


 「後藤田正純」

2007-09-13 08:40:04 | Weblog


  地域活性化のベスト・プラクティスを調査するため、徳島県勝浦郡上勝町へ。
  出張旅費がないので、家計の負担をおさえるべく学生並みのバス移動を決行。

  仙台→東京 東京→徳島とバスを16時間乗り継ぎ、無事徳島駅に到着。
  しっかしすごいね。東京から徳島までバスを運転する人は。2人で交代とはいえ、本当に大変な仕事だ。途中眠かったのかちょっと蛇行したり、なかなかスリリングでよろしい。
  (1個しかない自動車のカギを持ってきてしまうトラブルがあったが、新宿駅の郵便局に途中でダッシュし、無事送付完了。今は郵便局のサービスも宅急便並に便利になった。)
  
  途中ニュースが気になり、携帯のワンセグでニュースを見る。
  朝スーパーモーニングに衆議院議員の河野太郎と、後藤田正純が出ていて、なかなか鋭いコメントをしていた。河野太郎議員は言わずとしれた自民党若手の理論派・行動派のホープだが、後藤田議員(自分より1歳下)もなかなかのカリスマ。以前から自民党の部会などでも堂々たる発言をしていたし、有望な若手議員である。

  調べてみたら、後藤田議員は徳島3区出身。上勝町も地盤でないかい。
  何かのご縁ですなぁ。