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冬のソナタに恋をして

過去の亡霊

ひなたぼっこさま、冬のソナタを読んでくださって、ステキな詩を書いていただいてありがとうございます😊才能溢れる方で大好きです。


小春日の日向に 
寄り添う 恋人たちにも 
巨大な 鳥の影が 
忍び寄るように 
不幸がやってくる 

ほんの小さな 
水面の波紋ですら 
迫り来る嵐の予感を 
感じさせるのだ



チュンサンが父親を探した経緯です。杏子さま、はなちゃん様、ご質問ありがとうございます😊鋭いですね。

父親を探して1

https://blog.goo.ne.jp/kirakira0611/e/216e72b658e44655d856885243cc629d

父親を探して2

https://blog.goo.ne.jp/kirakira0611/e/6c1ddab3c776482be786c9e8ea3f7d48



ジヌはミニョンを誘って喫茶店に入った。ミニョンはジヌが母親の事務所にいることを不思議に思っていた。

「サンヒョクに聞きましたが、ジヌさんは母と同級生なんですね。」

しかし、ジヌには聞きたくてたまらないことがあったので、質問には答えなかった。

「君は本当にカンジュンサンなんだね?」

「はい、カンジュンサンなんです」


ミニョンもまだ自分でも信じられずに、照れ臭そうに言ったが、ジヌはそんなミニョンをまじまじと見つめていた。

「実はジヌさんにお聞きしたいことがあったんです。」

「聞きたいこと?」

「はい、前にスキー場でお会いした時に、僕が先生の研究室に通っていたとおっしゃいましたね。その時僕は父親の話をしていたんでしょうか?」

「父親?」

「ええ、そうです。母と親しかったと聞いているので、おそらく誰が父親なのかをお聞きしたと思うんです。お聞きしませんでしたか?」

するとジヌは動揺した様子で答えた。

「、、、私の知り合いなのかもしれないけど、、、、」

言い淀むジヌを前に、ミニョンはジヌが知らないと解釈して、がっかりした様子を見せた。

「君は父親を知りたいんだね?」

「はい、まあ、知りたいです。でも、今更気になるなんて変ですよね。」

「お母さんからは聞いていないのかな?」

「はい、父のことは話したくないっていうんです。すでに父は亡くなっているそうで。今更探しても仕方ないですよね。」


それを聞くと、ジヌの顔色は変わった。ジヌの脳裏に、先日ユジンの父親のヒョンスが死んだと聞いて驚いていたミヒの顔が浮かんだ。

「君のお父さんは亡くなったと、お母さんはそう言ったんだね?」

「もしかして心当たりがあるんですか?」

「さぁ、もしかしたら知っている人かもしれないが、心当たりはないなぁ。こんなことを言うのは何だけれども、お母さんが嫌がるなら、それ以上は聞かない方がいいんじゃないかな。きっと傷つけてしまう。その時が来たら、自分で話すだろうよ。」

ジヌはそういうのが精いっぱいで、それきりうつむいてしまった。そんなジヌを見て、ミニョンもがっかりはしたが、これ以上聞くことはできないと、お礼を言って喫茶店を後にした。後に残されたジヌは、今日知った事実から導き出される答えを、知りたいような知りたくないような気持でもやもやしていた。ジヌはポケットから高校生の時の写真を出して眺めた。そこには、楽しそうに笑うミヒとユジンの父のヒョンス、そしてジヌが写っていた。わたしたちは仲良し3人組だった。ジヌはミヒが好きで、ミヒはヒョンスが好きで、ヒョンスもミヒが好きだった。でも、いつからそのバランスが崩れてしまった。今、ジヌの考えていることはただ一つだった。チュンサンの父親はヒョンスなのだろうか。それとも自分なのだろうか。

 


その次の日の夜、ミニョンとユジンの気持ちをよそに、母親二人が春川で静かに向かい合っていた。一人はチュンサンの母親のカンミヒ、もう一人はユジンの母親のイギョンヒだった。ミヒは日本公演を終えて韓国に帰国すると、ミニョンにも連絡せずに春川に直行したのだった。そして、この二人がしっかりと向き合うのは、ヒョンスを入れて話した29年前だった。ギョンヒは台所でお茶を入れており、ミヒはヒョンスの写真たてを静かに見つめていた。写真の中のヒョンスは少し年を取っていて、優しい笑みを浮かべた良いパパという雰囲気だった。あんなに愛した男性が、今は写真の中でしか会えないことが、とても悲しかった。この家は優しさと愛情に満ちた家庭という感じだった。質素な造りではあるが、家全体から温かみを感じた。ヒョンスが欲して愛してやまなかったものがここにあるのだろうと思うと、心の奥の奥がちくりと痛むのだった。それでも、ギョンヒが戻ってくる間に、何とか気持ちを立て直した。自信満々の成功した音楽家という仮面をつけるのだ、ミヒは自分を奮い立たせた。


ギョンヒはお茶を出し終わると、「大事なお客様だから」とミヒを柔らかく見つめた。ミヒはそんなギョンヒに向かって、ひたと視線を合わせて話し始めた。

「私が今日ここに来た理由がわかりますか?」

「いいえ」

「お宅の娘さんの名前はチョンユジンさんですよね?」

「はい」

「ではカンジュンサンという名前も知っていますよね?」

「はい」

「チュンサンは私の息子です」


ギョンヒはミヒの冷たくて強い眼差しに心が震えていたが、今まで我慢していた。しかし、最後の一言で心が凍りついてしまった。まさか、ユジンが運命の人だと決してあきらめなかったあの男性が、因縁の相手であるカンミヒの息子だったなんて、ギョンヒは因果応報という言葉を思い浮かべるのだった。これからの二人の話し合いは、とても険しいものになるに違いなかった。

コメント一覧

kirakira0611
@breezemaster さま、いつもありがとうございます😊
この時のミニョンはまだまだ明るくて屈託ないのですが、これから悲しい展開ですね。
親世代の複雑な人間関係が絡んでいますね。
本当はどんな感じただろう?本編にないので、想像しつつ書いていきたいです。
ありがとうございました😊
breezemaster
おはようございます^^
学生のチュンサンが、父親のことを聞きに来た時は、
昔の少し暗い感じのチュンサンでしたが、
今は、明るいミニョン、記憶を少しずつ取り戻しているのと、
ユジンと出会えた嬉しさが、ジヌとの会話にも、
出ているように感じます。

そして、この時代のヒョンスとのミヒとギョンヒ、
何かここにも、二人の女性とヒョンスの意味深い出会いと
別れがあったのを感じます。
ここからの流れは、大まかには、分かっているようで、
細かいことは、こうして読ませていただくと、
また少しずつ思い出していくのを感じます。
まるで、ミニョンですね(^^;)
kirakira0611
@olive-okiraku さま、お久しぶりです。
体調いかがですか?
こうして励ましのコメントをいただけるので頑張れます。いよいよラストスパートです。
またブログに遊びに行かせていただきますね!ありがとうございました😊
kirakira0611
@hananoana1005 さま、ありがとうございます😊
ドラマでははっきりしなかったそこ!
はっきり出来たらなと思うのです。ヒョンスは罪深き男性ですね。
ところではなちゃん様の詩のチョイスが好きです。今日の詩も少年の夢と希望や孤独を感じられてステキでした。したたる空の青さ、素晴らしい感性ですね!
ありがとうございました😊
kirakira0611
@hinata_bocco さま、ありがとうございます😊
昨日の詩もステキでした。ボッコさんはいろいろと好きなことにチャレンジされていて、いつもうらやましいというか、素晴らしいなと思ってます。自分に正直に、才能を存分に発揮されてるので、これからも応援してます。

そうなんです。そういう展開なんです。誰にもどうしようもない、ダークな話ですね。ちなみに、この前までは好きなんですが、ここからあまり好きではなくて、書きあぐねてます。あはは。
ありがとうございました😊
olive-okiraku
いつもありがとうございます!
楽しみにいつも読ませていただいてます!
何度も見たはずなはずなのにいつもドキドキハラハラしています(^^ゞ
またお邪魔させて未だ来ますね!
ありがとうございます🤩
hananoana1005
こんばんは☺️
何かドキドキしています❗️
親世代の三角関係に。
ジヌはミヒをミヒはヒョンスを。
肝心のヒョンスもミヒを最初は好きだった?けど…
何故、ギョンヒを選んだのか?
ここのところがどうしても分からないのです。
以前のコメントでユジンとヒョンス父娘で婚約者を捨てた❗️と言い切りましたが……
実のところ何故なのか知りたくて仕方ないのです。
続きを楽しみに待ちたい、と思います。

有り難うございました🧡
hinata_bocco
うわー😱そういう構造なんですね😱
想像を越えて辛い😢🌊です😱

詩のご紹介ありがとうございます❤️
(・∀・)
kirakira0611
@charlotte622 さま、ありがとうございます😊
そうなんです。チュンサンはジヌが父親だと思っていたのに、ユジンの父親が父の可能性もあると気がついてしまい、ユジンとは決して結ばれないと諦めて事故にあってしまう、、、今からはそれを思い出すストーリーになるので、みなさんが辛いとおっしゃる最終章になります。
なかなか深くて暗い話なんですよー。
なんでこれを選んで題材にしたんだろう?
と今更思ってます。
ありがとうございました😊
charlotte622
今晩は🌃チュンサンが自分の父親がサンヒョクの父親だと知った経緯がよくわかりました。リンクを貼って頂き、ありがとうございます。どうもこの辺り読み飛ばしていたみたいです💦
それにしてもミヒはもっと早くに父親が誰なのかをチュンサンに教えるべきだったと思います。思い出したくない記憶なのかもしれませんが、子供には知る権利がありますよね…ミヒは少し勝手だなあと思いました。
このドラマ、本当に深い物語ですね❗
杏子
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