てんかん娘と働くママさん

てんかんを持つ長女と元気な長男次男にかこまれてヘロヘロになりながら働く母の日記というか独り言・・・・

選ばれる学校

2008年10月10日 | Weblog
私の長女がお世話になっている学校は人気があります。

理由は沢山ありますが、小学部に限って言えば、教師の人数が多いからです。
私の地域では普通の小学校の特別支援学級は1人の教師で児童を9人までみます。クラスが10人になるとクラス分けして5人のクラスが2つになる仕組みです。
病弱な児童やじっとしていられない児童に対してのスタッフの加配人事はありません。
学校によっては教頭や校長が手伝っているようです。

地域の特別支援学校は1人の教師で5人までみます。障害の重複している児童には1人の教師で3人までみる、といった、枠があります。

私の娘は知的障害も重度にあたりますし、てんかんの持病がありますので重複枠に当てはまります。
もし、地域の特別支援学校に入っていたら、3人クラスか、または担任が複数人になります。
だいたいは各学年に1クラスの編成で、担任が1~3人、授業によってグループに分かれたりしているようでした。

長女の通う、某大学附属特別支援学校は5~7人の児童に2~4人の担任という編成です。
小学部の新規入学枠は約3人です。1学年はほぼ3人ずつで、2学年一緒のクラスとなっています。

担任以外に実習生などがスタッフに入ったりするので、大人の人数は児童数を超えます。

こういった厚待遇が小学部の受験動機の一番に挙げられると思います。

また、ひと昔前には就学免除~義務教育なのに障害児は教育を受けなくてもいいという制度がありました。ようするに厄介払いですよ。

今はもう、そういった事はないので、義務教育の間は教育を受ける権利は保証されています。

しかしながら、高校は義務教育ではないので、中学まで地域の学校で特別支援学級に在籍していたとすると、高校はどこにも行くところがないという事態になる事もあるそうです。

就学相談で、地域の小学校を希望していた私の療育仲間は、
『地域の学校でなんとかやっていけても、高校は行くところがなくなりますよ』
と説得されたと言っていました。


そういった事を懸念して、高校までほぼ保証される特別支援学校を、早い時点で選ぶ保護者もいるようです。

一口に特別支援学校と言っても色んな障害を持つ児童がいて、程度も様々ですので・・・

中学部、高等部からの受験組はまた違った目的で選ぶようです。

前に『就労の奨励に力を入れている』と書きましたが、特別支援学校の卒業後の就労率としたら長女の通う学校はずば抜けて良いです。
また、永年勤続される卒業生も多いです。

就労率の良さの一因は教師が駆けずり回って、仕事の実習をさせてくれる企業を探すといった、地道な活動にあるといえます。
他には雇い入れた後の企業の側の根気ある対応ですね。人事や仕事の現場のお話を伺うと感心というか感動です。


この就労に関する実績は噂になり、中学部、高等部からの受験者は遠くからわざわざ受験するんだそうです。

確かにここまで児童、生徒の為に就活してくれる大人の集団は他にないでしょうから。

ただ、なんとな~く、ひがむ気持ちになっちゃう。

小学部から酸いも甘いも学校と共に過ごして、保護者は並々ならぬ努力と学校への協力をしていっても、学校の特色である就活の恩恵を受けられるのは後から入学して来た優等生達・・・・

学校側は別に私達小学部組を差別することなく就活してくれます。
でも現実に就労できるのは、ある程度の能力がある中途入学組に限られてしまいがちなんです。

だから、就活も障害者がより良く生活する為に大事な事なんだけど、もう、就労は無理だろうと予想される重度の児童には、保護者との相談のうえで違った方針を立ててもいいんじゃないかなあって。

これを面と向かって訴えてしまうと、ならば辞めて下さいと言われてしまいますので、ここだけの話で

親に選ばれる学校?
いや、親を選ぶ学校なのかもしれませんね。