里海邸|大洗海岸。東京都心より90分、大海原が広がる静かな別邸へ

「素朴を上質に」海の別邸は、隠遁時間。~波と光色。湯と縁側。陶と食。磯と木の食卓。|里海邸 金波楼本邸 公式ブログ

邸宅化する旅館

2008年05月18日 | 宿の話題・主人の旅記録
最近オープンした宿を見ていると、客室の間取りは住宅を思わせるようなものが多くなってきたなぁと感じています。

豪華さを競って建てられた嫌味な感じの広い間取りの旅館に辟易していましたが、よく見てみると、経営者の真心を感じる居心地よさそうな宿も登場していますね。

このような邸宅風旅館はいわゆる別荘風なのですが、デザインはあっさりとしていて、自己主張しないのが気持ちよく、何度でも飽きずに利用できそうという感じがします。

これまでの旅館に較べて、部屋はリビング、寝室、露天風呂などが住宅並みの快適レベルできちんと分けられているため、宿泊単価は3万円以上と高単価です。

例えば、合歓のはな

雰囲気はなんとなく由布院玉の湯を思わせる居心地を予感させます。

箱根に登場した翠松園は、ちょっと雰囲気が違いますが、こちらもやはり邸宅風旅館ですね。ホームページを見ていると住宅展示場みたいですし・・・

これまでの高級旅館と違って、数奇屋造りの様式美に凝ったり、高級家具や調度品で魅せていくようなやり方をしていないので、従来の同価格帯の老舗旅館と較べてチープだと仰る方もおられるようですが、居心地良く現代社会で疲れた人々を癒そうという意気込みを感じる、健全で良心を感じる旅館だと思います。

但し、同じような宿は地方に今後増えていくと思われますので、立地環境を含めた本物感や独自性がないと、同質化は避けられないでしょうね。

快適性を手にした宿の今後は、地方性や日本的感性を掘り下げてゆくものと想像しています。当館もそのような方向に転身してゆきたいと思います。

日本の地方旅館はまだまだ多くの可能性を秘めており、私個人、旅行が好きな消費者の一人としてとっても楽しみです。