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井上靖「大洗の月」が教えてくれる、大洗の魅力 /大洗の旅館 里海邸

2014年06月08日 | 大洗町の話題

ここ大洗海岸は、井上靖の「大洗の月」や、徳川光圀作詞、滝廉太郎作曲の「荒磯」の舞台として登場する月夜の美しい名所です。どちらもあまり知られていない作品ではありますが、絵に例えると印象派っぽいような、大洗の土地風土が持つ心地よさを表現されている作品です。今回は大洗の月についてご紹介したいと思います。


「大洗の月」あらすじ


 昭和28年。時代は、戦後復興期から高度成長の黎明期。東京で自動車部品の下請け会社を経営する主人公 佐川は、仕事は順調に拡大しつつも、当時の不安定な社会情勢から急激に事業崩壊するかもしれないという「亡びの予感」を抱えたまま生きています。そんな不安が辛く感じる秋の日。行ったことのない大洗の荒涼なイメージに惹かれて中秋の名月を見ようと、旅行に出かけます。

これは人生に希望を失いかけている男の一人旅の物語です。

旅先の大洗で、主人公は心地よい時の流れる海自然や純朴な人々と出会い、次第に心が解きほぐれてゆきます。物語の最後では、成り行きで古道具屋で購入した絵の作者、どうやら有名画家の偽作家と思われる老人画家の住まいを訪ねることになります。深夜11時過ぎであるにもかかわらず画家は夫婦でともに起き出してきて、主人公をあたたかく迎え入れ夕食の残り物の魚と持ち寄った酒で、ささやかな宴がはじまるのです。雲間からぼんやりと月明かりの落ちる海辺の家で、主人公と画家に穏やかなひとときが流れて行きます。

主人公は潮騒に包まれた家で自然に寄り添った暮らしをしている夫婦に好感を感じます。そして、この老人が偽画家かどうかということはさておいて、老人画家が生涯を通じて亡びの予感を感じながらこの歳まで生きてきたのだろうと、気付くのです。

そう思ったとき、雲間から美しい満月が現れます。そして、画家の家が凄まじい波の音に洗われている様子とともに、物語は終わります―。

「大洗の月」は、働き盛りの人が陥る不安を癒す、素朴な海の町の世界を丁寧に描いています。

東京から見て、大洗という土地柄はあまり知られていない土地として、この小説でも紹介されますが、東京から近くて、遠い気もするような辺境の地 大洗は、都会に生きるある人々にとっては、本当に心から癒される休息地だったのでしょう。

月の静かな美しさと、激しい波の音。そうした大洗の自然環境が作りだす穏やかで逞しい田舎の人々。そうしたものを全て含めて、無常感に近いものが漂うのがこの町なのかもしれないですね。人生にあがいていないというか、くよくよしてもしょうがないといった、あきらめを超えた先にある「純粋な幸福」のようなものなのでしょうか。山村暮鳥の詩にもそのような雰囲気が漂っています。大洗の潮風は、人々に子供の頃のような穏やかな心を送ってくれるのでしょうか。そんな空気が潜む大洗町を訪ねることは都会の人々にとって、癒しになるのかもしれません。


 

海辺でひとやすみ ―東京都心よりアクセス90分― 茨城県・大洗海岸。  

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