目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「永遠の0」 百田尚樹

2010年10月03日 | 読書
百田さんといえば、私の中では
”「探偵!ナイトスクープ」の放送作家さん”
という存在ですが、作家デビューされて以来、
高い評価を受けているというので気になってました。

先日、百田さんの「モンスター」を読んだ感想が
まだなんですが、読み終えたばかりのコチラを先に。

「永遠の0(ゼロ)」(百田尚樹 講談社文庫)

終戦後60年、健太郎という若者が、ライターの姉とともに
特攻隊として死んだ祖父のことを調べることに。
かつて祖父とともに過酷な戦争を戦った人々を
訪ねて、話を聞くうちに浮かび上がってきた真実は・・・

読み始めた時、本の分厚さと慣れない戦争用語(?)の
言葉の数々に引いてしまったのですが、
半分を過ぎてからは結末が知りたくてイッキに読めました。

終戦後に再婚した祖母からは、祖父の話は
ほとんど聞くことがなく、全く知らなかった
宮部久蔵という人物について知ることは
太平洋戦争を知ることでもありました。

天才的な戦闘機乗りだった彼は、
同時に臆病者とも呼ばれていました。
誰もが”お国のために”名誉の死を望む中、
”愛する妻と子のために絶対に死ねない”と
言ってはばからなかったから。
そんな彼がどうして特攻で死んだのか・・・。

恥ずかしくなるぐらい、私もこの戦争のことを知らない。
この夏、海外ドラマの「ザ・パシフィック」を観て、
この戦争の過酷さを知ったところだったので
それを思い描きながら読んだり。

どんな戦争も、実際に戦場で命がけで戦うのは
若い兵士たちで、軍の上層部や国のお偉いさんは
人の命なんかなんとも思っていない。
それが悔しい。

そんな大勢の命の犠牲の上に、今の平和な世の中が
あるんですよね。
夏に、倉本聡さん脚本のドラマ(お芝居)を
やってました。戦争で亡くなった兵隊さんたちの
魂が、今の日本を見に来る・・ってやつ。
まさに、こんな日本のために自分たちは死んだのか?!と
ショックを受けるだろうね。

今、もしこんな戦争が起きたら
日本の人々はこんなふうに戦えるのか?
と本当に思います。
私は絶対できない。
旦那や息子にも絶対戦争に行って欲しくない。
当時の人も、そう思っていても、口には出せないし
避けることはできなかったんですよね。

小説の中身について書くとネタバレになりますが
戦争を知るという意味でも、
読んでよかったと思える本でした。

ただ・・・”ちょっと出来すぎ感”は否めない。
戦友へのインタビューを重ねるごとに
お祖父さんの姿の核心に近づく証言に出会う、っていうのも、
最後に明かされる事柄も、素晴らしいと思うし
実際泣けてしまったけど、出来すぎだと感じてしまった。
お祖父さんの決断の謎も結局は
はっきりと描かれていないように思うし。

それでも、読む価値はあると思います。
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