昨夜は、風が強いのかな?とちらりと思ったけどわざわざ起きることもなく夜が明けた。
結局台風の影響はなにもなかった長野盆地。
今日は送り盆。
迎えは早く送りは遅く。
らしいけど、ま。
あさいちに軒先で送り火。

ん…
母はとうとうお盆の一時帰宅をしようとはしなかった。
その時はそんな気配は微塵も無かったのだけど、三年前の父の新盆の時の送り火が母にとっての最後の送り火だったのかもしれない。
そういえば、いつまでもいつまでも眺めていたっけ。
母は自分のことを銀幕のヒロインだと思ってるようなところがあった。
三年前いつまでもいつまでも送り火を見つめながら、きっと母の頭の中にはエンドロールが流れていたのかもしれない。
それはそれでコケコッコーなんだけど、実際にはクランクアップすらしていなかったのだった。
母の頭の中は現実は無かったことになってるんだろうな。母好みのラストシーンになっているんだろうな。
テレビは見ない小説を読まない上に母が話題にしたい頃の過去の記憶の大半を喪失して空っぽな娘と過ごすことは嫌だったんだろうな。
ま。

今日は家に帰る。


北陸新幹線のはくたかは空席がいっぱいだったけど、東京駅は東海道新幹線の再開を待つ人たちでごった返している。
