6月6日は泉屋博古館東京で木島櫻谷の展覧会を堪能したあとに湯島の文京区教育センターの2階へ。


東京大学総合研究博物館コレクション スクール・モバイルミュージアム。
「遭遇」。
会期は5月10日~9月30日。

ー博物館で研究する者は、しばし骨格標本と向き合っている。科学的客観的テーマをもって研究するとともに、かつて動物の命を携えていた骨を見ながら、骨の形に心動かされて時間を過ごす。まさにそれは、骨との遭遇である。骨から得るものはしばしば知識であり理論であるが、今日は見えてくるかもしれないのは、骨とそれを観察する人間との間柄であるー
ちょっと頭のわいたような文章に読めなくもないけど、私はなぜだかこの文章に心を動かされていた。
骨が並ぶ。

ー現代社会を生き延びるため、我々は常に、社会から求められる人物像に近づこうと努力し、他者との関係に奔走する。そんな我々に、動物を思う時間はほとんど残されていない。そしてまた、自分自身を思う時間も。
今日、我々は多種多様な動物たちと遭遇する。日常では味わうことのない、この異質な体験が、まだ見ぬあなた自身との遭遇のきっかけになるとことを願ってー
これも妙に味わい深い。

入口にカウントのための記帳ノートがあるだけで誰もいない。
この日この時間の来館者は私ひとりだった。
ただただ様々な動物の骨と抒情的ともいえる文章が並ぶ。










不思議だ。
まだ見ぬ自分自身との遭遇とまではいかなかったような気がするけど、骨が語る物語を聞いてみたい。
